長打

長打（ちょうだ）とは、単打以外の安打のこと。二塁打、三塁打、及び本塁打のいずれかまたは合計本数で、野球またはソフトボールなどで用いられる便宜的用語である。英語はextra-base hit。和製英語ではロングヒット。

概要

安打で出塁した打者走者が失策、野手選択などを経ずに得点圏または本塁に到達した場合、その安打を長打という。試合実況や記事などで、「一発長打がほしい場面」や「3本の長打で試合を決めた」などのように使われるのが一般的である。試合実況や記事などでは、長打と単打（短打）とを包括した「長短打」の表現も用いられる。本塁打以外の場合、外野手の横を抜けたり頭を越えたりするケースがほとんどであるが、俊足の打者走者の場合は外野手の前に転がる打球が二塁打となるケースもある。

日本プロ野球

通算記録

順位	選手名	長打
1	王貞治	1315
2	野村克也	1077
3	張本勲	996
4	門田博光	969
5	金本知憲	953
6	長嶋茂雄	936
7	山本浩二	929
8	衣笠祥雄	900
9	山内一弘	898
10	落合博満	896

順位	選手名	長打
11	清原和博	882
12	秋山幸二	855
13	中村剛也	827
14	小久保裕紀	818
15	大杉勝男	811
16	小笠原道大	787
17	土井正博	785
18	タフィ・ローズ	782
19	中村紀洋	780
20	福本豊	772
	山﨑武司

• 以上の記録は2023年シーズン終了時点

シーズン記録

順位	選手名	所属球団	長打数	記録年	備考
1	松井稼頭央	西武ライオンズ	88	2002年	パ・リーグ記録[1]
2	中村剛也	埼玉西武ライオンズ	86	2009年	右打者記録
3	小鶴誠	松竹ロビンス	85	1950年	セ・リーグ記録[2]
4	藤村富美男	大阪タイガース	84	1949年	[3]
5			83	1950年	[4]
	福留孝介	中日ドラゴンズ		2006年	左打者記録[5]
7	松中信彦	福岡ダイエーホークス	82	2004年	パ・リーグ左打者記録
8	フィル・クラーク	近鉄バファローズ	81	1998年
9	ランディ・バース	阪神タイガース	80	1986年	[6]
10	王貞治	読売ジャイアンツ	79	1964年	[7]
	タフィ・ローズ	大阪近鉄バファローズ		1999年
				2002年
	山田哲人	東京ヤクルトスワローズ		2015年

• 2023年シーズン終了時点

メジャーリーグベースボール

通算記録

順位	選手名	長打
1	ハンク・アーロン	1477
2	バリー・ボンズ	1440
3	アルバート・プホルス	1405
4	スタン・ミュージアル	1377
5	ベーブ・ルース	1356
6	ウィリー・メイズ	1323
7	アレックス・ロドリゲス	1275
8	ケン・グリフィー・ジュニア	1192
	デビッド・オルティーズ
	ラファエル・パルメイロ

順位	選手名	長打
11	ルー・ゲーリッグ	1190
12	フランク・ロビンソン	1186
13	カール・ヤストレムスキー	1157
14	ミゲル・カブレラ	1155
15	エイドリアン・ベルトレ	1151
16	タイ・カッブ	1136
17	トリス・スピーカー	1131
18	マニー・ラミレス	1122
19	ジョージ・ブレット	1119
20	ジミー・フォックス	1117
	テッド・ウィリアムズ

• 2024年シーズン終了時
• 太字は現役選手

出典^[8]

個人シーズン記録

順位	選手名	所属球団	長打	記録年	備考
1	ベーブ・ルース	ニューヨーク・ヤンキース	119	1921年	ア・リーグ記録[9]
2	ルー・ゲーリッグ		117	1927年	[10]
3	チャック・クライン	フィラデルフィア・フィリーズ	107	1930年	ナ・リーグ記録[11]
	バリー・ボンズ	サンフランシスコ・ジャイアンツ		2001年	ナ・リーグ記録[12]
5	トッド・ヘルトン	コロラド・ロッキーズ	105
6	チャック・クライン	フィラデルフィア・フィリーズ	103	1932年	[13]
	ハンク・グリーンバーグ	デトロイト・タイガース		1937年	ア・リーグ右打者記録
	スタン・ミュージアル	セントルイス・カージナルス		1948年	[14]
	アルバート・ベル	クリーブランド・インディアンス		1995年	ア・リーグ右打者記録
	トッド・ヘルトン	コロラド・ロッキーズ		2000年	[15]
	サミー・ソーサ	シカゴ・カブス		2001年	ナ・リーグ右打者記録[16]

