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日本のメディアミックス作品、ゲームソフトシリーズ、およびその第1作目 ウィキペディアから
『サイレントヒル』(SILENT HILL)は、コナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント)から発売されたホラーゲーム、およびそのシリーズ。ジャンルはホラーアドベンチャー。2013年7月時点でのシリーズ全世界累計販売本数は840万本[1]である。
サイレントヒル | |
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『サイレントヒル』のロゴ | |
ジャンル | ホラーアドベンチャー |
開発元 | コナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント) |
1作目 |
サイレントヒル (1999年3月4日) |
最新作 |
サイレントヒル ザ ショートメッセージ (2024年2月1日) |
公式サイト | サイレントヒル ポータルサイト |
シリーズ第1作『サイレントヒル』は、カプコンが発売した『バイオハザード』の大ヒットによってホラーゲームが定着したことで、コナミによって企画された。企画原案は外山圭一郎[2]。最初は、スティーヴン・キングの小説をホラーゲーム化するというプロジェクトをスタートさせるが、諸事情により頓挫し、オリジナルタイトルとして開発された[3]。
『サイレントヒル4 ザ・ルーム』まではコナミコンピュータエンタテインメント東京内の開発チーム「Team Silent」によって開発されていたが、『サイレントヒル ゼロ』からは海外企業による外注開発が基本となっている。
本シリーズの演出として、懐中電灯の明かりを頼りにした限られた視界、言葉で言い表せないような嫌悪感、陰鬱とした雰囲気、作品独自の恐怖はいたるところで工夫を凝らし表現されている。カメラアングルをわざと傾けて死角を作りプレイヤーが見にくいように映す[注 1]、画面にノイズエフェクトが常にかかっている[注 2]、怪物が接近するとラジオから不穏なノイズが鳴りだす等、斬新な恐怖の演出がグラフィックや音響やシステムに組み込まれている。
また、ストーリー面でも単なる勧善懲悪ではなく、クローディア、ウォルターなどの敵対者はみな悲惨な人生を送った末に心が歪んでいたり、アレッサ、マリアと言った怪異の中心人物も大半は悲劇的な出自を背負い、報われない最期を迎えている。登場するクリーチャーも発生した背景に深い理由があったり、マルチエンディングの明暗の差はあれどいずれも哀切を残し、明確なハッピーエンドと言えるものは殆ど無い。ストーリーが地続きの続編であっても、過去作の最も明るいエンディングから続いているケースは少ない。
このように『サイレントヒル』は、恐怖の中に哀切が含まれていることも特徴である。シリーズ第1作は、アメリカの大手ゲームサイト「GameTrailers.com」が選んだ「最も怖いホラーゲームランキング」で1位を獲得している。
一作目『サイレントヒル』は高い評価を受け、商業的にも成功を収めた。『バイオハザード』的なB級ホラーの要素から離れ、雰囲気を重視した心理的なホラースタイルへと移行したことで、サバイバルホラーのジャンルを定義する作品という見方もされている[4]。続編の『サイレントヒル2』は「ゲームにおける物語構築の最も優れた例の1つ」とも評価された[5]。『サイレントヒル3』も高く評価され[6][7]、『サイレントヒル4 ザ・ルーム』はシリーズの慣例からの変更に対する批判はあった[8]ものの、雰囲気などは称賛された[9]。しかしシリーズ後半は評価が下がっていった[5]。
2013年発売の『サイレントヒル ブック オブ メモリーズ』を最後にしばらくシリーズは途絶えていたが、2020年に新作ゲームやリメイクが複数発表され、新たな映画化も告知された。
