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日本のロボット研究者 ウィキペディアから
熊谷 正朗(くまがい まさあき、1974年〈昭和49年〉3月31日[1] - )は、日本のロボット研究者。博士(工学)(東北大学、2000年)[3]。自身が運営するロボット開発工学研究室で製作された玉乗りロボットは、国内外で注目された[6][7][8]。熊谷が工学や技術について解説したウェブサイトは広く参照され、日本機械学会教育賞を受賞[4][5]。知能ロボットコンテストの運営にも、実行委員長などで貢献した[9][10]。東北大学助手、東北学院大学工学部講師、助教授、准教授を経て教授。仙台市地域連携フェロー(ロボットメカトロ系担当)も併任し、カーネギーメロン大学と共同で球面誘導モータの開発にも取り組んでいる[11]。
宮城県仙台市で生まれ育つ[2]。子供の頃からモノづくりに親しみ、幼少時は厚紙やセロハンテープで工作を行う[9]。小学生になってからは田宮模型のギヤボックスも用いるようになり、小学4年生の時にははんだ付けや理科クラブでのラジオ製作を経験した[12]。小学6年生の時にはパソコンを買い与えられ、プログラミングに打ち込むことになる[12]。セロテープは一月1本まで、パソコンでゲーム禁止、趣味は禁止で受験勉強に専念など、両親から適度に制約を受けたことがリソース管理やプログラミング、理論を学ぶことにつながったという[13]。
熊谷は東北大学に進学し、趣味の電子工作やプログラミングを活用する前提で機械工学系を選択する[12]。UNIXのワークステーションやその分散ネットワーク処理などを嗜み[12]、大学院では江村超のもとで不整地対応二足歩行ロボットの研究に取り組む。機構や制御のみならず、姿勢センサなどの研究にも取り組み、斜面の認識・歩行も実現する[14][15][16]。2000年3月に博士(工学)の学位を取得[3]。その後は助手として数年を過ごした後、2003年に東北学院大学へ講師として転出[17]。
熊谷は2003年に講師として東北学院大学に着任し、「ロボット開発工学研究室[注釈 1]」を主宰する(後、2006年に助教授、2007年に准教授)[17][13]。熊谷は学生の希望により卒業研究のテーマを決定するスタイルを採用[19][20]。2004年に配属された学生玉球乗りロボットのアイデアを出し、二輪倒立振子ロボット、パイプ乗りロボットと発展していき、後継学生にも恵まれ玉乗りロボットが開発される[19]。ステッピングモータによるダイレクトドライブであった[注釈 2]。
玉乗りロボットで一定の成果が出た2008年頃に、熊谷はニコニコ動画で玉乗りロボットの動画を公開。その後IEEE Spectrumにも、学会発表用の動画とともに紹介される[24]。なお、ニコニコ動画ではコメント機能により、玉の摩擦係数を向上について改良案を得ることができ[注釈 3]、IEEE Spectrum による公開動画は、数日で50万回の再生を記録した[24]。
2008年には仙台市の地域連携フェローとなり[27]、「基礎からのメカトロニクス講座」や地域企業との連携を担当[17]。2009年から2010年にかけては、カーネギーメロン大学ロボット研究所に客員教授として滞在。熊谷同様に玉乗りロボットを製作していたRalph L. Hollis教授とともに、高出力の球面誘導モータの開発を開始する[11]。熊谷は平面誘導モータを試作した上で球面誘導モータの開発に成功し、特許も出願した[11]。
なお、2011年には東日本大震災を経験。3月11日の本震時は学生とともに大学におり、研究室学生の送り迎えも行った。熊谷自身や家族に大きな被害はなかったが、学生の安否確認などで苦労しており、IEEEや日本ロボット学会の会誌に経験談を記している[28][29]。また、淺間一がチェアマン、中村仁彦がアンカーマンを務める「対災害ロボティクス・タスクフォース」のメンバーにも加わった[30]。
2013年、熊谷は東北学院大学教授に昇進[31]。子育てに追われつつも乳幼児の二足歩行を観察・考察し[32]、同年4月から月刊『プラントエンジニア』で「身の回りに見つけるメカトロ雑学」の連載をこなす[33]。2014年にはNHK Eテレの「天才てれびくん」に玉乗りロボットが出演している[34]。2015年には大掛かりな学科カリキュラムの変更を迎え、必修となったメカトロニクスなどの授業準備に追われている[35]。
一方で3次元CADや3Dプリンターにも習熟するとともに、射出成型の外注で玉乗りロボットの車輪を製作するようになる[36][37][13]。また、学生の卒業研究のテーマとしてパイプオルガンを始めている[38][39][40]。2018年10月から2019年8月にはオーム社の『ロボコンマガジン』で「ロボット作りのためのメカトロニクス入門」を連載[41][42][43]。『プラントエンジニア』での連載は2019年3月で第72回に達した[44]。
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