新和
かつて存在した日本の出版社 ウィキペディアから
かつて存在した日本の出版社 ウィキペディアから
株式会社新和(しんわ)は、かつて東京都台東区柳橋に存在した出版社である。「新和出版」および「新和出版社」とは無関係。
それ以前から海外のウォー・シミュレーションゲームの輸入を手がけていたが、1980年代半ばから1990年代初頭までのダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)関連商品の出版で知られる。テーブルトークRPGを日本に広めた会社のひとつである。1993年頃事業を事実上停止する。翌1994-1995年頃倒産したとも他の会社に事業吸収されたともいわれるが経緯は定かでない。
ダンジョンズ&ドラゴンズ#新和時代(1985年 - 1991年)も参照。
同社より刊行された雑誌は全てホビーショップでの流通やそれを経由した通信販売等を前提とし、一般書店での流通は行われなかった。
同社は「ドラゴン・ファン・クラブ」(DFC)という公認の D&D ファンクラブを設立。[注釈 1]自社主催のコンベンションとともにユーザーらの草の根サークルの支援も行っていた。後にこの規模が発展するに従い、ユーザーからのボランティアをスタッフとして募るようになって行く。このDFCは1992年頃まで存続し、活動していたようである。
また、上記のように刊行雑誌にはアマチュア・ユーザーの執筆による記事が多数収録されていた。このようにアマチュアの力を上手く用い、コミュニティを運営したことがクラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズの成功に大きな作用をもたらしていた。インターネット普及以前の、単なる「投稿コーナー」に留まらないコミュニティの活動として稀有な例といえる。
しかし、同社は「ビホルダー」のエピソードのように版権について厳しい態度をとる事でも知られていく。後には「同人つぶし」と呼ばれるような事態も数々発生した。ユーザーらによって国内未訳の関連商品が必然的に私家翻訳されるなどしていた為である。
こうしたことの背景には本国TSR社の意向も関係していると言われているが、一方ではユーザーのボランティア精神を利用し、他方では自主的な活動に制限を加えるような態度には批判も多かった。
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