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ガンダムヘビーアームズ (Gundam Heavyarms) は、1995年に放送されたテレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」 (MS) のひとつ。
多彩な火器で武装した砲撃戦用ガンダムタイプMSで、主要人物のひとりである「トロワ・バートン」の搭乗機。機体名の「ヘビーアームズ」は、そのまま「重火器」を意味する。敵組織である「OZ(オズ)」からは「ガンダム03(ゼロスリー)」のコードネームで呼ばれる。劇中後半では、改修型であるガンダムヘビーアームズ改として登場する。
メカニックデザインは大河原邦男が担当。テレビ放送終了後に発表されたOVAおよび劇場用アニメ『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』では、カトキハジメの手により再デザインされたヘビーアームズ改が登場する。これに伴い、改修前のヘビーアームズも再デザインされた。以降、大河原デザインの機体は「テレビ版」、カトキデザインの機体は「EW版」として区別されているが、設定上は同一機あつかいとなっている。改修前の機体は、当初は「アーリータイプ」とも呼ばれていた(詳細は後述)。
本項では小説『新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』(FT)に登場する「プロメテウス」、外伝作品『新機動戦記ガンダムW〜ティエルの衝動〜』に登場する「ガンダムデリンジャーアームズ」の解説も記述する。
ガンダムヘビーアームズ Gundam Heavyarms | |
---|---|
型式番号 | XXXG-01H |
頭頂高 | 16.7m |
重量 | 7.7t |
装甲材質 | ガンダニュウム合金 |
武装 | バルカン×2 マシンキャノン×2 胸部ガトリング砲×2 ホーミングミサイル×6(EW版は×36+8) マイクロミサイル×24(EW版は×52) ビームガトリング アーミーナイフ |
追加装備 | 大型ミサイルポッド×2 脚部クローラーユニット 大型ビームキャノン×1 |
アビリティレベル | ファイティングアビリティ:レベル110 ウエポンズアビリティ:レベル160 スピードアビリティ:レベル110 パワーアビリティ:レベル140 アーマードアビリティ:レベル140 (リーオーをオールレベル100として換算) |
搭乗者 | トロワ・バートン ヒイロ・ユイ |
アフターコロニー(A.C.)195年、地球圏統一連合の圧政に反発する一部のコロニー独立派勢力が計画した一大テロ作戦、「オペレーション・メテオ」の中核として投入された5機のガンダムの1機[1]。
開発はウイングガンダムゼロを手掛けた技術者チームの一人であるドクトルSの手によって行われた[2]。当初は、コロニー独立派のスポンサーであるバートン家の庶子トロワ・バートンが専任パイロットとなる予定だったが、作戦開始直前のトラブルで彼が殺害されたことで、偶然整備員として現場に居合わせた名無しの少年がトロワの名とともにパイロットの座を引き継いだ[3]。
ウイングガンダムゼロからはマシンキャノンを始めとした火力の特性を引き継いでいる[4]。単機での制圧能力を重視した結果[2]、本機は全身に多彩な火器を内蔵した重砲撃機として設計された。その戦力は戦艦3隻から5隻にも匹敵するが[5]、弾切れ時は極端に攻撃力が低下する欠点をもつ[2]。しかし、サーカスにおいて卓越した腕前を持つ[5]トロワの操縦センスによってアクロバティックな近接戦闘が可能となっている[2]。
劇場作品『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇 』公開時に、OVAでカトキハジメによってリファインされたEW版ガンダムヘビーアームズ改から逆算して、テレビ版ヘビーアームズをリファインした機体。大河原デザインのテレビ版に対し、この機体はカトキ本人のイニシャルを取って「Ver.Ka.」、もしくは「アーリータイプ」とも呼ばれていたが、漫画『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光(敗栄)』で当デザインの機体が登場することなどをきっかけとして、EW版と呼称されるようになった。カラーリングはテレビ版と同じ赤系統となっている。
地球に降下後は最初にドーバー基地を襲撃。上層部が降伏後、サーカス団がOZの基地でショーを行った際にはOZの基地を破壊後に自爆を決意するも、同行していたキャスリンの制止により中止される。トロワがヒイロと行動を共にするようになってからは、ノベンタの遺族のもとやゼクスとの決闘の地へヒイロを送り届ける際に機体のないヒイロに代わって活躍、ゼクスのトールギスとの決闘では本機を借り受けて使用する(第16話)。トロワが宇宙に上がる際に地球に残されるが、サリィ・ポォに回収され、ピースミリオンでヘビーアームズ改に改修される[注 6]。
