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『監獄のお姫さま』(かんごくのおひめさま)は、2017年10月17日から12月19日までTBS系「火曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマ。主演は小泉今日子、脚本は宮藤官九郎。
監獄のお姫さま | |
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別名 | プリプリ |
ジャンル | テレビドラマ |
企画 | 磯山晶(兼・編成) |
脚本 | 宮藤官九郎 |
演出 |
金子文紀 福田亮介 坪井敏雄 渡瀬暁彦 |
出演者 |
小泉今日子 満島ひかり 伊勢谷友介 夏帆 塚本高史 ベンガル 尾美としのり 池田成志 筒井真理子 坂井真紀 森下愛子 菅野美穂 |
音楽 | ワンミュージック |
エンディング | 安室奈美恵「Showtime」 |
製作 | |
プロデューサー |
金子文紀 宮﨑真佐子 |
製作 | TBSテレビ |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2017年10月17日 - 12月19日 |
放送時間 | 火曜 22:00 - 22:54 |
放送枠 | 火曜ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 10 |
公式サイト | |
特記事項: 初回は15分拡大(22:00 - 23:09)。 第3話はSMBC日本シリーズ第3戦「DeNA×ソフトバンク」中継(18:15 - 18:33・18:33 - 22:32、番組全体で95分延長)のため95分繰り下げ(23:35 - 翌0:29)。 |
小泉今日子の宮藤作品出演は『あまちゃん』以来となる[1]。公式な通称は『プリプリ』(プリズン・プリンセスの略)[2]。伊勢谷友介の民放連ドラ初レギュラー作品でもある。
このドラマの企画は脚本家の宮藤官九郎が酒の席で、プロデューサーの磯山晶(本作では編成)と金子文紀(本作では演出も兼務)に大好きな女優の名前を立て続けに挙げ、「この人たちがもし揃ったら俺、ずっと書いてられますよ!」と宣言したことから始まった[3]。宮藤は色々なドラマを手掛けてきたが「つまるところ俺は何が書きたいんだ」と自問自答していた。結局、おばちゃんのお喋りを書いている時が一番楽しいという結論に至り、大好きな女優と大好きな芝居を観たいという宮藤の思いがこのドラマの核心である。彼女たちのお喋りをエンドレスで聞ける場所として女子刑務所が舞台に設定された。しかし、「それだけではドラマになりません」と諭されたため、ストーリーを組み立て思いがけず壮大な復讐劇になった[4]。
ドラマは第2話から過去に戻り、女子刑務所内でのエピソードが一つずつ明かされていくが、時間は2017年12月24日のままで、クリスマス・イヴの一晩の出来事を1話から10話までかけて描かれる。宮藤は、週刊誌『週刊文春』のコラムでこのドラマを「これをイケメン社長の視点で説明すると『なんか知らないおばちゃんに監禁されて、刑務所での話を延々聞かされる悪夢のような一夜』のお話」と説明している。宮藤によると、イケメン社長役の伊勢谷友介は女性たちの回想・妄想シーンにも登場するが全10話の間、ずっと拘束された状態が続く[5]。金子によると、このドラマは家庭や職場で現状維持、出来たらもうちょっと上を求めて、賢明・堅実に、時には打算的な選択をして上手く生きていきたいが出来なかった、したいのに出来ない女性たちの物語である[4]。
