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菊地秀行による日本の小説 ウィキペディアから
『妖獣都市』(ようじゅうとし)は、菊地秀行の小説(徳間書店刊)、及びそれを原作としたアニメ映画もしくは実写映画。なお、アニメ映画版は原作者が唯一“原作イメージのとおりである”とする作品である。
妖獣都市は「闇ガード」シリーズの第1作である。
()内は文庫版。
人間界と魔界の共存を妨げる者と人知れず戦う闇ガード。人間界の闇ガード 滝蓮三郎と魔界側の闇ガード 麻紀絵は、両界の平和条約調印の為に来日するジュゼッペ・マイヤートの護衛を命じられ、調印阻止のために暗躍する魔界の過激派たちに対し、激しい戦いを挑む。
妖獣都市 | |
---|---|
Wicked City | |
監督 | 川尻善昭 |
脚本 | 長希星 |
原作 | 菊地秀行 |
製作 |
升水惟雄 久里耕介 |
出演者 |
屋良有作 藤田淑子 永井一郎 青野武 横尾まり |
音楽 | 東海林修 |
主題歌 |
当山ひとみ 『IT'S NOT EASY』 『HOLD ME IN THE SHADOW』 |
撮影 |
山口仁 藤田実 |
編集 | 尾形治敏 |
制作会社 | マッドハウス |
製作会社 | ジャパンホームビデオ |
配給 |
ジョイパックフィルム[1] 洲立影片發行[1] ストリームライン[1] Manga / Oro Films[1] |
公開 |
1987年4月19日[2] 1988年9月15日(広東語吹替)[2] 1993年8月20日[2] 12月7日(Barcelona)[2] 1994年3月25日[2] 1995年9月(LIFFF)[2] 2022年4月8日[3] |
上映時間 | 82分[4] |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
1987年(昭和62年)4月25日にジョイパックフィルム配給で劇場公開された。英語タイトルは"Wicked City"。
マッドハウス公式サイトでは映画作品として掲載されているが、実際はOVA作品として制作されたものを上映したという経緯があり、本作の映像ソフトも公開と同日に発売が行われた[5]。
英マンガ・エンターテイメント UKと米ストリームライン・ピクチャーズの2つの英語吹替版が存在し、キャストは異なる。
サウンドトラックのCD盤は、本作の音楽を担当した東海林修のオフィシャルファンサイトで販売されていたが、2020年10月現在では販売休止中。 また、2015年に北米とヨーロッパでアナログレコード盤として発売された(Tiger Lab Vinyl 社)。東海林修#略歴と作品
2018年1月9日には、Blu-ray版が発売された[6]。
(協力:青二プロ)
『妖獣都市』アニメ化企画は、マッドハウスによるオムニバス映画『迷宮物語』の一編である「走る男」を観たプロデューサーによって持ち込まれた[7]。
監督を務めた川尻善昭は36歳であり、当時は大人向けの作品がほとんどなかったため、大人が楽しめるアニメを作るという目標を立てていたと、氷川竜介との対談の中で振り返っている[7]。 川尻は『北国の帝王』(1973年)のような「骨太な男の映画」を好んでいたものの、商品として成立させるべくロマンスや叙事性といった要素を取り入れていた[7]。 また、川尻はあらゆる国のあらゆる人が見ても理解できるストーリー構成を目指しており、特に本作については原作の良さを伝える気持ちが大きかったため、客観的な目線がすごく養われたと氷川との対談の中で振り返っている[7]。
当初、マッドハウス側は35分のOVAという説明を受けていたが、絵コンテができた段階でマッドハウス側のプロデューサーである丸山正雄を通じて80分のOVAだったことが判明する[7]。
作品の完成を優先させたい川尻は、増量用のプロットを急遽作成し、既にできていた35分の絵コンテはそのままに、前後や途中の部分を書き足す形でシーンを伸ばした[7]。 たとえば、当初の構想では、空港の場面から始まり、教会の場面で物語を締めくくる予定だったが、追加分では冒頭で蜘蛛女が登場する場面が書き加えられた[7]。
本作の冷たい空気感を表現したいと思っていた川尻は、青系のセル絵の具を適切に配置することで、撮影後に多彩な色彩を表現できるという考えから、青を基調とした色遣いにした[7]。その一方で、本作は現実の東京を舞台としていたため、日常的な風景を「妖美の世界」として切りとるのに苦心したと振り返っている[7]。
アニメ研究家の氷川竜介は、アニメ映画版について、「大人向けのエロス&バイオレンスを濃厚に描いた点で画期的な作品となった。」と2018年のコラムの中で評価し、後世に与えた影響も大きいとしている[6]。 また氷川は、同作では「闇の世界との闘い」を表現するためにキャラクターの陰影や背景に黒が多用されている点についても触れ、当時タブー視されていたこの手法が使われた点においても画期的な作品だったと評価している[6]。
『妖獣都市 〜香港魔界篇〜』(原題:妖獸都市、英題:The Wicked City)の邦題で1992年に映画化された。
プロデューサーは香港映画の巨匠といわれるツイ・ハーク[8]。香港映画の特徴である銃撃戦やワイヤーアクションのほか、ジャンボジェット機上の格闘シーンでのミニチュアワークや時計部品が飛び散るシーンでのセルアニメーション、妖獣や元大宗の特殊メイクなど多彩な特殊技術が用いられている[8]。
日本映画の大ファンである監督のマック・タイ・キットは、本作公開の際に来日し東映のヤクザ映画のビデオを大量に購入している[8]。
この節の加筆が望まれています。 |
『SFアドベンチャー増刊 1986年11月号 夢枕獏vs菊地秀行ジョイント・マガジン 妖魔獣鬼譚[9][10]』誌上において掲載された来留間慎一による漫画「闇の邂逅」で、滝と麻紀絵が夢枕獏の小説『闇狩り師』シリーズの登場人物である九十九乱蔵・玄角と共演している。後に来留間慎一の漫画単行本『闇狩り師』に収録された。
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