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南アジアに位置するバングラデシュ及びインド・西ベンガル州の公用語であるベンガル語や、インド・アッサム州の公用語であるアッサム語、インド・マニプル州の公用語であるマニプル語の表記に用いられるベンガル文字(及びアッサム文字)を収録している。
ベンガル文字はデーヴァナーガリーなどの他の多くの南アジアの文字体系と同様に、ブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では短母音/-a/(ベンガル語では発音上は[ɔ])を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。母音記号はものによっては文字の左側に付けられたり、子音字を左右から挟む形で付加されるが、Unicodeにおいては子音字→母音記号の順に入力することとなっており、符号上の文字の置かれる順序と実際のレンダーにおける表示順とが入れ替わる場合がある。
また、デーヴァナーガリー同様頭子音を伴わない単独の母音にも子音字同様に独立した文字が充てられており、子音連続など子音のみで発音する場合は半子音字(英語: half-form)と呼ばれる形に変化したり、特殊な子音字同士の合字を形成したり、あるいは単に殺母音記号であるホロント記号という記号を子音字の下に付加したりする。例えば子音字kaকの後にホロント記号と子音字ssaষが後続するとkssaক্ষという合字が形成される。[1]
書字方向はラテン文字やキリル文字などと同様に左から右へと横書き(左横書き)し、下に行を送る。単語毎に分かち書きをし、デーヴァナーガリーやグルムキー文字などと同様に同じ単語内ではシローレーカー(śirorekhā)と呼ばれる上部の水平線を繋げて書かれる。
子音字は有声音と無声音の弁別に加えて、有気音であるか無気音であるかを区別する。そのため、各調音点における破裂音には計4種類の子音字が存在する。また、母音字については母音の長短によって文字が分けられているが、現在のベンガル語では発音上は区別されないものもある。
符号位置の順序はおおむね伝統的なブラーフミー系文字の順序に従っている。
加えて、アラビア文字やタイ文字などと同様に独自の数字体系(ベンガル数字)を有している。
Unicodeのバージョン1.0においても「ベンガル文字(Bengali)」というブロック名で制定されていた。[2]
「ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919に従う。
コード | 文字 | 文字名(英語) | 用例・説明 | ラテン文字転写 |
---|---|---|---|---|
各種記号 | ||||
U+0980 | ঀ | BENGALI ANJI | shiddhamとも呼ばれる記号で、テキストの冒頭で祈りの言葉として使用される。[3][4] | |
U+0981 | ঁ | BENGALI SIGN CANDRABINDU | チョンドロ・ピンドゥ或いはアヌナーシカ。
母音字や母音記号に付き、母音を鼻母音で発音することを表す。 |
m̐ |
U+0982 | ং | BENGALI SIGN ANUSVARA | オヌッシャル或いはアヌスヴァーラ。 | ṁ |
U+0983 | ঃ | BENGALI SIGN VISARGA | ビショルゴ或いはヴィサルガ。
音節末に[h]を伴うことを表す。 |
ḥ |
独立母音字 | ||||
U+0985 | অ | BENGALI LETTER A | 母音[ɔ]を表す。 | a |
U+0986 | আ | BENGALI LETTER AA | 母音[a]を表す。元は長母音のāを表していた。 | ā |
U+0987 | ই | BENGALI LETTER I | 母音[i]を表す。 | i |
U+0988 | ঈ | BENGALI LETTER II | 母音[i]を表す。元は長母音のīを表していた。 | ī |
U+0989 | উ | BENGALI LETTER U | 母音[u]を表す。 | u |
U+098A | ঊ | BENGALI LETTER UU | 母音[u]を表す。元は長母音のūを表していた。 | ū |
U+098B | ঋ | BENGALI LETTER VOCALIC R | 音節主音化した短母音としてのR(IPA:[ɹ̩])を表す。
現在のベンガル語では[ri]と発音される。 |
r̥[5] |
U+098C | ঌ | BENGALI LETTER VOCALIC L | 音節主音化した短母音としてのL(IPA:[l̩])を表す。 | l̥[6] |
U+098D | (予約済) | ê | ||
U+098E | (予約済) | ĕ | ||
U+098F | এ | BENGALI LETTER E | 母音[e]を表す。 | e |
U+0990 | ঐ | BENGALI LETTER AI | 二重母音[oɪ]を表す。 | ai |
U+0991 | (予約済) | ô | ||
U+0992 | (予約済) | ŏ | ||
U+0993 | ও | BENGALI LETTER O | 母音[o]を表す。 | o |