主要人物の1人である馬場カヨ役には小泉今日子が起用された。彼女が宮藤の作品にレギュラーで参加するのは、2013年のNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』以来。TBSテレビでは2003年放送の『マンハッタンラブストーリー』以来14年ぶりである[4]。小泉は自身が演じる役について、「しっかりしているようで、いつも失敗したり、みんなにいじられるような、おっちょこちょいの役」と説明している[6]。
刑務官にして教官の若井ふたば役の満島ひかりは、2014年にテレビドラマ『ごめんね青春!』の打ち上げで宮藤から「次は女囚のお話です。満島さんは人を番号でしか呼ばない看守さん」とオファーを受けており、それが実現する形となった。満島はこのドラマは「癒し系ドラマになる予感」と語っている[4]。イケメン社長・板橋吾郎役は、今作で民放の連続テレビドラマ初出演となる伊勢谷友介が演じる。宮藤によるとこれまでの自身のドラマには出てこないキャラクターであったため、1度も仕事をしたことがない人が良いと考え、伊勢谷にオファーした[7]。伊勢谷は初の民放連ドラ出演を決めた心境について、「今までは、おそらく一人の時間が欲しかったんでしょうね。それがもう皆様と一緒に過ごしたくなったんでしょうか」と説明している[8]。
タイトルにもなった「監獄のお姫さま」こと江戸川しのぶ役は夏帆が演じる。大門洋子役の坂井真紀は、宮藤脚本のドラマ『ごめんね青春!』、『木更津キャッツアイ』、宮藤監督の映画『中学生円山』にも出演している[3]。足立明美役には、宮藤作品の常連である森下愛子が起用された。今作で宮藤のテレビドラマ初出演となる刑務所のリーダー的存在・勝田千夏役の菅野美穂は小泉との初共演を喜んだ[4]。
2017年のクリスマス・イヴ、「イケメン社長」として名を知られるEDOミルク(旧・江戸川乳業)社長の板橋吾郎は、テレビ番組出演中に息子の勇介が誘拐されたことを知る。この誘拐は馬場カヨ・大門洋子・勝田千夏・足立明美・若井ふたばら数名の女たちが数年にわたり計画したものだが、実行に際してはトラブルが散発し混乱していた。事件を通報せず身代金集めに走る吾郎だがその金策相手も千夏ら犯行グループで、罠にかかった吾郎は彼女らに拘束され、引き換えに勇介は解放される。彼女たちの目的は金ではなく、6年前に吾郎の婚約者だった江戸川乳業の社長令嬢・江戸川しのぶが恋敵の横山ユキ殺害を第三者に依頼したとされる「爆笑ヨーグルト姫事件[注 1]」の真犯人が、吾郎自身であると告白させることだった。
時は遡り、2011年の秋、夫に対する殺人未遂の罪で懲役5年となり「自立と再生の女子刑務所」に収監されたカヨは、刑務官のふたばに案内され、雑居房で洋子や明美らと同室となる。続けてカヨは敬愛する経済アナリストの千夏が同所に収監されていると知って喜ぶが、千夏からいじめを受け、対立するも雑居房の面々を交えての対決を経て和解し懲役の生活になじんでゆく。2012年の春になり、しのぶが受刑者としてカヨらの同室にやってくる。しかししのぶは刑務所生活になじめず脱走騒動を起こす。振り回されながらも気にかけるカヨに少しずつ心を開くしのぶは、出所を待つと言ってくれていた吾郎が晴海と交際していると知ってショックを受け、自分が冤罪であることと妊娠していることをカヨに告白する。
秘密を知ったカヨはふたばに相談しようとして失敗し、結局妊娠8か月になってようやくしのぶの件は所内に知られることになるが、受刑中でも出産は可能で、最長で1年半は所内で育児もできると知ったカヨたちは誕生の日を心待ちにする。やがてしのぶは無事男の子を出産し、勇介と名付ける。勇介はカヨら受刑者たちに愛情を込めて世話をされ、刑務官らの協力を得て成長するが別れの期限が迫り、しのぶは母の民世に事件の真実を伝え、出所まで勇介を託す決意をする。だが別れの当日、民世とともに勇介を引き取りにきたのは、しのぶが決して渡さないと決意していた吾郎その人で、彼女たちの嘆きの中で勇介は連れ去られて行く。さらに吾郎は勇介を結婚した晴海との間の子として育てていると知り、カヨたちは勇介を奪ったうえしのぶの存在を抹殺した吾郎への怒りに駆られ、彼への復讐を決意する。
