ムーアは1805年に、アイルランドのキルケニー県ジェンキンスタウン・パーク(en:Jenkinstown Park)でこの詩を書いた。この詩はブラーニーの木立(The Groves of Blarney)というアイルランド民謡の旋律と共に、アイルランドの旋律 (A Selection of Irish Melodies)第5巻(1813年12月出版)に収録された。なお、この版のピアノ伴奏は作曲家ジョン・アンドリュー・スティーヴンソン(en:John Andrew Stevenson)によって書かれている。
Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;
All her lovely companions
Are faded and gone;
No flower of her kindred,
No rosebud is nigh,
To reflect back her blushes,
Or give sigh for sigh.
I'll not leave thee, thou lone one!
To pine on the stem;
Since the lovely are sleeping,
Go, sleep thou with them.
Thus kindly I scatter,
Thy leaves o'er the bed,
Where thy mates of the garden
Lie scentless and dead.
So soon may I follow,
When friendships decay,
And from Love's shining circle
The gems drop away.
When true hearts lie withered,
And fond ones are flown,
Oh! who would inhabit
This bleak world alone?
ムーアがこの詩に選んだ旋律ブラーニーの木立は、アイルランド民謡収集家エドワード・バンティング(英語版)の編纂したアイルランド民謡集に収められている。この曲は、ハイド城(Castle Hyde)という民謡の旋律にアイルランドの詩人リチャード・アルフレッド・ミリキン(Richard Alfred Milliken/Millikin、1767年-1815年)が新たな歌詞をつけたものであった。
なお、ハイド城は、古い民謡 トゥルアの緑の木々(The Green Woods of Truigha)から派生した可能性が指摘されている。この「トゥルアの緑の木々」はロンドンデリーの歌の原典とも言われており、もしこの指摘が正しければ、夏の名残のばらとロンドンデリーの歌は元々同一の曲だったことになる[1]
。
エアー「夏の名残のばら」による序奏を伴うフロトーの歌劇「マルタ」のモティーフによる華麗なる幻想曲((Fantaisie brillante, on motives of Flotow's Martha, introducing the air 'The Last Rose of Summer')op. 116 (1854年、ハープ独奏曲)
メイヴとヘイリー・ウェステンラが音楽グループ ケルティック・ウーマンとして歌っている。また、メンバーの一人クロエ・アグニューがソロアルバムに収録している。ツアーCeltic Woman: A New Journey(英語版)では、アグニューはメイヴ、ウェステンラ、リン・ヒラリーと共に歌っている。同じバージョンをアグニューとヒラリーがツアー Isle Of Hopeで歌っている。メイヴはソロアルバム Celtic Journeyにも収録している。
1993年のアルバム ブラック・ライダー(英語版)にて、舞台演出家ロバート・ウィルソン(英語版)や小説家ウィリアム・S・バロウズとの共作による同名の舞台作品に基づく「夏の名残のばら」と題する歌を収録している。この歌の中でウェイツは、"暗くて長い影"(in shadows dark and long)で覆われた "大好きなばら"(favourite rose)の花びらについて話している。歌の終わりは "I can be found in the garden singing this song / When the last rose of summer is gone."という言葉で締めくくられる。