humi

アイヌ語

カナ表記 フミ

発音

• IPA^(?): /hu.mi/

名詞

humi

1. ～の音。hum の所属形
   • inotu orke arpa humi turimimse.^[1]

     （チュㇷ゚カウンクㇽの）魂が（飛んで）行く音が鳴り響く。

   • okkayo ne ya TAKA, menoko ne ya kotom korka okkayo sone tumpa humi siorotte.^[2]

     男ではなくて女だか（であれば）それらしい（音がするだろう）がいかにも男であるらしく、鍔の音が鳴り響いた。

   • iruska wa arpa humi kewrototke.^[3]

     怒って行く音が鳴り響く。

2. (形式名詞) 感じ。ようだ。（視覚以外の身体感覚による証拠性。）
   • earkinne apepasuy ukuk kane matnepoho ka kor rupnemat ka kopasirota kor “inkar=an humi wen siknak=an wa nep ka a=nukar humi ka isam.^[4]

     火箸を強く差し、娘や老女（奥さん）を咎めながら、「私は目が悪くて、ものが見えないので、何も見ることができなかった。

   • neun ne humi ne ya ki kor an=an ayne tane sironuman hikeka sironuman hikeka suke=an ka etoranne.^[5]

     いったいどうしたことかそんな気分で過ごしていると、もう晩になったのだが、晩になったのに料理をするのも気が進まなかった。

   • ora suy hawkomeskosanpa kor cimakekatta suy kira humi a s.^[6]

     それから、また大声を出しながら、後ろに飛びのき、すぐに逃げて行ったようだった。

   • somoka mokor=an kunak a=ramu a p easir ka mokor=an a an hine wentarap=an humi ene an hi.^[7]

     まさか眠れないと思っていたのだが、眠りにつき、夢に見たのはこのようなことだった。

   • “a=hokuhu mak a=kar hine ora okake ta e=wensiknure humi an? sekor yaynu=an kor paraparak=an kor oro ta an=an.^[8]

     「あなた。どうして、その後、私はこんなひどい状況で生かされているの？」と私は思って、わんわん泣いてそこで暮らしました。

   • san wa orano tapan sunku sunku tonomat unihi kitayke kisma wa ehoturituri yakka wen kor an humi e=nu kor e=an.^[9]

     フリが下りて、このエゾマツの女神様の家のてっぺんをつかみ、引っ張ったけれど力が及ばずに、そうしている音をお前が聞いていたのです。

関連語

• 証拠性の形式名詞
  • hawe 言伝
  • humi 体感
  • siri 観察
  • ruwe 推理

参考文献

1. 黒川てしめ (1969), “22-6 ウエペケㇾ「ホイヌトノ イカオピューキ」（テンの神様が助けてくれた話）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
2. 平目よし (1969), “19-4 ルパイェユカㇻ「ポイサルンクㇽ」（若い沙流の人）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
3. 平目よし (1969), “19-4 ルパイェユカㇻ「ポイサルンクㇽ」（若い沙流の人）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
4. 貝澤とぅるしの (1969), “2-9 ウエペケㇾ「オンネ ニス」（古い臼）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
5. 平賀さだも (1969), “11-4 ウエペケㇾ「ユペッホントムンクㇽ」（湧別の中流の人）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
6. 平賀さだも (1969), “11-4 ウエペケㇾ「ユペッホントムンクㇽ」（湧別の中流の人）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
7. 平賀さだも (1969), “11-4 ウエペケㇾ「ユペッホントムンクㇽ」（湧別の中流の人）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
8. 平目よし (1969), “19-5 ウエペケㇾ「ユペッ イㇼワㇰ ウコイキ」（湧別の兄弟げんか）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月
9. 黒川てしめ (1969), “22-6 ウエペケㇾ「ホイヌトノ イカオピューキ」（テンの神様が助けてくれた話）”, 第2年次調査研究報告書1/3 (文化庁 アイヌ語の保存・継承に必要なアーカイブ化に関する調査研究事業), 2015年3月

ラテン語

語源

humus の処格

副詞

humī (比較形無し)

1. 地面に。

関連語

• humilis
• humilitās
• humiliter
• humāre
• humus

名詞

humī

1. humusの複数主格。
2. humusの単数属格。
3. humusの複数呼格。