しかし具体的な策は思い浮かばないまま、受刑者たちは復讐の日に向けて所内で資格取得に力を注ぐが、仮釈放の認められた者たちは次々と去ってゆく。その間、カヨはかねてから関わりのあった検事・長谷川信彦に告白され獄中交際を始めるものの、やがて復讐計画に巻き込むことや自分の年齢からくる引け目を感じ、出所時の身元引受を断り彼を拒絶してゆく。ある日復讐計画はふたばにばれてしまい、カヨはしのぶとの約束と、刑務官としての思いを越えてカヨを心配し復讐をやめさせようとするふたばの思いとの間で葛藤しつつ、しのぶを刑務所にひとり残して仮釈放の日を迎える。
出所したカヨは、美容師として再就職するが、先に出所した仲間たちとは連絡が取れず、日々の生活に追われ復讐計画には着手できずにいた。ところが彼女の前に突然ふたばが現れ、カヨらを自分の用意したアジトに集め、自身は吾郎の秘書に再就職して計画を進めさせる。ふたばはしのぶのために彼女と勇介の面会を実現させようとしたものの、しのぶの母・民世の裏切りで失敗し、さらに面会にきた吾郎によってしのぶが傷つけられたと知り、刑務官を辞め、一転して復讐計画の主導者となったのだった。
一方2017年のアジトでは、カヨたちが吾郎を相手に身の上を語り、ストーリーの展開とともにそれぞれの犯罪や男性との関係に傷ついた過去が明らかになってゆく。捜査が進む中、ふたばは一時アジトを離れ、誘拐に巻き込まれた被害者のふりをして晴海と警察関係者らのいる場に戻り、自分の行動はカヨたちの復讐から吾郎を守るためだと語る。そして吾郎の居場所を尋ねる晴海を、その場から密かにアジトへと連れ出す。ふたばが戻らない間、カヨらが裏切り者がいるのではと疑心暗鬼にかられる中、千夏と二人きりになった吾郎は彼女を誘惑して拘束を解かせようとするものの失敗し、戻ってきたふたば以下犯行グループに再度拘束される。ふたばたちは晴海や、カヨに巻き込まれて事件資料を持ってこさせられた長谷川らを交え、一連の事件に対する再審の「プレ裁判」と称した吾郎への追い込みを開始する。吾郎は罪を認めようとしないが、晴海に対して勇介の引き取りがしのぶの懇願によると嘘をついていたことが明らかになり、千夏に事件時のユキとのやり取りを再現され、心理的に追い詰められる。
その最中、長谷川は事件関連の映像を見て何かに気付き、現場である沖縄県へ調査に行くためアジトを離れる。さらにその後、受刑者仲間のリンが、タイから実行犯だったプリンスを連れてくるが、彼は同じ言葉を繰り返すのみで事態は進展せず、一同は吾郎の、被害届を出さず罪に問わないという言葉に従って彼を開放しそれぞれ逃走するが裏切られ、カヨたちは逮捕される。しかしその後吾郎は被害届を取り下げカヨたちは釈放、長谷川が沖縄で得た証拠をもとに吾郎が逮捕され公判が行われる。関係者の元から見つかった、吾郎が犯行を指示する決定的な証拠映像が公開され、証言の綻びを指摘されこれまでと悟った吾郎は罪を認め、教唆ではなく自ら被害者を手にかけたことと、江戸川乳業との因縁から同社社長の座に執着したことを語る。証人として出廷したしのぶは、刑務所生活を通してカヨたちを信じることができた自分と違い、誰も信じられなかった吾郎を憐れみ、罪を償うよう諭すが、彼の謝罪を受けても許すことはなかった。後日、社会復帰したカヨたちと晴海、勇介に迎えられしのぶは釈放される。しのぶが実母であることをまだ知らない勇介が、いつか分かってくれることを願いながら、一同はその場を後にする。
※複数話登場人物には演者名横に()で登場話を追記。
主題歌には、安室奈美恵の「Showtime」が起用された。ドラマ側の熱烈なオファーにより実現したもので、安室がTBSドラマの主題歌を担当するのは2013年4月期日曜劇場『空飛ぶ広報室』の「Contrail」以来4年半ぶりである。安室曰くドラマで繰り広げられる「リベンジ計画」を「ショータイム」に例え、女性らしいポップな楽曲に仕上がっている[20]。ライターの大山くまおは、シリアスな中にギャグが挟まり、マヌケさの中に悲しみがある当ドラマと曲の性急なビートがよく似合うと評価した[21]。2017年10月31日にMVが解禁された[22]。