U+0994 | ঔ | BENGALI LETTER AU | 二重母音[oʊ]を表す。 | au |
子音字 | ||||
U+0995 | ক | BENGALI LETTER KA | 子音[k]を表す。 | k |
U+0996 | খ | BENGALI LETTER KHA | 子音[kʰ]を表す。 | kh |
U+0997 | গ | BENGALI LETTER GA | 子音[ɡ]を表す。 | g |
U+0998 | ঘ | BENGALI LETTER GHA | 子音[ɡʱ]を表す。 | gh |
U+0999 | ঙ | BENGALI LETTER NGA | 子音[ŋ]を表す。 | ṅ |
U+099A | চ | BENGALI LETTER CA | 子音[c]を表す。 | c |
U+099B | ছ | BENGALI LETTER CHA | 子音[cʰ]を表す。 | ch |
U+099C | জ | BENGALI LETTER JA | 子音[ɟ]を表す。 | j |
U+099D | ঝ | BENGALI LETTER JHA | 子音[ɟʱ]を表す。 | jh |
U+099E | ঞ | BENGALI LETTER NYA | 子音[ɲ]を表す。 | ñ |
U+099F | ট | BENGALI LETTER TTA | 子音[ʈ]を表す。 | ṭ |
U+09A0 | ঠ | BENGALI LETTER TTHA | 子音[ʈʰ]を表す。 | ṭh |
U+09A1 | ড | BENGALI LETTER DDA | 子音[ɖ]を表す。 | ḍ |
U+09A2 | ঢ | BENGALI LETTER DDHA | 子音[ɖʱ]を表す。 | ḍh |
U+09A3 | ণ | BENGALI LETTER NNA | 子音[ɳ]を表す。 | ṇ |
U+09A4 | ত | BENGALI LETTER TA | 子音[t]を表す。 | t |
U+09A5 | থ | BENGALI LETTER THA | 子音[tʰ]を表す。 | th |
U+09A6 | দ | BENGALI LETTER DA | 子音[d]を表す。 | d |
U+09A7 | ধ | BENGALI LETTER DHA | 子音[dʱ]を表す。 | dh |
U+09A8 | ন | BENGALI LETTER NA | 子音[n]を表す。 | n |
U+09A9 | (予約済) | ṉ | ||
U+09AA | প | BENGALI LETTER PA | 子音[p]を表す。 | p |
U+09AB | ফ | BENGALI LETTER PHA | 子音[pʰ]を表す。 | ph |
U+09AC | ব | BENGALI LETTER BA | 子音[b]を表す。
現在のベンガル語では[ʋ](ラテン文字転写:v,w)と区別しない。 |
b |
U+09AD | ভ | BENGALI LETTER BHA | 子音[bʱ]を表す。 | bh |
U+09AE | ম | BENGALI LETTER MA | 子音[m]を表す。 | m |
U+09AF | য | BENGALI LETTER YA | 子音[j]を表す。
現在のベンガル語では[d͡ʒ]と発音される。 |
y |
U+09B0 | র | BENGALI LETTER RA | 子音[r]を表す。
アッサム語では使用しない。 |
r |
U+09B1 | (予約済) | ṟ / r̆[7] | ||
U+09B2 | ল | BENGALI LETTER LA | 子音[l]を表す。 | l |
U+09B3 | (予約済) | ḷ | ||
U+09B4 | (予約済) | ḻ | ||
U+09B5 | (予約済) | v | ||
U+09B6 | শ | BENGALI LETTER SHA | 子音[ɕ]を表す。 | ś |
U+09B7 | ষ | BENGALI LETTER SSA | 子音[ʂ]を表す。
現在のベンガル語では[ʃ]と発音される。 |
ṣ |
U+09B8 | স | BENGALI LETTER SA | 子音[s]を表す。 | s |
U+09B9 | হ | BENGALI LETTER HA | 子音[h]を表す。 | h |
各種記号 | ||||
U+09BC | ় | BENGALI SIGN NUKTA | ヌクター。子音字を拡張して新たな発音を表す際に用いられる。[3] | |
U+09BD | ঽ | BENGALI SIGN AVAGRAHA | アヴァグラハ。連音(サンディ)によって語頭の母音 a が消えたことを表す。 | ’ |
従属母音記号 | ||||
U+09BE | া | BENGALI VOWEL SIGN AA | 母音[a]を表す。元は長母音のāを表していた。
文字の左側にレンダーされるため、符号上の文字順序と表示上の順序とが入れ替わる。[3] コクバラ語ではU+0989 উ BENGALI LETTER Uに付いて二重母音の/ua/(IPA: [wa])を表すためにも用いられる。[8] |
ā |
