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1934年 | 1950年 | 1961年 | |
---|---|---|---|
台風の名称 | 室戸台風 | ジェーン台風 | 第2室戸台風 |
水害種別 | 高潮 | 高潮 | 高潮 |
気圧 (ミリバール) |
954.5 | 970.3 | 937.3 |
時間最大雨量 (mm) |
6.8[2] | 19.8 | 12.2[3] |
総雨量 (mm) |
22.3 | 64.7 | 42.8 |
最大風速 (m/s) |
42.0 | 28.1 | 33.3 |
潮位 (O.P.+m) |
4.20 (推定値) | 3.85 (推定値) | 4.12 |
浸水面積 (ヘクタール) |
4921 | 5625 | 3100 |
床上浸水家屋 (戸) |
166720 (大阪府下) | 45406 (大阪府下) | 59198 |
床下浸水家屋 (戸) |
35058 (大阪府下) | 67782 | |
浸水家屋 (戸) |
166720 (大阪府下) | 80464 (大阪府下) | 126980 |
死傷者 (人) |
17898 (大阪府下) | 21465 (大阪府下) | 2165 |
大阪平野は沖積平野であり海抜が低く、台風による風が吹き付ける方向に対して大阪湾が開口しているために幾度となく高潮の被害にあってきた。加えて人口の集中、工業化の進展に伴い進行した地盤沈下ともあいまって1934年の室戸台風、1950年のジェーン台風、1961年の第2室戸台風では大きな被害を出した。そのため防潮施設の整備が進められてきたが1965年より大阪高潮対策恒久計画が策定された。高潮の被害を防ぐためには防潮堤をかさ上げする方法があるが、淀川流域では2mのかさ上げが必要であり都市の景観が変わってしまうこと、多数の橋梁と道路の改築が必要なこと、また防潮堤の延長が長くなることなどの理由により実現は困難とされた。そのため河川の河口部に防潮水門を設け、海水の遡上を防ぐことが考えられた。
計画では伊勢湾台風クラスの台風が室戸台風の経路を通り満潮時に大阪を直撃したケースを想定し、計画高潮位を大阪湾の平均干潮位(以下O.P.と略す)に5.2mを加えた値に設定した。この値は台風シーズン(7 - 10月)の平均満潮位2.2mと台風による潮位の上昇を3.0mと想定し合計したものである。 そして、防潮水門外での計画堤防高は変動量1.4mを考慮しO.P.+6.6mに、防潮水門内での計画堤防高は計画貯留水位3.5mと余裕高0.8mを加えたO.P.+4.3mに設定された。[1]
この計画に従い防潮水門の設置が行われた。正蓮寺川水門、六軒家川水門、三軒家水門ではローラーゲート水門が、安治川水門、尻無川水門、木津川水門では船舶の航行が盛んであったためにアーチ型水門が採用された。
なお、神崎川流域では橋梁が比較的少なかったために防潮堤方式が採用された。
安治川水門で採用された形式はアーチ型水門といい、アーチ型の鋼製ゲートが上流側に倒れることで水門を閉鎖する。この形式の水門は通常の水門と比較すると航路の確保、耐震性、耐風性の面で優れている。日本国内では同計画で設置され、基本設計を同一とする安治川水門、尻無川水門、木津川水門の3か所が存在している。
主水門の扉体は二つの部分からなり中央部のヒンジで結合されている。幅66.7m、高さ11.9m。鋼鉄製で総重量は530トンに達する。主塔上部の巻き上げ機からワイヤーで支えられており、開閉はワイヤーの繰り出し、巻き取りによって行う。
ガイドアーチは90度の円弧を描く鋼製の構造物で、上部に巻上機室が設置されている。ガイドアーチ下の部分はピアといい、鉄筋コンクリート製である。ピアはケーソンによって支えられており、ケーソンは地下44メートルの地盤に達している。また両側のピアを結ぶ地下通路が設置されている。
両側のピアに扉体を支える支承部が設置されている。この部分は主水門開閉時以外は水面の浮遊物が流れ込まないように防塵スクリーンで保護されている。
副水門は水位調節用に設置されている。幅17.1m、高さ11.55mの鋼鉄製スイングゲート式水門である。扉体重量は107トンである。開閉は油圧シリンダーにより行う。
水門を開くときは逆の手順で行う。
水門閉鎖は大阪府知事の指令に基づいて[4]西大阪治水事務所長が行うことと定められている。水門の閉鎖基準は高潮警報発表後潮位がO.P.+2.5mを超えるまでである。
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