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クルジュ=ナポカ市電(ルーマニア語: Tramvaiul din Cluj-Napoca)は、ルーマニアの都市であるクルジュ=ナポカ市内を走る路面電車。1980年代以降ルーマニア各都市に建設された路線の1つで、2020年現在はクルジュ=ナポカ市が所有するクルジュ=ナポカ交通公社(Compania de Transport Public Cluj-Napoca、CTP Cluj-Napoca)によって運営が行われている[1][2][5][4]。
元々クルジュ=ナポカ市内には1893年8月21日に開通した、スチームトラムを用いた軌道が存在しており、最盛期には全長9.3 kmの路線網が存在した。将来的には路面電車の導入も計画されていたものの、事故の多発や利用客の低迷、財政悪化などの影響から1902年をもって営業運転を休止し、以降は僅かな貨物輸送が行われたのみで1909年をもって廃止された[2][5]。
その後、クルジュ=ナポカ市内における交通機関の主力は自家用車やバスなどの自動車であったが、1970年代以降幹線道路の混雑が大きな課題となっていた。一方、1980年代以降ルーマニア政府は自国通貨の海外流出を抑えるため、石油の輸入を抑制する代わりに各都市へ路面電車を新設する方針を決定し、クルジュ=ナポカにも路面電車が復活する事となった。そして1987年10月と11月の2度に分けて、市内を東西に結ぶ路線が開通した[1][2][5]。
だが、1980年代に新設されたルーマニア各地の路面電車は短期間での敷設を目的としたため不十分な投資のまま営業運転が開始された経緯があり、クルジュ=ナポカ市電でも早期にこれらの劣化やそれに伴う騒音、振動などが問題となった。そのため、2011年以降は欧州連合からの投資を受けて路線や施設の改修、バリアフリーに適した超低床電車の導入などの近代化が継続して行われている[1][2][5][7]。
2020年現在、クルジュ=ナポカ市電は市内を東西に結ぶ全長13 kmの区間を有する。路線はこの1つのみだが、ルーマニア国鉄のクルジュ=ナポカ駅と接続する駅前旧広場(Piața Gării Vechi)電停を始発・終着点とする100・101号線と、東西の全区間を走行する102号線の合わせて3つの系統が存在する他、100号線と102号線については路線の東端にある車庫への入出場を兼ねた派生系統(101L号線、102L号線)が設定されている。運賃はクルジュ=ナポカ交通公社が運営する路線バスやトロリーバスのうち郊外系統と共通で設定されており、乗車券は1回の乗車につき2.5レイで購入可能である他、身分証明が可能な書類を提出すれば1日、3日、1週間、1ヶ月分の乗車券が発行される。また、これらの期間を定めた乗車券は電子決済でも購入可能である[3][4][8][9][10]。
運休されているものも含め、2020年現在のクルジュ=ナポカ市電の系統は以下の通り[3][4]。
クルジュ=ナポカ市電の開通時に導入されたのはブカレストで製造された連接車のV3A(3車体)やV2A(2車体)、ティミショアラで製造されたボギー車のティミス2といった国産車両であったが、その粗悪な構造上老朽化が早期に進行した他故障も相次いだため、1997年以降はドイツ各都市から譲渡された車両による置き換えが実施された。その後、2010年代以降は超低床電車の導入が積極的に行われている[2][20][21]。
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