U+09BF | ি | BENGALI VOWEL SIGN I | 母音[i]を表す。 | i |
U+09C0 | ী | BENGALI VOWEL SIGN II | 母音[i]を表す。元は長母音のīを表していた。 | ī |
U+09C1 | ু | BENGALI VOWEL SIGN U | 母音[u]を表す。 | u |
U+09C2 | ূ | BENGALI VOWEL SIGN UU | 母音[u]を表す。元は長母音のūを表していた。 | ū |
U+09C3 | ৃ | BENGALI VOWEL SIGN VOCALIC R | 音節主音化した短母音としてのR(IPA:[ɹ̩])を表す。
現在のベンガル語では[ri]と発音される。 |
r̥[5] |
U+09C4 | ৄ | BENGALI VOWEL SIGN VOCALIC RR | 音節主音化した長母音としてのR(IPA:[ɹ̩ː])を表す。 | r̥̄[9] |
U+09C5 | (予約済) | ê | ||
U+09C6 | (予約済) | ĕ | ||
U+09C7 | ে | BENGALI VOWEL SIGN E | 母音[e]を表す。
文字の左側にレンダーされるため、符号上の文字順序と表示上の順序とが入れ替わる。[3] |
e |
U+09C8 | ৈ | BENGALI VOWEL SIGN AI | 二重母音[oɪ]を表す。
文字の左側にレンダーされるため、符号上の文字順序と表示上の順序とが入れ替わる。[3] |
ai |
2要素からなる従属母音記号 | ||||
U+09CB | | BENGALI VOWEL SIGN O | 母音[o]を表す。 | o |
U+09CC | | BENGALI VOWEL SIGN AU | 二重母音[oʊ]を表す。 | au |
ヴィラーマ | ||||
U+09CD | ্ | BENGALI SIGN VIRAMA | ホロント、或いはヴィラーマ。殺母音記号。母音/-a/を発音せず子音のみが読まれることを表す。[3]
レンダー上は次の文字と繋がって合字を形成したり、半子音字形(half-form)と呼ばれる形状に変化する。文字によってはただ単にホロント記号が子音字の下に書かれることもある。 |
|
追加の子音字 | ||||
U+09CE | ৎ | BENGALI LETTER KHANDA TA | khaṇḍa-ta。いくつかの語列で使用され、随伴母音/-a/のないtを表す。[3] | |
記号 | ||||
U+09D7 | ৗ | BENGALI AU LENGTH MARK | インドのトリプラ州やバングラデシュ北部に居住するトリプリ族が話すコクバラ語で用いられる。U+0989 উ BENGALI LETTER Uに付いて二重母音/aw/を表す。[10] | |
追加の子音字 | ||||
U+09DC | ড় | BENGALI LETTER RRA | 子音[ɽ]を表す。 |
ṛ |
U+09DD | ঢ় | BENGALI LETTER RHA | 子音[ɽʱ]を表す。 | ṛh |
U+09DE | (予約済) | f | ||
U+09DF | য় | BENGALI LETTER YYA | 子音[j]を表す。U+09AF যとは語源上異なる発音だった/y/を表す。 | ẏ |
サンスクリット語用の追加母音字 | ||||
U+09E0 | ৠ | BENGALI LETTER VOCALIC RR | 音節主音化した長母音としてのR(IPA:[ɹ̩ː])を表す。 | r̥̄[9] |
U+09E1 | ৡ | BENGALI LETTER VOCALIC LL | 音節主音化した長母音としてのL(IPA:[l̩ː])を表す。 | l̥̄[11] |
U+09E2 | ৢ | BENGALI VOWEL SIGN VOCALIC L | 音節主音化した短母音としてのL(IPA:[l̩])を表す。 | l̥[6] |
U+09E3 | ৣ | BENGALI VOWEL SIGN VOCALIC LL | 音節主音化した長母音としてのL(IPA:[l̩ː])を表す。 | l̥̄[11] |
予約済 | ||||
U+09E4 | (予約済) | . | ||
U+09E5 | (予約済) | |||
数字 | ||||
U+09E6 | ০ | BENGALI DIGIT ZERO | ベンガル文字における数字の0。 | 0 |
U+09E7 | ১ | BENGALI DIGIT ONE | ベンガル文字における数字の1。 | 1 |
U+09E8 | ২ | BENGALI DIGIT TWO | ベンガル文字における数字の2。 | 2 |
U+09E9 | ৩ | BENGALI DIGIT THREE | ベンガル文字における数字の3。 | 3 |
U+09EA | ৪ | BENGALI DIGIT FOUR | ベンガル文字における数字の4。 | 4 |
U+09EB | ৫ | BENGALI DIGIT FIVE | ベンガル文字における数字の5。 | 5 |
U+09EC | ৬ | BENGALI DIGIT SIX | ベンガル文字における数字の6。 | 6 |