• 両打者記録はランス・バークマン（2001年、ヒューストン・アストロズ）の94長打
• 記録は2024年シーズン終了時点^[17]

その他の記録

	記録	選手名	所属球団	記録日	二塁打	三塁打	本塁打	備考
連続試合 記録	14	ポール・ウェイナー	ピッツバーグ・パイレーツ	1927年6月3日 - 6月19日	12	5	3
		チッパー・ジョーンズ	アトランタ・ブレーブス	2006年6月26日 - 7月16日	8	1	7
1試合 記録	5	ジョージ・ストリーフ（英語版）	フィラデルフィア・アスレチックス	1885年6月25日	1	4	0	19世紀
		ジョージ・ゴア	シカゴ・ホワイトストッキングス	1885年7月9日	3	2	0
		ラリー・トウィッチェル（英語版）	クリーブランド・スパイダーズ	1889年8月15日	1	3	1
		ルー・ブードロー	クリーブランド・インディアンス	1946年7月14日	4	0	1
		ジョー・アドコック	ミルウォーキー・ブレーブス	1954年7月31日	1	0	4
		ウィリー・スタージェル	ピッツバーグ・パイレーツ	1970年8月1日	3	0	2
		スティーブ・ガービー	ロサンゼルス・ドジャース	1977年8月28日	3	0	2
		ショーン・グリーン	ロサンゼルス・ドジャース	2002年5月23日	1	0	4
		ケリー・ショパック	クリーブランド・インディアンス	2008年7月30日	3	0	2
		ジョシュ・ハミルトン	テキサス・レンジャーズ	2012年5月5日	1	0	4
		ジャッキー・ブラッドリー・ジュニア	ボストン・レッドソックス	2015年8月15日	3	0	2
		クリス・ブライアント	シカゴ・カブス	2016年6月27日	2	0	3
		ホセ・ラミレス	クリーブランド・インディアンス	2017年9月3日	3	0	2
		マット・カーペンター	セントルイス・カージナルス	2018年7月20日	2	0	3
		アレックス・ディッカーソン	サンフランシスコ・ジャイアンツ	2020年9月1日	2	0	3
		ルイス・ウリアス	ミルウォーキー・ブルワーズ	2021年8月12日	3	0	2
		アドリス・ガルシア	テキサス・レンジャーズ	2023年4月22日	2	0	3
		大谷翔平	ロサンゼルス・ドジャース	2024年9月19日	2	0	3

出典^[18]

脚注

1. 同年の359塁打も歴代4位・両打者記録
2. 同年の376塁打は日本記録
3. 同年の366塁打は歴代2位
4. 同年の355塁打は歴代6位
5. 同年の47二塁打は歴代5位タイ
6. 同年の352塁打は歴代7位
7. 同年の55本塁打は歴代3位タイ
8. “Career Leaders & Records for Extra Base Hits”. Baseball-Reference.com. 2024年10月5日閲覧。
9. 同年の457塁打もMLB記録、59本塁打は歴代10位タイ
10. 同年の447塁打は歴代3位
11. 同年の445塁打は歴代4位、59二塁打は歴代7位タイ
12. 同年の73本塁打はMLB記録
13. 同年の420塁打は歴代9位
14. 同年の429塁打は歴代6位
15. 同年の59二塁打は歴代7位タイ
16. 同年の64本塁打は歴代5位、425塁打は歴代7位
17. https://www.baseball-reference.com/leaders/XBH_season.shtml
18. “Extra Base Hits Records”. en:Baseball Almanac. 2021年9月25日閲覧。

関連項目

• 長打率 - 長打と名称が酷似するが、意味上の直接的な関係はなく、本項で述べた長打の率を表すものではない。
• 塁打
• 20-20-20クラブ
• メジャーリーグベースボールのシーズン最多二塁打選手一覧（英語版）
• メジャーリーグベースボールのシーズン最多三塁手選手一覧（英語版）
• 最多本塁打
• メジャーリーグベースボールの1試合最多本塁打選手一覧（英語版）