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スカラリテス(学名:Scalarites)は、チューロニアンからコニアシアンにかけて後期白亜紀の海に生息していた、ディプロモセラス科に属する異常巻きアンモナイトの属。日本やフランスおよびデンマーク(ボーンホルム島)などで化石が産出している[1]。同科の中では極めて原始的な部類であり、ポリプチコセラスなど他の属の直接の祖先となった。
螺環が半ば解けて互いに接していない、平面巻きの異常巻きアンモナイトである。成長初期の段階では前方に傾斜したような周期的な強いくびれを示す。また螺環の巻き方は同一種内でも変異が見られ、巻貝との対比から平巻型・旋回型・旋回軸変換型の3つに分類される[2]。また棚部一成・小畠郁生・二上政夫による1981年の論文では、成長初期段階ではくびれを示しながらも肋が存在しない状態で真っ直ぐに伸長し、湾曲成長が開始された後に肋が出現することが記されている[2]。その肋は同じくディプロモセラス科に属するポリプチコセラスのものに比べて鋭く[3]、また単純な環状をなす。螺環断面は円形に近い[1]。
スカラリテス属はディプロモセラス科の中では極めて基盤的な属であり、ノストセラス科のユーボストリコセラス属から派生したと考えられている[4]。先述の1981年の論文では、トリアングリテス属およびリオプチコセラス属とスカラリテス属が枝分かれした後、本属から他のディプロモセラス科のアンモナイトが分岐したとされた[2]。また、岡本隆は少なくともポリプチコセラス属とライオプチコセラス属が本属から派生したと考えている[5][4]。
また、S. mihoensis は下部チューロニアン階から産出したリュウガセラ属(Ryugasella)の種と形態が似ており、チューロニアン期のうちにスカラリテス属からリュウガセラ属が進化したことが示唆されている[6]。
2000年時点で日本からは S. aff. scalaris や S. sp. A、S. sp. B を含め8種が報告されている[7]。種によっては真円形に近い螺旋を描くものや楕円形に近い螺旋を描くものがいる。
化石は南極大陸、ブラジル、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、フランス、スペイン[9]、ロシア[14]、日本、アメリカ合衆国、メキシコ[15]と幅広く産出している[16]。日本の博物館が所蔵しているスカラリテス属の標本は北海道や樺太の蝦夷層群から産出したものが多い[17]。
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