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アグジャケラトプス (Agujaceratops)(アグハケラトプスとも) は、中生代白亜紀後期カンパニアンの北アメリカ大陸に生息していた恐竜の絶滅した属。鳥盤目 - 角竜下目 - ケラトプス科に属する。属名アグジャケラトプスの意味は、「アグハ(発見地名)の角の顔」。以前はカスモサウルス・マリスカレンシスとして知られていた種であったが、別属である事が判明し、新たな属名が与えられた。
アグジャケラトプス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アグジャケラトプス想像図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
白亜紀 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Agujaceratops Lucas, Sullivan & Hunt, (2006) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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発見は1938年で、テキサス大学により3つのボーンベッドが発掘された。特にそのうちの一つは72%が何らかのケラトプス類で構成されており、それらには様々な体格・年齢のものが内包されていた。また、角竜の標本がウィリアム・ストレインによってビッグベンド国立公園から収集された。
1989年には、ボーンベッドが20個体以上のケラトプス類から成り、いずれも未知のカスモサウルス属の同一種であるとしたレーマンは、これらの標本をカスモサウルス・マリスカレンシス Chasmosaurus mariscalensis として記載した。これによりカスモサウルス類の頭部形態の個体差、そして成長過程における変化についての知見が深まった。
既知の C.マリスカレンシスの頭骨要素は限られており、フリルを成す骨はいずれも部分的であった。しかしながら、フリルはかなり太く短いことが伺われ、鱗状骨には縁鱗状骨が6つしか存在しないことが明確であった。さらに歯骨も奇妙な形状であり、本種の独自性を示唆した。 また、発見された上眼窩角と鱗状骨には二つのタイプが認められた。上眼窩角は、後方に強く湾曲して左右に大きく開いたタイプ、および湾曲が弱くより垂直に伸び左右にあまり大きく開かないタイプである。そして鱗状骨は、短いタイプと長いタイプがある。レーマンはこれらが性的二形であると考えた。しかし標本の保存状態の悪さゆえ、今日参考にされることは稀である。また、この時点でレーマンはペンタケラトプスとの類似性も指摘している。
その後1991年に、さらに多くの標本がシカゴ大学のポール・セレノの率いる探検隊により収集された。頭頂骨が失われていることを除いてほぼ完全な頭骨も発見されたが、その標本はテキサス記念博物館へ送られ、1993年に TMM 43098-1 として記載された。その鱗状骨は非常に長く、10個の縁鱗状骨が認められた。これはケラトプス類で最多である。TMM 43098-1 の鱗状骨も完全には癒合していなかったものの、ビッグベンド国立公園で見つかった別のどの鱗状骨よりも癒合が進んでいた。この事から、ケラトプス類の鱗状骨の形態や縁鱗状骨の個数の差異は、成長段階の違いである可能性が示唆された。またはビッグベンド国立公園の保存の悪さに起因するともみなされた。また、TMM 43098-1の細長くまっすぐ上に伸びる上眼窩角は、別の標本に見られる太く短い上眼窩角とは大きく異なっていたが、これも同様の理由で分類には影響しないとされた。
1938年にテキサス大学とは別にオクラホマ大学に同行したラングストンによって発見され、オクラホマ自然史博物館に収蔵されていた、四肢を含む大きな骨格、OMNH 10081もアグジャケラトプスであることが確認された。
その後の系統解析で C.マリスカレンシスがカスモサウルスではなく、ペンタケラトプスを含む分類群に含まれるようになり、それに際してルーカスらによって2006年に新属アグジャケラトプスが与えられた。
一方、他の標本と形態変異が激しすぎると思われていた TMM 43098-1 であるが、アグハ累層上部頁岩部層から新たな上眼窩角(TMM 46503-1)が発掘され、これが TMM 43098-1 同様に細長い形状であった。太く短い上眼窩角をもつ標本はアグハ層の上部頁岩部層の下部からのみ、そしてTMM 43098-1とTMM 46503-1はアグハ層の上部頁岩部層の上部からの産出であった。この発見により、2016年にアグジャケラトプスの既知の標本のうちこれまで未記載だったものがまとめて記載された。同時に TMM 43098-1 をホロタイプとして、新種アグジャケラトプス・マヴェリクス Agujaceratops mavericus が記載された。
近年の研究では、成長に伴う大幅なホーンレットの増加は起こらないことが示唆されている。
メディアによってはアグジャケラトプス属共通の特徴として、まっすぐ上に伸びる上眼窩角が紹介されている場合があるが、上述のとおりその特徴は A.mavericus を A.mariscalensis と区別する形質であり、まったくの誤りである。同時にペンタケラトプスとの類縁性の説明として短いフリルが紹介されているケースもあるが、実際はその分類においてフリルは関係はなく、むしろペンタケラトプスのフリルはアグジャケラトプスのそれよりも相対的にも絶対的にも長い[1]。
アグジャケラトプスは、ペンタケラトプスおよびカスモサウルスの両方に似ている。しかし、その短いフリルから、恐らくペンタケラトプスの先祖ではなかった事がうかがえる。
カスモサウルス亜科 |
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アグジャケラトプスは現在のテキサス州にあたる地域に生息しており、後期白亜紀カンパン階に相当するアグヤ累層で発見された。沈殿物の性質から、(少なくとも化石標本が発見された場所では)当時は湿地であったとレーマンは考えた。
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