アメリカの北東部にある架空の観光地「サイレントヒル」は、観光の要であるトルーカ湖を中央部に有する閑静な田舎町である。湖の北岸は遊園地などがある町の中心「ペイルヴィル地区」だが、湖の南岸「サウスヴェイル地区」は寂しい住宅街となっている。隣接した町として、「ブラマ」「シェパードグレン」がある。通常の状態では、濃霧に包まれた美しい町で、寂れてはいるものの住人もそれなりに存在する。
しかし、主人公たちが迷い込んだそれは人気のないゴーストタウンと化しており、町内に本来あるはずの道が崩落し消失、あるいは閉鎖されている。また、季節外れの雪が降ったり、異形の怪物が徘徊していたりと(作品によって程度に差は見られる)、現実世界とズレている。そこは「表世界」と呼ばれ、実はその土地は古くから不可思議な力を持っており、心に闇を抱いた者を異界へと引き込むことがあるとされている。
「表世界」は霧に包まれたゴーストタウンだが、時として血と錆にまみれた暗くグロテスクな「裏世界」へと変貌することがある。その「裏世界」は、屋内はもちろん、屋外であるはずの場所が辺り一面暗闇に包まれている、地面や壁であるはずの部分が金網一枚を隔てその先に闇が広がっている。また、そこかしこを異形の怪物が徘徊する、得体の知れない人型の肉塊が無造作に吊るされている、など様々な変異が見られる世界である。
「表世界」が「霧・雪」の白色を基調としているのに対し、「裏世界」は「血・錆」の赤色や「影・闇」の黒色を基調として構成されており、これらはストーリーにおける重要な設定の暗喩でもある。
主人公たちは「表世界」と「裏世界」を行き来しながらゲームの目的を達成し、町を脱出することになる。
PlayStationで発売されたシリーズ1作目(以下、当項目に限り本編と表記)のストーリーがノベルゲーム化されたのが本作である。サイレントヒル公式ポータルサイトには本作の情報は一切掲載されていない。ゲームの進め方によっては本編と全く異なる展開となる。
ゲーム中の要所にミニゲームが設置されており、サウンドノベルながら本編の謎解きの要素を楽しめる作りとなっている。本作のために幾つかのCG、ムービーが用意されている。
本作品に用意された各シナリオをクリアすることで「デジタルトレーディングカード(全32種)」を入手することができる。ただし、後述の理由によりプレイすることが不可能な「少年編」においてのみ入手可能なカードが存在するため、これを全て集めることは今のところ不可能である。
※その他の登場人物は本編に準ずる。
本作で用意されているメインシナリオは、「ハリー編」「シビル編」の2つだが、モバイルアダプタGBを使用しデータをダウンロードすることで、第3のメインシナリオである「少年編」を楽しむことができた。しかし、モバイルアダプタGBが普及しなかったことや、さらにはモバイルアダプタGBに関するサービスの全てが2002年12月14日に終了している事などから、この「少年編」の知名度は低い。「少年編」は春・夏・秋・冬の4部構成で、各季節ごとに季刊配信されていた。「少年編」では、「ハリー編」「シビル編」での伏線が明らかにされたり、語り尽くせなかったエピソードなどが収録されていた。
映画公開を記念してGBA版を元に製作された携帯電話用アプリ。そのため、登場人物・ストーリー展開・謎解きなどに変化はない。
ゲームは3つのチャプターから成り、各チャプターをクリアすると表示されるパスワードを使用してゲームを進めていく。各チャプターはそれぞれ小学校・病院・異世界を主な探索場所としており、途中の移動はほとんどがハリーの語りとなっている。
エンディングもプレイステーション版と同じく5種類に分岐し、分岐条件も同じである。ただし、2周目を遊ぶためには最高のエンディングである "Good+" を見る必要がある。2周目で見ることのできる「UFOエンディング」の鍵であるアイテムは2周目開始時に持っている状態となっている。
戦闘はエンカウント制で、1対1でのターン制バトルとなっており、RPGに近いものとなっている。
シリーズ初のシューティング型ソフト。当初はFOMA用のアプリとして配信されていたが、後にiPhone/iPod touchに追加要素を施した移植作が配信された。
