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やや黄を帯びた赤色 ウィキペディアから
朱色(しゅいろ、しゅしょく、しゅういろ)は色の一つ。朱肉のような、やや黄を帯びた赤色について呼ばれる。JIS慣用色名では「あざやかな黄みの赤」(略号 vv-YR)と定義している[1][2]。中国や日本の伝統色名である。単に朱(しゅ)ともいう。暖色のひとつ。
朱色とは元来は天然赤色顔料辰砂の色であり、色名としての朱色は本来この色をさす。しかし、後に硫黄と水銀から人工顔料の銀朱(バーミリオン)が作られたため、天然顔料としての朱の色であることを強調する場合には真朱(しんしゅ)・本朱(ほんしゅ)という。朱肉にも古くは真朱が用いられていた。
銀朱よりも赤みの強い深い色合いである。
天然顔料本来の色である真朱に対して、硫黄と水銀から人工的に作られた化合物としての硫化水銀(II)HgSの色を銀朱(ぎんしゅ)という。英語ではバーミリオン(ヴァーミリオン、Vermilion)とよばれ、一般的にはこちらのほうがよく知られる。また、現在「朱」とよばれる顔料も多くはこの色をしており、単に朱色といった場合もこちらの色合いをさす場合がある。朱肉の多くもこの色をしている。
真朱よりは黄色味の強い鮮やかな色である。
16進表記 | #e15a28 | |
辰砂の英訳であるシナバー(cinnabar)が色名として用いられることがあるが、その色合いは実際には銀朱に近いか、さらに鮮やかなオレンジ色であることが多い。
JIS慣用色名に、朱色およびバーミリオンが定義されている。 これらは同じ色として扱われており、真朱と銀朱の中庸的な色合いである。
朱色(JIS慣用色名) | ||
---|---|---|
マンセル値 | 6R 5.5/14 |
バーミリオン(JIS慣用色名) | ||
---|---|---|
マンセル値 | 6R 5.5/14 |
顕色材として用いられる赤色硫化水銀のことである。ただし、結果「朱色」を呈する色料はさまざまある。
近年環境保護のため、水銀などの重金属を使用した顔料の製造が規制され、絵具のバーミリオンは多くが市場から消えてしまった。現在同名で発売されている絵具の多くは硫化水銀ではなく、有機顔料であり、本来の朱とは程遠い色である。
現在も、文化財の補修用などとして、リサイクルされた水銀から少量の銀朱が生産されている[3]。
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