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中国四川省の地級市 ウィキペディアから
綿陽市(めんよう-し)は中華人民共和国四川省に位置する地級市。省会成都市に次ぐ四川省第2の都市で、古くから生産力の高い農村であったほか、電子工業や高等研究機関が集積する。「綿陽」とは、街の北に綿山があり、またかつては綿水(涪江)の左岸に市街中心部があったことによる。
中華人民共和国 四川省 綿陽市 | |
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沈抗ダム湖 | |
四川省中の綿陽市の位置 | |
簡体字 | 绵阳 |
繁体字 | 綿陽 |
拼音 | Míanyáng |
カタカナ転写 | ミェンヤン |
国家 | 中華人民共和国 |
省 | 四川 |
行政級別 | 地級市 |
党委書記 | 彭宇行 |
市長 | 劉超 |
面積 | |
総面積 | 20,249 km² |
市区 | 110 km² |
人口 | |
総人口(2015) | 477.19 万人 |
市区人口(2015) | 178.76 万人 |
経済 | |
GDP(2015) | 1,700.33億元 |
電話番号 | 0816 |
郵便番号 | 621000 |
ナンバープレート | 川B |
行政区画代碼 | 510700 |
市樹 | クスノキ |
市花 | ロサ・キネンシス |
公式ウェブサイト: http://www.mianyang.gov.cn/ |
綿陽の面積は2万平方km以上にわたり、うち、市区の面積は110平方km。綿陽市街は成都市から93kmの距離にある。
東は南充市、西は徳陽市、南は遂寧市、北は広元市・アバ州・甘粛省隴南市と隣接する。四川盆地の西北部にあたるが、北東から南西へ伸びる龍門山脈(九頂山)を境に、市域の北部や西部は岷山山脈などの険しく高い山々からなる。市域の面積の61%が山地で、丘陵が20.4%、平野は18.6%でその多くは大きな川の沿岸にある。可耕地面積は四川省でも4位であり、水田が多く、三期作(一年三耕)が可能。
気候は亜熱帯気候で、年平均降水量は1,100mmと多い。年平均気温は14.7度から17.3度で、夏の最高気温は39度、冬の最低気温は-5度。年平均湿度は71%。
綿陽市街には三本の主要河川、すなわち涪江(ふうこう)、安昌江、芙蓉溪が貫く。その中でも、嘉陵江の大きな支流である涪江は、岷山山脈の山中にある平武県から深い渓谷を延々と流れてくる。2004年には三江大壩ダムが完成し、西湖に匹敵する人工湖ができた。
民族は漢族が多いが、チベット族や羌族、回族などが住み、特に山岳部では多い。2010年の統計により、2010年の人口は4,613,862人で、十年間556,279人減であった。
紀元前201年に漢朝の高祖が「涪県」(ふうけん)を設置して以来、2200年の歴史を有する。
また伝説では、黄帝の妃で養蚕の祖でもある嫘祖は、市域内の塩亭県にあった西陵国出身とされる。またその子孫で夏王朝の創設者とされる禹は、父の鯀(こん)が西羌の汶山・石紐(現在の北川チャン族自治県)に封じられたために同地で生まれたという。
三国時代には「蜀道の咽喉」とされ、漢中と蜀とを結ぶ山岳地帯の通路の入口として戦略的に重要であり、後には綿州と改められた。三国時代の武将の蔣琬はこの地に葬られている。
また多くの文学者ゆかりの地でもある。漢代の文豪の楊子雲は久しくこの地に住んだ。唐の詩人の李白は、父の転居に伴い少年時代を蜀郡・綿州の彰明県(現在の江油市)で過ごしたとされる。また北宋の文豪の欧陽脩もこの地で生まれたとされる。その他、清代の学者の李調元、現代の小説家の沙汀、20世紀の科学者の鄧稼先らもこの地の出身である。
2008年5月12日に発生した四川大地震では震源地からもっとも近かったため、特に北川チャン族自治県に最大の被害を出した。
3市轄区・1県級市・4県・1自治県を管轄下に置く。
綿陽周囲は農村地帯であり豚、牛、羊、木材、竹、果物などを産出し、豊谷酒業など農業・食品関係の企業も多い。その一方で電子産業の都市であり後述のような研究機能も集積している。四川省第2の経済都市でありGDPも1700.33億人民元(2017年)と四川省2位。
主な大企業には長虹電器、九州電器、湖山電子などがあり、家電や電子製品の大工場を構えている。
空港
鉄道
道路
綿陽は中国屈指の研究機関が集中し、「中国西部の科学都市」(中国西部科学城)の異名を持つ。これは文化大革命時、核戦争を想定して沿海部から内陸部へ研究機能や工場を移動させた「三線建設」の重要な拠点として四川省、特に綿陽が選ばれたことによる。市内には科学者や技術者が18万人いる。
特に重要な研究機関には、中国最大の核兵器研究・生産機関の中国工程物理研究院(China Academy of Engineering Physics)、中国最大の航空力学研究機関である中国空気動力研究発展センター(China Air Dynamics Research and Development Center)、中国燃気渦輪研究院などがある。これらは原子力発電、核兵器、ミサイルなど戦略的に重要な研究を行い、国務院からの多大な人的支援などを得ている。なかでも中国工程物理研究院はかつて第九研究院(九院)と呼ばれていた重要な機関で、1969年に北京から内陸の四川省綿陽および広元に移され、1983年9月、各地にあった研究所を綿陽の広さ5平方kmの研究地区「839地区」に集約して現在に至っており、8,000人以上の研究者が核開発に従事している。そのため「中国のロスアラモス」という異名もある。
教育機関には西南科技大学、綿陽師範学院、西南財経大学電子商務学院、四川大学農学院など多くの大学や、綿陽職業技術学院、綿陽医科学校、綿陽青年機電工程学校などの専門学校があり、また中学・高校などの教育にも熱心である。
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