タデ科

ウィキペディアから

タデ科

タデ科(タデか、Polygonaceae)は双子葉植物の科の1つである。

概要 タデ科, 分類(APG III) ...
タデ科
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: タデ科 Polygonaceae
学名
Polygonaceae Juss., 1789
タイプ属
ミチヤナギ属 Polygonum L. [1]
亜科
  • タデ亜科 Polygonoideae
  • Eriogonoideae
  • Symmerioideae[2][3]
閉じる

5060属[4]、約1100種[4]

種数の多い属としては、約250種のエリオゴヌム属 Eriogonum、約200種のギシギシ属 Rumex、約130種のハマベブドウ属 Coccoloba、約100種のイヌタデ属 Persicaria がある[2]。かつては300種を有すタデ属 Polygonum s.l. があったが、約8属に分割された[4][5]

日本には3-12属約70種が自生または帰化する。

特徴

草本または低木つる性もある)で、北半球温帯を中心に世界的に分布する。

は子房上位で放射相称、花弁の区別はなく花被片は4から6個で、花後も宿存して果実を包むものが多い。総状または穂状花序をなす。果実は偏平または3稜形で種子を1個含む。托葉があり、鞘状に茎を抱くものが多いが、広がって本物のと同じくらい大きくなるものもある。

系統

タデ科は、葉鞘のあるタデ亜科と葉鞘のない Eriogonoideae の2亜科に分かれ、亜科はそれぞれ数連に分かれる[4][5]

ただし、より基底的かもしれないが詳細な系統位置は未確定な数属があり[3][2]、新亜科 Symmerioideae が提唱されている[2]

タデ科
タデ亜科

Polygoneae

Rumiceae

Calligoneae

Fagopyreae

Persicarieae

Eriogonoideae

Eriogoneae

Pterostegieae

Gymnopodieae

Triplarieae

Leptogoneae

Coccolobeae

Brunnichieae

? Afrobrunchia

Symmerioideae

Symmeria

イソマツ科 Plumbaginaceae

タデ科全体は、イソマツ科姉妹群である[6]。かつてのクロンキスト体系では単独でタデ目としていたが、新しいAPG植物分類体系ではナデシコ目に入れている。

主な属と種

要約
視点

古い説などで唱えられていた属

  • タデ属 Polygonum s.l. - ソバカズラ属 Fallopia ・イタドリ属 Reynoutria ・ミチヤナギ属 Polygonum (s.s.) ・ソバ属 Fagopyrum ・チシマミチヤナギ属 Koenigia の一部・オンタデ属 Aconogonon ・イブキトラノオ属 Bistorta ・イヌタデ属 Persicaria に相当していた属。多系統であり分割された。
  • ミズヒキ属 Antenoron - タデ属ミズヒキ節 sect. Tovara を分割する説。系統的にイヌタデ属内に位置する[7]
  • ツルドクダミ属 Pleuropterus - タデ属ツルドクダミ節 sect. Pleuropterus を分離する節。イタドリ節 sect. Reynoutria と近縁であり、合わせてイタドリ属となる[5]
  • カンキチク属 Homalocladium - カンキチク単型属。系統的にミューレンベッキア属内に位置する[5]

利用

最も経済的に重要なものは、穀物ソバである。また野菜香辛料とされるルバーブヤナギタデ(普通タデと呼ばれる)、また漢方薬などの薬用にされるダイオウ(大黄)やツルドクダミ(何首烏)がある。

雑草とされるものの中にも、ヨーロッパで野菜とされるスイバや、山菜イタドリがある。アイ染料として使われている。またミズヒキやタデ類の一部などが観賞用に栽培される。

中華人民共和国漸江省では、老麺法による伝統製法の発酵のスターターとして利用される[8]

出典

参考文献

関連項目

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.