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日本の漫画 ウィキペディアから
『七色いんこ』の連載終了から1か月後の1982年7月9日号から1983年6月3日号まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に連載された。
手塚自身は当初SF漫画の連載を希望していたが、当時の編集長であった阿久津邦彦には「SF漫画は売れない」という考え方もあって、SF漫画の連載には否定的だった[1]。そこで、SFを薄め、剣と魔法の世界の要素を取り入れたヒロイック・ファンタジー的な本作のアイデアを手塚が出してきた[1]。手塚は本作の世界観を説明するのにハンナ・バーベラ・プロダクションのテレビアニメ『原始家族フリントストーン』を例に挙げ、「原始時代なのに石のテレビや自動車がある世界」と説明している[1]。
本作の主人公エミヤは、オテンバ、ハネっ返りな性格の手塚流美少女キャラの正統的な性格をしたキャラクターであるが、恋多き女であり次々に恋をする点が大きく異なる[1]。エミヤが女戦士として戦う際の衣装(プロテクター)は露出度が高く、また人前で裸になるといったセクシーな描写も多い[1]。黒沢哲哉は、手塚が以前にもやっていたように、連載当時に隆盛していたラブコメやロリコンマンガに対する対抗心からではないかと推測している[1]。
しかし、こういった流行に対する対抗心が先行した手塚作品が異端の作品となってしまうこともよくあることで、本作も感情が先走ってストーリーに一貫性がなくなり、主人公の突飛な行動ばかりが目立つようになった[1]。その結果、連載当時には評価されず、手塚自身も気に入らなかったことから、なかなか単行本化されなかった[1]。
手塚自身も悩みつつ執筆していたようで、「このコマにエミヤの裸体を描くべきか」「視線の行き先を点線で示したほうが良いか」など、当時担当編集だった伊藤嘉彦(後の幻冬舎コミックス社長[2])に、それまでの他の作品では無かったような相談を行っている[1]。
1983年8月21日に日本テレビ系列で放送の第6回『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』内で、本作のテレビアニメ化作品である『タイムスリップ10000年 プライム・ローズ』が放送された。日本テレビと手塚プロダクションの共同製作。
制作当時は原作がまだ完結していない上に打ち切りが決定して結末の改変を行わなければならなかった為、本作のストーリーこそが手塚が思い描いていた結末を描いているといい[3]、また時間の関係でエミヤとピラールの関係などストーリーの骨子や主要登場人物は若干[3]の、設定やデザインを含め細部にはかなり相違点が見られ、ピラールなど他作品でデザインを流用したキャラクターは視聴者の混同を避ける為別デザインに変更したキャラクターもいる[3]。その最たる例として、原作には近未来的なメカニックが登場するのに対し、この『タイムスリップ10000年』では古代ローマのような生活水準であることが挙げられる。その他人物ごとの相違点については#登場人物節で詳説する。
遥かな未来、世界にはグロマン人とククリット人という2つの人種があり、ククリット人はグロマン人の支配下に置かれていた。タチ家の養子として育てられてきた少女エミヤ・タチは、総督ピラールを倒しグロマン人による屈辱的な支配をしりぞけるため、ジンバの元で剣の腕を磨く。
タイムパトロールのタンバラ・ガイは、核爆発のショックで日本の九十九里浜とアメリカのダラスが1万年後の世界に飛ばされてしまった事件を調査するためこの時代を訪れ、それらの街がそれぞれククリットとグロマンのおこりであることを突き止める。一方、ガイの後を追ってこの世界にやって来たガイの弟・胆原分烈は「悪魔」と出会い、彼女が人間同士を戦わせるために2つの都市をこの時代に持ってきたのだと聞かされる。
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