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男性器において、精巣を内包する袋状の突出部 へのこ(男性外陰部の古語) ウィキペディアから
陰嚢(陰囊、いんのう、英: Scrotum)は、一部の哺乳類のオスが持つ皮膚と筋肉や脂肪から成る器官で精巣(睾丸)を包む袋状の突出部[1]。腹部の延長線に位置し、主にヒトやその他の一部哺乳類の場合、付け根は思春期以降陰毛によって覆われる。女性では、陰嚢は大陰唇に相当する。
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一般に精巣と混同される事があるが、精巣(睾丸)すなわち性器自体を指すのに対し、陰嚢はそれを包む袋を指す。布久利(ふぐり)とも言い、俗に、袋(玉袋、皮袋)、いなり(おいなりさん)とも言われる。東北地方の一部の地域では、じじこまたはすずこ(ずの発音はじに近い)とも呼称される。
現生哺乳類のうち、有袋類と北方真獣類の大多数が持つ器官である。ただし、それぞれで独自の進化を遂げており、有袋類では陰茎の前側に位置し、ヒトを含む大多数の北方真獣類とは位置が異なる[2][注釈 1]。
ヒトの場合、男性のみに存在し、陰茎の付け根にあり、体外に膨らむ。表面はメラニン、汗腺が多い。皮下脂肪はなく、表面から順に、表皮、真皮、肉様膜、コールス筋膜、4層の被膜、睾丸鞘膜の9層の薄い平滑筋で構成する。厳密に言えば皮とは違うが、人間の皮の中で一番厚いと言われる。陰嚢の真ん中の線を陰嚢縫線という。中の2つの睾丸は平行でなく、一般的に左側の睾丸が右側よりも垂れ下がっている[4]。
精子の形成に適切な温度(34-35度)を維持する機能を持ち、温度によって伸展または収縮し、暑い時は広がって放熱を促進し、寒いときは縮まって放熱を抑止する。また、陰茎が勃起した際に皮が引っ張られ、性行為等における射精直前には縮み上がる。
色は思春期前は肌色に近く、男性器のタナー段階IIで思春期は始まる精巣容量が4ml以上になると共に(この段階で思春期に入った事に気づきにくく、身長の伸びのピークを迎えるか陰毛が発生(陰毛のタナー段階II、男性器のタナー段階IIIになってから約1年後)した時点で思春期に入った事に気づきやすい[5][6])陰嚢が増大し、しわがきめ細かく赤みが帯びる。IIIでさらに増大し、IVで陰嚢がさらに増大すると共に黒ずんでくる[7]。
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