第8話で、千夏がダンスしながら吾郎に迫るシーンでマドンナ「ライク・ア・ヴァージン」[23]を使用し、エンディングで流れた昭和歌謡は松尾和子「再会」[23]の二番の歌詞を使用した。
劇中でカヨたちが見ているテレビドラマ『この恋は幻なんかじゃないはず、だって私は生きているから、神様ありがとう』、略称:『恋神』(こいかみ)。「ジェットコースター・ラブロマンス・サスペンス群像ドラマ」[24]。season1は『余命』、season2は『誤診』、season4は『泥沼』、season5は『再会』のサブタイトルあり。ヒロインのダブル不倫騒動で、season4で打ち切りとなり、その後はEDOミルク一社提供の『かねもち散歩』という番組が放送されていたが、『かねもち散歩』が深夜に移動したため、season5『再会』から再開したという設定である。
主人公の真里亞は医師・宇多川から余命3か月を宣告される。たまたま側でその場面を見ていた配送員の悠斗は、男性と付き合った経験のないまま中年になり死を待つばかりだという彼女に同情し、「幕の内弁当」のような人生を送りたかったという彼女の「最初で最後のウィンナー」になるといって恋に落ち結婚する。しかし半年経っても真里亞は健康で誤診だったことがわかり、怒った悠斗は真里亞を捨てるが、事故で記憶喪失になる。真里亞はボランティアとして彼を世話するが、宇田川の言葉で結婚相手であることと妊娠8か月ということがばれる。しかも余命1か月を宣言され動揺した悠斗は宇田川を突き飛ばして死なせてしまい、真里亞がその罪を被って逃亡する間に、真里亞の妹・由里亞と付き合う。一時再会時に真里亞は由里亞と悠斗を巡って争うが、警察から逃れるため再び逃走する。3年後、悠斗は真里亞から彼と出会って恋をしたことに対する感謝のメールを受信した直後に彼女と再会し、一緒に逃亡する。
各話 | 放送日 | サブタイトル[25] | ラテ欄[26] | 演出 | 視聴率[27] |
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第1話 | 10月17日 | 誘拐 | 最強美女軍団VSイケメン社長!? 因縁の対決が始まる | 金子文紀 | 9.6% |
第2話 | 10月24日 | 収監 | 刑務所ライフ開幕戦 今夜決定! 最強の女囚は誰だ | ||
第3話 | 10月31日 | 新人 | 爆笑ヨーグルト姫の秘密…涙の天城越え | 福田亮介 | 6.5% |
第4話 | 11月 | 7日秘密 | 彼女たちの事情…裏切り男の面会室 | 坪井敏雄 | 7.8% |
第5話 | 11月14日 | 母性 | この子を守りたい! 女囚たちの育児日記 | 渡瀬暁彦 | 8.0% |
第6話 | 11月21日 | 奇跡 | 決意と結束 | 金子文紀 | 7.9% |
第7話 | 11月28日 | 告白 | ハニートラップ!? | 坪井敏雄 | 5.5% |
第8話 | 12月 | 5日葛藤 | 大好きだから、もう会いたくないの… | 渡瀬暁彦 | 6.6% |
第9話 | 12月12日 | 娑婆 | やっぱり私が、犯人です…衝撃の最終章開幕!! | 坪井敏雄 | 8.2% |
最終話 | 12月19日 | 更生 | おばさん達の最後の勇気とお節介でっせ! | 金子文紀 | 7.1% |
平均視聴率 7.7%(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム) |
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