小説版ではトロワと一緒に宇宙に上がるが、宇宙用には調整されず、トロワがOZに潜入活動に赴くために長く放置されるが、月面基地から脱出したデュオが発見して管理する。
テレビ版のデザインを担当した大河原邦男は自著において、当初はアメリカのピエロをモチーフとした画稿を提出したが、その後方針を変えてアメリカンアーミーをモチーフにしたと語っている[8]。
ガンダムヘビーアームズ改 Gundam Heavyarms Kai | |
---|---|
型式番号 | XXXG-01H2 |
全高 | 16.7m |
重量 | 8.2t |
装甲材質 | ガンダニュウム合金 |
出力 | 3,190kW(EW版設定) |
推力 | 73,750kg(EW版設定) |
武装 | バルカン×2 マシンキャノン×2 胸部ガトリング砲×2(EW版は×4) ホーミングミサイル×6(EW版は×36+8) マイクロミサイル×24(EW版は×52) 2連装ビームガトリング (EW版はダブルガトリングガン×2) アーミーナイフ(テレビ版・小説版) |
アビリティレベル | ファイティングアビリティ:レベル120 ウエポンズアビリティ:レベル170 スピードアビリティ:レベル120 パワーアビリティ:レベル140 アーマードアビリティ:レベル140 |
搭乗者 | トロワ・バートン |
超大型宇宙戦艦ピースミリオンに収容されたヘビーアームズを、トールギス、ウイングゼロの開発スタッフの1人ハワード博士が改修した姿。バックパックや腰まわりのスラスター類が換装・増設され、宇宙空間での機動性が強化されている[2]。武装は2連装化されたビームガトリングを除きほぼ手が加えられていない。
OVAおよび劇場版アニメ『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz(EW)』では、メカデザイナーカトキハジメの手によって作中のガンダムのデザインが一新された。ただし、これらの機体はテレビ版の強化発展型ではなく、物語上はまったくの同一機体だが"作品の制作バージョンによるデザイン違い"というものである。OVA公開当時に発売されたプラモデル等の商標名や関連ゲームにおける名称は、テレビ版と区別できる様に「ガンダムヘビーアームズカスタム」と呼称されていたが、リデザインされた同一機ではなく改良機と誤解を招くことから、徐々に「ガンダムヘビーアームズ改(EW版)」という名称表記へと移行していった。
カトキ版ガンダムの特徴として、テレビ版に比べよりキャラクター性を強調した有機的な形状が挙げられるが、ヘビーアームズは元の機体特性上無骨な形状であるため、ほかの機体に比べ際立った差異はない(ただし、EW劇中ではサーカス団員でもあるトロワのキャラクター性を反映し、右顔面にピエロを模したマスクが追加されている)。最大の違いはカラーリングで、テレビ版では赤系統だが、こちらは暗青緑に変更されている。なお、EW劇中にも改修前の機体が登場しているが、この頃は改修前の姿が設定されていなかったため、改修後と同じ暗青緑カラーであった。 シールドとアーミーナイフがオミットされて携行装備であるガトリングガンが両腕に装備されているため、より射撃戦特化な機体となっている。また、携行武装である2連装ガトリングガンは実体弾を用いるものに変更されている。『敗者たちの栄光』では改修時にバックパック中央部と腰リアアーマーにスラスターが追加されており、バックパックの追加スラスターユニットは、同時に改修されたサンドロック改とほぼ同形状である。
A.C.年代よりさらに未来のM.C.(マーズセンチュリー)年代において、ドクトルTと名を変えたトロワが開発を担当したガンダニュウム合金製MS。その外観と機体特性はヘビーアームズを踏襲しており、全身に重機関砲やミサイルを満載している。最も特徴的なのが巨大な十字架を模した携帯式重機関砲で、各部にホーミングミサイルやマシンキャノンを併設した複合兵装として設計されている。カトリーヌ・ウード・ウィナーの手によって各部の装甲を欠いた未完成状態で強奪され、超微粒子マシンを遮蔽するナノディフェンサー・マントを纏った姿で実戦投入される。
『新機動戦記ガンダムW〜ティエルの衝動〜』に登場。首都防衛用砲撃機として大戦時に量産されていたが、大半の機体は結局実戦配備される事はなかった。長距離移動の必要がないため、頭部のブレードアンテナが廃されているのが特徴[14]。
ガンダムヘビーアームズ改(EW版)をベースに、ガトリングは1門装備。機体色はガンダムヘビーアームズ・アーリータイプに近い。
ロームフェラ財団によって保管されていた機体のうち1機が、元OZ兵士トライノイ・リヴィンスキーにより奪取される。その後、追撃して来たガンダムデスサイズギルティ、ガンダムサンドレオンを相手取り、セラフィム・ティエンロンと共に協力して戦士の墓に墜落させ撃退するも、後に戦士の墓のパーツで修復・カスタム化され復活し再戦を挑んできた両機と交戦し相打ち、トライノイも死亡する。
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