名詞
再現(さいげん)
- 以前にあった出来事や状態を、同じように再び生じさせること。または、以前にあった出来事や状態が、同じようなさまで再び起こること。
- 不幸にして現在の録音機と発声マイクロフォンとはその機巧のいまだ不完全なために、あらゆる雑音の忠実な再現に成功していない。(寺田寅彦「映画芸術」)〔1932年〕[1]
- それにもかかわらず、かれは少年時の甘い夢を見つづけている。しかもその夢の再現がまたかれを苦しめる。(蒲原有明「夢は呼び交す」)〔1947年〕[2]
動詞
再現 する(さいげん する)
- (他動詞) 以前にあった出来事や状態を、同じように再び生じさせる。
- 人間としてわたくしは、怒りもする、憤りもする。そしてその怒りや憤りの感じを、芸術の中に再現する。(宮本百合子「感情の動き」)〔1927年〕[3]
- 現実に、あの夢を再現してみたら、どういうことになるだろうか。酔狂でなく、真剣に、痛切に、私はそのことを考えたのである。(豊島与志雄「復讐」)〔1950年〕[4]
- (自動詞) 以前にあった出来事や状態が、同じようなさまで再び起こる。
- ヴィクトル・ユーゴの「剣筆を殺さずてば、筆剣を殺さん」と言った語に、若い血を躍らせる。かかる時代は再現しないだろうけれども、昔恋しさの感に堪えない。(桐生悠々「科学的新聞記者」)〔1941年〕[5]
- アルコールのタンクに火がはいって、浮いていた多くの死体が、じりじり焼かれながらのたうった有様が、そこに再現してるのだ。(豊島与志雄「猫捨坂」)〔1948年〕[6]
活用
さらに見る 意味, 語形 ...
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 再現しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 再現せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 再現される | 未然形 + れる |
丁寧 | 再現します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 再現した | 連用形 + た |
言い切り | 再現する | 終止形のみ |
名詞化 | 再現すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 再現すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 再現しろ 再現せよ | 命令形のみ |
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