U+09ED | ৭ | BENGALI DIGIT SEVEN | ベンガル文字における数字の7。 | 7 |
U+09EE | ৮ | BENGALI DIGIT EIGHT | ベンガル文字における数字の8。 | 8 |
U+09EF | ৯ | BENGALI DIGIT NINE | ベンガル文字における数字の9。 | 9 |
アッサム語用の追加 | ||||
U+09F0 | ৰ | BENGALI LETTER RA WITH MIDDLE DIAGONAL | アッサム語ではU+09B0 র BENGALI LETTER RAの代わりにこちらの文字を/r/(IPA: [ɹ])を表すのに用いる。 | r |
U+09F1 | ৱ | BENGALI LETTER RA WITH LOWER DIAGONAL | アッサム語で[w]を表す。 | w |
通貨記号 | ||||
U+09F2 | ৲ | BENGALI RUPEE MARK | 歴史的に用いられてきたバングラデシュ・タカの通貨記号。[3]
元々はルパヤー(rupayā)という通貨単位に用いられていた。[12] |
|
U+09F3 | ৳ | BENGALI RUPEE SIGN | 現在用いられているバングラデシュ・タカ(及びインド東部地域でのインド・ルピー)の通貨記号。 | Tk. |
小数値用の歴史的記号 | ||||
U+09F4 | ৴ | BENGALI CURRENCY NUMERATOR ONE | 現在は使われていない。[3]
16分の1を表す。[13] |
|
U+09F5 | ৵ | BENGALI CURRENCY NUMERATOR TWO | 現在は使われていない。[3]
16分の2、すなわち8分の1を表す。[13] |
|
U+09F6 | ৶ | BENGALI CURRENCY NUMERATOR THREE | 現在は使われていない。[3]
16分の3を表す。[13] |
|
U+09F7 | ৷ | BENGALI CURRENCY NUMERATOR FOUR | 16分の4、すなわち4分の1を表す。[13] | |
U+09F8 | ৸ | BENGALI CURRENCY NUMERATOR ONE LESS THAN THE DENOMINATOR | 1より4分の1少ない値、すなわち4分の3を表す。[13] | |
U+09F9 | ৹ | BENGALI CURRENCY DENOMINATOR SIXTEEN | ルパヤー(rupayā)の1/16の値を持つ補助通貨であるアーナー(ānā)という通貨単位に用いられていた。[12] | |
記号 | ||||
U+09FA | ৺ | BENGALI ISSHAR | 神の名前を表す。アッサム語では死者の名前の前に書かれる。[3][14] | |
歴史的な通貨記号 | ||||
U+09FB | ৻ | BENGALI GANDA MARK | アーナー(ānā)を更に1/20にしたgaṇḍāという通貨単位に用いられていた。[12] | |
記号 | ||||
U+09FC | ৼ | BENGALI LETTER VEDIC ANUSVARA | ヴェーダで用いられるアヌスヴァーラ記号の変種。結合文字ではなく、文字幅を持ってレンダーされる。[15] | |
U+09FD | ॰ | BENGALI ABBREVIATION SIGN | ベンガル文字における省略記号。ラテン文字における略語用のピリオド(.)に相当する。[16] | . |
U+09FE | ৾ | BENGALI SANDHI MARK | ベンガル文字において連音(サンディ)を表す記号。U+09BD ঽ BENGALI SIGN AVAGRAHAが文字の上に書かれる時の形。複合語などで元の語同士の境界で母音が消失したことを表すために用いられる。[17] |
このブロックの小分類は「各種記号」(Various signs)、「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「2要素からなる母音記号」(Two-part dependent vowel signs)、「ヴィラーマ」(Virama)、「追加の子音字」(Additional consonants)、「記号」(Sign)、「サンスクリット語用の追加母音字」(Additional vowels for Sanskrit)、「予約済」(Reserved)、「数字」(Digits)、「アッサム語用の追加」(Additions for Assamese)、「通貨記号」(Currency symbols)、「小数値用の歴史的記号」(Historic symbols for fractional values)、「歴史的な通貨記号」(Historic currency sign)の15個となっている。[3]本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。
この小分類にはベンガル文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。
この小分類にはベンガル文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。
