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森見登美彦の2010年の小説 ウィキペディアから
『ペンギン・ハイウェイ』は、森見登美彦の小説。2010年5月、角川書店から刊行。第31回日本SF大賞受賞作[1]。2018年にアニメ映画化[2]。
ペンギン・ハイウェイ | |
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ジャンル | SF(サイエンス・ファンタジー) |
小説 | |
著者 | 森見登美彦 |
イラスト | くまおり純(単行本、角川文庫) ぶーた(角川つばさ文庫) |
出版社 | 角川書店、KADOKAWA |
レーベル | 角川文庫 角川つばさ文庫 |
発行日 | 2010年5月29日(単行本) 2012年11月25日(角川文庫) 2018年6月15日(角川つばさ文庫) |
発売日 | 2010年5月29日(単行本) 2012年11月22日(角川文庫) 2018年6月15日(角川つばさ文庫) |
オーディオブック | |
制作 | KADOKAWA |
販売元 | アマゾンジャパン |
レーベル | Audible |
発売日 | 2017年3月3日 |
収録時間 | 9時間30分 |
その他 | ナレーション:安國愛菜 |
映画 | |
原作 | 森見登美彦 |
監督 | 石田祐康 |
脚本 | 上田誠(ヨーロッパ企画) |
キャラクターデザイン | 新井陽次郎 |
音楽 | 阿部海太郎 |
制作 | スタジオコロリド |
製作 | 「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会 |
配給 | 東宝映像事業部 |
封切日 | 2018年8月17日 |
上映時間 | 119分 |
漫画 | |
原作・原案など | 森見登美彦 |
作画 | 屋乃啓人 |
出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | 月刊コミックアライブ |
レーベル | MFコミックス アライブシリーズ |
発表号 | 2018年5月号 - 2019年4月号 |
巻数 | 全3巻 |
話数 | 全12話 |
テンプレート - ノート | |
ポータル | 文学、アニメ |
小学4年生の男子・アオヤマの住む街で、ある日突然、ペンギンの群れが出現する怪事が起こり始めた。ペンギンの正体と彼らの目指す先について「ペンギン・ハイウェイ研究」を始めたアオヤマは、顔なじみの歯科医院のお姉さんがペンギンを出現させる瞬間を目撃する。だが、なぜペンギンを出せるのかは、お姉さん自身にも分かっていなかった。
ペンギンの出現法則を解明しようとお姉さんと実験する一方、アオヤマは友人の男子・ウチダ、同じクラスの女子・ハマモトとの3人で、ハマモトが発見した森の奥の草原に浮かぶ謎の球体〈海〉についての共同研究を始める。やがてアオヤマは、〈海〉とペンギンとお姉さんの奇妙な関連性に気づく。
舞台は、筆者の出身地である生駒市の北東部(北大和・真弓周辺)であり、映画版においては小学校や歯科医院など実際の建物と酷似する建物の描写がある。
2018年3月1日にアニメ映画化の製作発表会見が行われ、同年8月17日に劇場公開された[2]。短編アニメ『台風のノルダ』『陽なたのアオシグレ』などを手がけたスタジオコロリドの、初の長編作品である。
日本公開に先駆け、カナダ・モントリオールの第22回ファンタジア国際映画祭にて、最優秀アニメーション賞にあたる今敏賞(長編部門)を獲得した[4]。第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞[5]。第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞[6]。
郊外の町に住む小学4年の「アオヤマ君」は自分を非常に優秀な人間だと信じて、日々勉学や自主研究に励んでいる。虫歯で通っている歯医者の助手で、おっぱいの大きな「お姉さん」に恋をし、将来の結婚相手と定めて、お姉さんの研究ノートも付けているアオヤマ君。
ある日、町にペンギンの群れが現れた。同級生のウチダ君と調査の約束をするアオヤマ君。クラスの乱暴者のスズキ君に、ウチダ君が突き飛ばされ、腹を立てたアオヤマ君は、歯医者で出会ったスズキ君に「歯を全部抜かれる」と嘘をついて泣かせた。ペンギンについて調べ、海から陸の巣に向かう通り道を「ペンギン・ハイウェイ」と呼ぶことを知ったアオヤマ君は、ペンギンの調査を「ペンギン・ハイウェイ・プロジェクト」と名付けた。
