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日本の小説家 ウィキペディアから
小林勝(こばやし まさる、1927年11月7日 - 1971年3月25日)は、日本の小説家である。代表作に『断層地帯』『蹄の割れたもの』、戯曲『檻』などがある。早稲田大学露文科中退。
日本統治時代の朝鮮慶尚南道の晋州に生まれた。父は朝鮮で農林学校の生物教師をしていた。小林は植民者の息子として朝鮮で育ち、1944年大邱中学校4年修了時点で、陸軍予科士官学校に入学した。1945年3月には特攻要員として陸軍航空士官学校に入学。敗戦によって復員した小林は、1948年に日本共産党に入党し、50年代の日本共産党が分裂抗争した時期には、徳田球一率いるいわゆる所感派に属して「火炎瓶闘争」に加わって逮捕される。その経験をもとに書いたものが、代表作である『断層地帯』である。その後新日本文学会に入会し、長谷川四郎や菅原克己らとともに雑誌『生活と文学』の編集を手がけるなど、文学運動に携わった。
小林勝の文学は「自己嫌悪と羞恥の文学」であった。「自己嫌悪と羞恥」の原点こそ、日本が植民地支配した朝鮮での少年期体験だった。だからこそ、小林は彼にとっての「故郷」であり、原風景である朝鮮にたいする安直な郷愁を拒否したのである。
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