この小分類にはベンガル文字のうち、基本的な子音字が収録されている。子音字は何も母音記号が付かない場合は母音/-a/を伴って発音される。なお、現在のベンガル語では短語末にある子音字は原則として母音が脱落して子音字のみで読まれる。
この小分類にはベンガル文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。文字によっては子音字の左側に結合されるため文字の符号上の順序とレンダー上の順序が入れ替わる場合があり、また、組み合わせる先の子音字によっては特殊な合字を形成することがある。
これらの母音記号には、子音の両側にグリフ部分があり、論理的な順序で子音に続くため、ほとんどの処理では 1 つの単位として扱われる。[3]
この小分類にはベンガル文字のうち、ホロント(殺母音記号)と呼ばれる、子音字の持つ母音/-a/を読まずに子音のみを発音することを表す記号1つのみが収録されている。この記号はレンダー上は子音字を半子音字形(half-form)に変形したり、後続する別の子音字と合字を形成するための制御文字として働くことが多い。但し、文字によっては半子音字形を持たずただ単にホロントが子音字の下に付く場合もある。
なお、小分類名のヴィラーマはホロントと等価の記号のデーヴァナーガリー(ヒンディー語)における名称である。
この小分類にはベンガル文字のうち、元々のブラーフミー文字にない拡張子音字が収録されている。
ヌクター付きの3つの子音字は、CompositionExclusions.txt にリストされており、正規化中に再構成されない。これらの文字のNFC 形式は、分解されたシーケンスと同じである。[3]
この小分類にはベンガル文字のうち、様々な目的で用いられる記号類が収録されている。
この小分類にはベンガル文字のうち、サンスクリット語の表記に用いられる音節主音化した母音字としての流音の文字が収録されている。
この小分類には現在は文字が収録されていないが、将来的な追加のために領域が予約されている。デーヴァナーガリーにおける「インド諸文字用の一般句読点(Generic punctuation for scripts of India)」に相当する。
なお、ヴィラム(viram)句読点には、デーヴァナーガリー文字ブロックにある一般的なインド諸文字用の句読点の U+0964 । と U+0965 ॥ を使用する。これらの句読点はベンガル語ではdahri及びdouble dahriと呼ばれる。[3][18]
この小分類にはベンガル文字で用いられる固有の数字が収録されている。
この小分類にはベンガル文字において用いられる通貨単位の記号が2種類収録されている。
この小分類にはベンガル文字において小数値を表す際に歴史的に用いられていた数値記号が収録されている。
これらの記号は、文字名にもかかわらず、通貨に限定して使用されるものではない。[3]
この小分類にはベンガル文字において歴史的に用いられていた通貨単位の記号が1種類のみ収録されている。
ベンガル文字(Bengali)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+098x | ঀ | ঁ | ং | ঃ | অ | আ | ই | ঈ | উ | ঊ | ঋ | ঌ | এ | |||
U+099x | ঐ | ও | ঔ | ক | খ | গ | ঘ | ঙ | চ | ছ | জ | ঝ | ঞ | ট | ||
U+09Ax | ঠ | ড | ঢ | ণ | ত | থ | দ | ধ | ন | প | ফ | ব | ভ | ম | য | |
U+09Bx | র | ল | শ | ষ | স | হ | ় | ঽ | া | ি | ||||||
U+09Cx | ী | ু | ূ | ৃ | ৄ | ে | ৈ | ো | ৌ | ্ | ৎ | |||||
U+09Dx | ৗ | ড় | ঢ় | য় | ||||||||||||
U+09Ex | ৠ | ৡ | ৢ | ৣ | ০ | ১ | ২ | ৩ | ৪ | ৫ | ৬ | ৭ | ৮ | ৯ | ||
U+09Fx | ৰ | ৱ | ৲ | ৳ | ৴ | ৵ | ৶ | ৷ | ৸ | ৹ | ৺ | ৻ | ৼ | ৽ | ৾ | |
注釈
|
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
バージョン | コードポイント[a] | 文字数 | L2 ID | ドキュメント |
---|---|---|---|---|
1.0.0 | U+0981..0983,0985..098C,098F..0990,0993..09A8,
09AA..09B0,09B2,09B6..09B9,09BC,09BF..09C4, 09C7..09C8,09CB..09CD,09DC..09DD, 09DF..09E3,09E6..09FA |
87 | (to be determined) | |
U+09F4..09F8 | 5 | L2/08-288 | Ken Whistler (4 August 2008), Public Review Issue #123: Bengali Currency Numerator Values (英語) | |