本作では表世界・裏世界の要素は雰囲気程度にとどめてあり(そもそもゲームの舞台も「サイレントヒル」であるのかどうか不明)、メインシリーズとのストーリーの直接のつながりは乏しい。その一方でゲームとしては3D迷路からの脱出というテーマに絞り込まれており、携帯電話のタッチパネルや加速度センサーを活かした操作や、「霧」「錆」「クリーチャー」といった、シリーズのキーワードをちりばめたグラフィックス等で、新しい方向性を展開している。
ゲームの主人公は、病院と思しき見ず知らずの建物で“覚醒”した男性。何の理由も告げられぬまま、懐中電灯の灯りを頼りに暗い通路の中で出口を目指して歩くことになる。3D迷路状のフィールドを歩き回り、どこかにある鍵を入手した後に、出口にたどり着けばステージクリアとなる。
フィールドにはさまざまなクリーチャーが徘徊しており、接触しないように対処していく。所持していたリボルバー拳銃などで撃退もできるが、弾数が25発と限られている。また、時間の経過と共に懐中電灯の灯りが弱まっていくが、フィールド上の電池を入手すれば明るさを取り戻せる。
ジャンル | サバイバルホラー |
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対応機種 | PlayStation 4 |
開発元 | 小島プロダクション |
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント |
人数 | 1人 |
メディア | 配信 |
発売日 | 2014年8月14日 |
Fox Engineを使用した一人称サバイバルホラーゲーム。PlayStation 4向けに無料配信された。配信当初はサイレントヒルシリーズとの関連は示されていなかったが、ゲームクリア後にSilent Hillsという文字が浮かび上がる演出があり、後にシリーズの新作となる『Silent Hills』(サイレントヒルズ)のプレイアブル・ティザーであることが正式に発表された。
『Silent Hills』の開発中止に伴い『P.T.』は配信停止となり、一度ダウンロードしたユーザーの再ダウンロードも不可となったため、2015年現在このゲームを入手しプレイする方法は限られてしまっている。
ジャンル | サイコロジカルホラー |
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対応機種 | PlayStation 5 |
開発元 | コナミデジタルエンタテインメント |
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント |
人数 | 1人 |
メディア | 配信 |
発売日 | 2024年2月1日 |
無料配信された短編作品。主観視点のゲームであり、主人公は戦闘能力を持たず敵から逃げるしかない。ストーリーはSNSによるいじめ・誹謗中傷を取り扱っている。マルチエンディングではなく、エンディングは一種類のみ。短編である事と、センシティブなテーマである関係上、ジョークエンドも存在しない[11]。
サイレントヒルを現代に蘇らせるプロジェクトの一つであり、シリーズとしては10年以上空白の期間が空いたため今後に向けての研究と、スタッフのノウハウ育成の一貫で開発された。近年のインディーゲームなどの短編ホラーは主観視点が多い事から、「サイレントヒルを同様の短編主観視点ゲームとして開発した場合どうなるのか」という実験を兼ねている。また、シリーズの「サイコロジカルホラー」の部分の魅力をユーザーに伝える目的もある[11]。
著:山下定 イラスト:伊藤暢達 コナミデジタルエンタテインメント
ゲームの正統ストーリーを完全ノベライズした、ノベル版。ゲーム中では語れなかった詳細が追加されている。
KONAMIの携帯電話サイト「週刊コナミ(旧・デジタルコミックス)」で配信されたデジタルコミック版(現在は配信終了)。
人物相関や作中の文献から、『サイレントヒル(以下『1』)』、『サイレントヒル2(以下『2』)』、『サイレントヒル3(以下『3』)』、『サイレントヒル4 ザ・ルーム(以下『4』)』、『サイレントヒル ゼロ(以下『ゼロ』)』、『サイレントヒル ホームカミング(以下『ホームカミング』)』、『サイレントヒル ダウンプア(以下『ダウンプア』)』、『サイレントヒル アーケード(以下『アーケード』)』にそれぞれ物語の連続性が見られる。特に『1』と『3』、『2』と『4』は相互に関連し合っている。その具体例は以下の通りである。
