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第二次世界大戦時の英仏連合軍とドイツ軍の戦闘 ウィキペディアから
ダンケルクの戦い(ダンケルクのたたかい、仏: Bataille de Dunkerque, 英: Battle of Dunkirk)は、第二次世界大戦の西部戦線における戦闘の一つで、ドイツ軍のフランス侵攻の1940年5月24日から6月4日の間に起こった戦闘である。追い詰められた英仏軍は、この戦闘でドイツ軍の攻勢を防ぎながら輸送船の他に小型艇、駆逐艦、民間船などすべてを動員して、イギリス本国(グレートブリテン島)に向けて40万人の将兵を脱出させる作戦(ダイナモ作戦)を実行した[1]。
ダンケルクの戦い | |
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ダンケルクから撤退するイギリス軍 | |
戦争:第二次世界大戦 | |
年月日:1940年5月10日 - 6月4日 | |
場所:フランス、ダンケルク | |
結果:ドイツ軍の勝利、連合軍作戦成功 | |
交戦勢力 | |
イギリス フランス共和国 ベルギー |
ドイツ国 |
指導者・指揮官 | |
ジョン・ヴェレッカー バートラム・ラムゼー マキシム・ウェイガン ジャン・マリー・チャールズ・アブリアル |
ゲルト・フォン・ルントシュテット エヴァルト・フォン・クライスト |
戦力 | |
約400,000 (うち360,000が撤退) |
800,000 |
損害 | |
戦死 約10,000 捕虜 約30,000 駆逐艦 6 小型船 200 航空機 177 |
戦死 10,252 戦傷 8,467 航空機 101 |
1939年9月1日にポーランドへ侵攻し勝利したドイツ軍は、「まやかし戦争」の期間を経て、1940年5月10日に突如オランダとベルギー、ルクセンブルクに侵攻、これらを破った後の5月17日以降に北フランスを席捲した(ナチス・ドイツのフランス侵攻)。
ドイツ軍は戦車や航空機を駆使した電撃戦を展開、その火力と機動力を集中運用する新戦法によってフランス軍とイギリス軍を中心とした連合軍主力の後方を突破すると、ドーバー海峡まで駆け抜けてこれらを包囲し、ダンケルクへ追い詰めた。
イギリスの首相ウィンストン・チャーチルは、イギリス海外派遣軍とフランス軍からなる約35万人をダンケルクから救出することを命じ、イギリス国内から軍艦の他に民間の漁船やヨット、はしけを含む、あらゆる船舶を総動員した撤退作戦(作戦名:ダイナモ作戦)が発動された。その一方、ブレストに在泊していた強力なフランス艦隊は、混乱の中で何もしようとしなかった。
ドイツ軍はアラスの戦いでの連合軍の反撃を、近く行われる連合軍の本格的な反攻作戦の端緒と誤認し、酷使した機甲部隊の温存をはかり、また空軍大臣ヘルマン・ゲーリングの大言壮語もあって、ドイツ空軍による攻撃でこれを阻止しようとした。
しかしイギリス空軍の活躍と、砂浜がクッションとなって爆弾の威力が減衰したことなどもあり、連合軍のほとんどは海からの脱出に成功した。なおこのとき、カレーで包囲されていたイギリス軍部隊はドイツ軍を引きつけておくために救出はされなかった。この部隊の犠牲もダイナモ作戦の成功の一因であった。
この戦いで、イギリス軍は約3万人の兵員を捕虜として失い、880門の野砲、310門の大型火砲、約500門の対空砲、約850門の対戦車砲、11,000丁の機関銃、700両近くの戦車、20,000台のオートバイや45,000両に及ぶ軍用車両とトラックなど、重装備の大半の放棄を強いられた。数十万の兵士がほぼ丸腰で帰還、イギリス軍は深刻な兵器不足となる。しかしこの撤退はイギリスにとって人的資源の保全と、戦意の維持という意味では大きな成功を収めた。
フランス軍はダンケルク撤退以後は雪崩を打ったように崩壊。ドイツ軍は14日、パリを占領。さらに2日後、1916年の戦闘で敗北したドイツ軍因縁の地、ヴェルダンに進撃、フランスはついに6月21日に講和(降伏)を申し込み、翌22日、受諾された。漁夫の利を得ようとフランス降伏の12日前に参戦していたイタリアのベニート・ムッソリーニは、「死の床の重病人に宣戦布告した」と批判されている。
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