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全国消費者団体連絡会に加盟している日本の消費者団体。 ウィキペディアから
特定非営利活動法人日本消費者連盟(にほんしょうひしゃれんめい、略称:日消連)は、日本の消費者団体である。国際消費者機構、全国消費者団体連絡会の加盟団体。
元官僚で消費者運動家の竹内直一を代表として、1969年4月に『日本消費者連盟設立委員会』が結成され、1974年5月に『日本消費者連盟』として発足する[1]。2006年4月26日に特定非営利活動法人となった。
食品・農業や原子力・平和関連の問題を主に扱う[1]。米国の消費者運動家ラルフ・ネーダーの影響を受けているとされ[1]、企業の不正行為といった消費者問題を告発する、いわゆる告発型運動をおこなう。また米国の消費者団体コンシューマー・レポート(旧コンシューマーズ・ユニオン)もモデルとされており[1]、1969年6月から『消費者リポート』を定期刊行するなど、いわゆる消費者教育型運動をおこなっている。また「合成洗剤はもういらない」「あぶない化粧品」などの書籍を三一書房から出版している。なお、1975年より1986年まで、日本消費者連盟の専従として船瀬俊介が執筆活動していた。
1970年11月に、百科事典やカセットテープの訪問販売行為が不当であるとして、ブリタニカ社相手に集団交渉を行い、賠償金を支払うことの合意を勝ち得る。1971年には、学習研究社の小学校の構内での『~年の学習』『~年の科学』の販売活動を問題視し是正を求めるが、公正取引委員会の勧告があり、1972年より学習研究社側は販売方法を変更した。1972年5月には、ヤシ油入り牛乳密造の問題で、明治乳業を追及する。その他、問題があると思われる企業に対して、公開質問状を出す活動も行っている。2003年には、イラク戦争に関して、『日本消費者連盟』独自の『抗議と申し入れ』を、アメリカ合衆国のジョージ・ブッシュ大統領あてに提出している[2]。
これまでに以下のような社会的テーマについて反対、あるいは懸念を表明する立場をとってきた[3]。
一般論として消費者教育型運動については「情報の正確さよりもインパクトを与えることが目的とした内容・表現」が発せられやすく、また学術的に訂正された情報が伝わりにくいとの批判がある[9]。
同団体の出版物についても、十分な事実に基づかない断定的な表現や、専門家の共通見解に反する誤解を招く表現が含まれているとの指摘がある。一部の論、例えば、蛍光増白剤の発がん性説がいまだに専門家の間で支持されているような誤解を招く表現や、それに基づいた反対論については、倫理的に「事実を曲げた悪質情報」であり、こうした表現については「消費者保護の立場からは糾弾されるべき」との批判がある[9]。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会は、平成30年にゲノム編集食品規制についてのヒアリングに、日本消費者連盟を消費者団体代表として召喚した。その際に連盟が提出した安全性の懸念の根拠とする3報の論文について、1報は撤回済み、他2報については連盟側の解釈の誤りによる事実誤認であるとした[10]。
具体的には、ゲノム編集を行うことががん細胞では容易であることを、ゲノム編集が発がんを促進すると誤認していた点(カロリンスカ研究所・ノバルティス社による論文)、ゲノム編集のオフターゲットを減らすアルゴリズムに関する研究を、ゲノム編集のオフターゲットが「突然変異より多く大規模」であるとしている点(デルフト工科大学による論文[11])である。
なお、比較対象の「突然変異」が具体的に何を指すか不明であるが、マウスの場合、1世代あたりにおきる自然な突然変異は平均28か所であり[12]、イネのガンマ線・イオンビーム育種による変異誘発では60-80か所の変異が得られる[13]。
また、ジャポニカ米の日本晴は、原種と比較すると約500万か所のSNPsが見つかっている[14]。
日本消費者連盟は、除草剤のグリホサートが国産大豆に残存しており、発がん性が懸念されるとして使用中止を呼び掛けている[15]が、その根拠として国際がん研究機関(IARC)のレポートを引用している。
この点について、欧米の農業バイオテクノロジー企業、農薬メーカーが主体となって設立した団体であるクロップライフ・インターナショナル(バイテク情報普及会)は、このレポートは化学物質自体にどのような有害性があるのかを評価しているに過ぎず、グリホサートが実際に人類に悪影響を及ぼしていることを意味しないことを説明している[16]。本レポートにおいては、赤身肉、夜間勤務、熱い飲み物などの要因もグリホサートと同じグループ2A「ヒトに対しておそらく発がん性がある」であり、より因果関係が確からしいグループ1「ヒトに対して発がん性がある」には、日光、アルコール、加工肉、喫煙が含まれている。
実際に、アメリカ国立がん研究所が支援した、米国の認定農薬散布者5万人以上を20年以上にわたり追跡した農業従事者健康調査 (Agricultural Health Study) において、グリホサートを有効成分とする除草剤の使用とリンパ系腫瘍や固形腫瘍の発症に関連性は認められなかった[17]。
特定非営利活動法人日本消費者連盟定款第2条に定める目的は、次のとおりである。
この法人は、広く一般市民を対象として、消費者のための情報提供事業、企業の反消費者的行為の監視是正事業、国及び地方公共団体の機関等の施策に対する調査研究・提言・監視事業、消費者からの相談事業、自立する消費者とそのグループの育成事業、国内外の団体等とのネットワーク形成事業を行うことにより、生命の安全と健康の推進の確保、消費者の権利が守られる制度の確立、経済的不公正の排除、自然環境の保護と循環型社会の形成等を図り、消費者の立場から、国際的視野に立って、経済的、社会的、法律的に差別されず、人間が人間らしく生きるための、自由で平等な社会の実現に寄与することを目的とする。
日本消費者連盟の活動資金は、会費や、ブックレット等の出版物の収益によって行われ、企業・政党・団体からの援助広告等を一切拒否している。ただ、企業名での年間12,000円での『消費者レポート』の購読は可能である。日本消費者連盟の考え方、活動に賛同するものは会員になれることとしている。「財政的には自立、政治的には超党派です」と公式サイトで強調している。
2010年現在、普通会員が、年会費7,000円であり、維持会員は、年会費14,000円である。普通会員および維持会員には、『消費者レポート』が配布される。維持会員には、新刊ブックレットが配布される。普通会員および維持会員は、年1回の6月に開催される総会の議決に参加することができ、 『会員通信』で詳細な運動情報を知ることができる。
東京都新宿区西早稲田一丁目9番19号 アーバンヒルズ早稲田207号室
日本消費者連盟に事務局を置く「香害をなくす議員の会」には、社民党党首の福島瑞穂、立憲民主党の大河原雅子、高木真理ら129名(2024年5月時点)が名を連ねる[18]。
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