シリーズを通して度々目にする「教団」とは、サイレントヒルに古くから存在する宗教集団のことを指す。多神教的一神教[注 3]で特定の呼称はなく、単に「教団」と呼ばれる。
元々は先住民族による土着の宗教がベースになっていたが、教団内に入信者が増え、主体が彼らの手に移ると、キリスト教の影響が色濃くなっていったといわれる。原始混沌の世界に楽園を創造して力尽きた「神」を復活させ、世界を崩壊させることですべての罪を洗い流すという教示を持ち、それによる救済といった趣旨の信仰を柱とする。
「PTV」と呼ばれる麻薬の栽培・密売や、下部組織「サイレントヒルスマイルサポート協会(通称・4S)」の運営する孤児院「希望の家」内部での、子供たちに対する日常的な虐待や洗脳など、黒い噂が絶えない組織である。一方で内部でも下記のように「神」の復活方法などを巡って派閥が存在しており、それらの対立を抱えてもいる。
サイレントヒルシリーズの世界観の根幹。 サイレントヒルに古くから宿る土着神であり、科学的な説明のつかない、不思議な現象を幾度も起こしてきた。 その姿は作品によって異なり、そのいずれも神を復活させた人物が抱く、神に対するイメージが投影されている。
憎しみや心の闇を糧に成長するが、復活には母体となる人間が必要となる。現時点では一度も完全な復活を果たしたことはなく、いずれも銃器や鈍器などによって普通の人間の手で倒されている。しかし完全復活した場合、一説ではこの世の全てを破壊すると言われており、人間の力では到底どうにか出来るものではないらしい。 弱点は「アグラオフォティス」と呼ばれる薬品で、シリーズではこの薬品の力で二度も早産している。
『2』では罪を犯した人間を呼び寄せる力があることが判明し、呼び寄せた人間の心の闇や憎しみを糧として異世界を生み出す。呼び寄せられた人間はいずれも罪の記憶を失い、異世界をさまよいながら自らの罪を思い出していき、最終的にはサイレントヒルで死亡する運命にある。 『2』の作中に登場する迷宮には、この力による犠牲者達の墓地がある。
異世界を作り出す力があり、いずれも、糧とした人間の心の闇やトラウマが投影されている。 その一方で人の望みや願いを具現化する力もあり、特に『2』ではその力が物語の鍵となっている。
昔のサイレントヒルに存在した、死刑執行人の姿が町に宿る神の力で具現化した存在。本来の武器は槍であり、初登場した『2』でも、大鉈を使用するのは序盤だけで、中盤からは槍を手にしているのだが、『2』以降の作品では、ほぼ必ず大鉈を手にしている。赤い三角形の大きな兜を被った男性の姿をしている。罪や暴力の象徴として現れる。作品ごとに外見や名称に差異があるが、いずれも不死身の存在で、主人公が直接倒したことは現時点では一度もない。
ナース服を着た、女性の人型クリーチャー。『1』『2』『3』『ゼロ』『ホームカミング』『ダウンプア』『ブックオブメモリーズ』『アーケード』『ジ・エスケープ』『劇場版』『リベレーションズ3D(劇場版)』など、多くの作品に登場するクリーチャーであり、ぎこちない、機械的な動きで接近し、手にした武器で攻撃する。
サイレントヒルにあるレイクサイド・アミューズメントパークのマスコットキャラクター。『3』『4』『ホームカミング』『ブックオブメモリーズ』『アーケード』『リベレーションズ3D』『ショートメッセージ』『アセンション』に登場する。ピンク色で、洋服を着たウサギの着ぐるみ、或いは人形で、口の周りが血にまみれている。基本的にはクリーチャーではなく単なるオブジェクトやアイテムに過ぎないが、初登場である『3』の遊園地では、至るところに転がっている。また、『4』ではこちらを指差して笑っていたり、気球として空中に浮かんでいたりする他、『4』の公式ホームページの案内人を勤める。
『アーケード』ではクリーチャーとして登場し、斧やチェーンソー、ライフルで武装し、奇声をあげながら集団で襲いかかるほか、UFOエンディングにも登場する。
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