国電
かつて日本国有鉄道の短距離専用電車・電車線につけられた通称名。 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
この項目では、日本国有鉄道(国鉄)が運行していた電車の通称について説明しています。その他の国電については「国電 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
国電(こくでん)とは、日本国有鉄道(国鉄)の電車で、大都市周辺で運転された近距離専用電車または近距離専用電車線を指した[1][2]。 日本国有鉄道になる前は、「院電」(いんでん。鉄道院時代)や「省線電車」(しょうせんでんしゃ)や「省電」(しょうでん。共に鉄道省→運輸通信省→運輸省時代)と呼ばれていた[3]。
具体的には、大阪(京阪神)や東京(首都圏)の2大都市圏の近距離専用電車が走る区間の総称で、東京の山手線や大阪の大阪環状線はその代表例であった[3]。主として首都圏で用いられた用語であり、関西地方では国電相当区間でもあまり「国電」とは表記せず、他の地方の線区と同じく「国鉄○○線」と表記する程度にとどまり、書籍では「大阪の国電(1984年・ジェー・アール・アール)」、「大阪の電車・京阪神の国電・私鉄(1980年・山と渓谷社)」などで取り上げられる程度であった。
国鉄分割民営化に際してJR東日本は、国電に代わる呼称として「E電」を採用したが、殆ど普及せず名称が消滅した[3]。一方JR西日本は国電区間を中心とした京阪神近郊区間を「アーバンネットワーク」と称しているが、JR西日本の公式なリリースでは実質的に2020年以後「近畿(京阪神)圏」と紹介され、愛称であるアーバンネットワークは使われなくなった。