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マリリオンのアルバム ウィキペディアから
『過ち色の記憶』(原題:Misplaced Childhood)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、マリリオンが1985年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。
本作はコンセプト・アルバムとなっており[9]、フィッシュ自身の原体験に触れられている[10][11]。フィッシュはマーク・ウィルキンソンから借りたヘルマン・ヘッセの小説『デミアン』に影響を受け、アイディアを固めていったという[12]。ウィルキンソンの手によるアルバム・ジャケットに描かれた少年は、隣に住んでいた当時10歳のRobert Meadをモデルとしており、ウィルキンソンによれば「彼はまるで、僕が心の中に描いていたデミアンのように見えた」とのことである[12]。
1985年2月に録音されたデモ・ヴァージョンは、1998年に発売された本作のリマスターCDのボーナス・ディスクに収録された[1]。
プロデュース及びミキシングは、ピーター・フランプトンやローリング・ストーンズ等の作品を手掛けてきたクリス・キムゼイによる[13]。ピート・トレワヴァスは後年、キムゼイの仕事について「彼は個々のメンバーの完璧な演奏よりも、バンド全体を録音したがっていた。僕達がスタジオで演奏している時の雰囲気や、皆のそれぞれの反応を捉えようとしていたから、なかなかスピリチュアルなものになったよ」と語っている[14]。なお、スティーヴ・ロザリーによれば、彼らの前にスタジオを使っていたキリング・ジョークがコントロール・ルームで粉末消火器を使用したため、本作のレコーディングで使用したNeve社のミキシング・デスクの調子が悪くなっていたという[14]。
マリリオンは本作で大きな成功を収めた。全英アルバムチャートでは自身初の1位を獲得し、41週チャート圏内に入るロング・ヒットとなった[2]。ドイツのアルバム・チャートでは3位に達し、自身初のトップ10入りを果たした[3]。アメリカのBillboard 200では自身初のトップ100入りを果たし、最高47位に達した[8]。
本作からの第1弾シングル「追憶のケイリー」は全英2位[2]・全米74位[8]に達した。その後、「ラヴェンダー」(全英5位[2])、「ロシアンの心」(全英29位[2])もシングル・ヒットしている。
John Franckはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「バンドがリリースしてきた中で最も完成度の高い作品というだけでなく、最も合理的な作品でもあることが分かるはずである」と評している[10]。また、ドリーム・シアターのジョン・ペトルーシは2012年、本作を「The 11 greatest prog-rock albums of all time」の一つに挙げ「ギターがメロディを紡ぎ出して、そのメロディが曲の焦点になる。それがマリリオンの本質なんだよ」と評している[15]。
本作はマリリオンのライヴにおいて完全再現され、ライヴ・アルバム『伝説への序章』(1988年)のディスク2に全曲とも収録された[16]。また、本作のリリースから20周年に当たる2005年にはフィッシュのツアーにおいても完全再現され、ライヴ・アルバム『Return to Childhood』(2006年)にも収録された[17]。
全曲ともメンバー5人の共作。
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