U+09FA | 1 | L2/10-029 | Rabin Deka (26 January 2010), Additions to Deva-Nagari Script & Bengali Script (英語) | |
L2/10-050 | Anshuman Pandey (26 January 2010), Comments on 'Additions to Deva-Nagari Script & Bengali Script' (L2/10-029) (英語) | |||
L2/11-365 | Anshuman Pandey (21 October 2011), Request to Add Annotations for Bengali ISSHAR to the Names List (英語) | |||
U+09D7 | 1 | L2/14-304 | Sanghmitra Sahu (15 December 2014), Bengali Vowel Letter Aw (U+0985 U+09D7) Used in Kokborok (英語) | |
L2/15-010 | Shriramana Sharma (26 January 2015), Feedback on proposal L2/14-304 to encode BENGALI LETTER AW (英語) | |||
U+09BE | 1 | L2/15-091 | Sanghmitra Sahu (12 March 2015), Bengali letter UA used in Kokborok (英語) | |
4.0 | U+09BD | 1 | L2/03-104 | Manoj Jain (4 March 2003), Sample Text for Bengali Sign Avagraha (英語) |
4.1 | U+09CE | 1 | L2/04-233 | Om Vikas (10 June 2004), Letter to Mark Davis re Bengali Khanda Ta (英語) |
L2/04-252 | Peter Constable (16 June 2004), Review of Bengali Khanda Ta and PRI-30 Feedback (英語) | |||
L2/04-262 | Peter Constable (17 February 2004), Encoding of Bengali Khanda Ta in Unicode (PRI #30 document) (英語) | |||
L2/04-264 | Peter Constable (17 June 2004), Proposal to encode Bengali Khanda Ta (WG2-N2809) (英語) | |||
5.2 | U+09FB | 1 | L2/07-192 | Anshuman Pandey (11 October 2007), Proposal to Encode the Ganda Currency Mark for Bengali (revised) (英語) |
7.0 | U+0980 | 1 | L2/11-359 | Anshuman Pandey (26 October 2011), Proposal to Encode the Sign Anji for Bengali (英語) |
L2/12-121 | Anshuman Pandey (23 April 2012), Proposal to Encode the Sign ANJI for Bengali (WG2 N4157; replaces L2/11-359) (英語) | |||
10.0 | U+09FC | 1 | L2/15-161 | Shriramana Sharma (31 July 2015), Proposal to encode 09CF BENGALI LETTER VEDIC ANUSVARA (revised) (英語) |
U+09FD | 1 | L2/15-172 | Srinidhi A (11 August 2015), Proposal to Encode an Abbreviation Sign for Bengali (revised) (英語) | |
11.0 | U+09FE | 1 | L2/16-322 | Srinidhi A; Sridatta A (1 November 2016), Proposal to encode the SANDHI MARK for Bengali (英語) |
L2/17-130 | Deborah Anderson (1 May 2017), Comments on L2/16-322 and L2/16-383, Sandhi marks for Bengali and Newa (英語) | |||
|
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