ウチダ君とペンギン探しに出たアオヤマ君は、怒ったスズキ君に見つかり、ロープで自動販売機に縛り付けられた。お姉さんに助けられ、グラグラしている前歯を抜くために糸を結ばれるアオヤマ君。アオヤマ君をじっとさせておくために、コーラ缶を買って宙に投げるお姉さん。コーラ缶は空中でペンギンに変身し、驚いて注目する間に、歯は抜かれていた。
なぜペンギンを出せるのか自分でも分からないと言うお姉さん。ウチダ君が駐車場で見つけて名付けたペンギンの「ペンタ」が、飲み食いしないのに元気だと聞いたアオヤマ君は、水族館で調べようと2人で電車で運んだが、町から離れるとペンタは弱り、コーラ缶に戻ってしまった。
クラスのハマモトさんは学者の娘で、アオヤマ君も一目置く知的な少女だった。アオヤマ君とウチダ君を町外れの森の先の広い草原に連れて行くハマモトさん。そこには直径数メートルの水のような球体が浮かんでいた。球体を一緒に観察しようと提案するハマモトさん。球体を「海」と呼び、秘密にして、夏休み中に観察記録を取り続ける3人。アオヤマ君の作った小型観測機「ペンギン号」を放り込んだが、機体は透明な「海」の中で消えてしまった。
アオヤマ君たちを尾行して草原の球体を見つけるスズキ君と子分たち。押し倒されたアオヤマ君をペンギンの群れで助け、スズキ君たちを追い払うお姉さん。ペンギンに反応して水の塊を飛ばしだす「海」。ハマモトさんは、お姉さんとペンギンのことを秘密にしていたアオヤマ君に腹を立て、先に帰ってしまった。
「海」とお姉さんの問題には繋がりがあると推理するアオヤマ君。帰り道の森の中には、お姉さんが本で読んだ怪獣(ジャバウォック)が現れ、学者の大人たちも立ち入っていた。お姉さんが学者に捕まり、実験台にされることを恐れて、「海」の研究の凍結を提案するアオヤマ君。断固拒否したハマモトさんは消沈して帰宅し、心配した学者の父親(ハマモト先生)は娘のノートを見てしまった。お姉さんとペンギンの関係を知り、お姉さんに協力を依頼しに来るハマモト先生。
学者に知られたことは隠して、アオヤマ君を故郷である海辺の町への日帰り旅行に誘うお姉さん。だが、電車で町から離れると、お姉さんの具合が悪くなった。食欲がわかず、何も食べなくても平気だと話すお姉さん。自分でも絶食を試みて無理だと思い知ったアオヤマ君は、お姉さんがペンギンを作り、食べずにいられる「ペンギン・パワー」の源こそ「海」だと仮定した。
新学期が始まり、教室に森で見つけたジャバウォックの幼生を持ち込むスズキ君。学者たちに呼ばれ、質問されたスズキ君と子分たちは、ハマモトさんから口止めされていた草原の「海」のことまで喋ってしまった。森に入り、巨大化した「海」に呑み込まれるハマモト先生や学者たち。
「海」が町の向こうにそびえるほど大きくなり、町に避難勧告が発令された。教室で待機しろと言われたが、父親を探しに行きたいハマモトさん。罪滅ぼしで手を貸したスズキ君に助けられ、学校から抜け出すハマモトさんやアオヤマ君。ハマモトさんたちは消防署員に捕まったが、アオヤマ君だけは逃げてお姉さんと合流した。
「海」の正体は空間が歪み「世界の果て」が出現した穴のようなものだと仮説を述べるアオヤマ君。お姉さんが作り出すペンギンは世界の修復者であり、お姉さんは人間ではなかったのだ。無数のペンギンを呼び出して「海」まで運ばれ、アオヤマ君と共に突入するお姉さん。
「海」の中で、不思議な異世界に立ち入り、ハマモト先生たちを発見するアオヤマ君とお姉さん。ペンギンたちが飛び立ち内側から切り裂くと、「海」は破裂して消え、異世界はいつもの町に戻った。アオヤマ君を抱きしめたお姉さんは、大人になって謎を解いたら会いに来てと言い残し、ペンギンと共に消え去った。
立派な大人になって世界の果てを見つけ、お姉さんを見つけて大好きだと告げる日を「信念」とするアオヤマ君。そんな彼は草むらで、無くした観測機のペンギン号を見つけた。
アニメ映画版のコミカライズ[8]として、『月刊コミックアライブ』(KADOKAWA メディアファクトリーブランド)2018年5月号から2019年4月号まで連載された。作画は屋乃啓人。
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