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物理層(ぶつりそう、英: physical layer)は、OSI参照モデルにおける第一層。機器間の接続において、ケーブルや電磁波などの伝送媒体上で電気信号や光信号の形でデータを送受するための方法や手順が規定される。
物理層では上位層が要求する仕様を満たすような物理現象があることを前提としている。実装可能な物理層の仕様は利用する物理現象により制約され、その制約を超えた通信を行うことはできない。
物理層は、NICやネットワークスイッチなどの機器において、データを生の物理量の形式で伝送媒体に送受する処理を受け持つ。TCP/IPではリンク層に相当し、代表的な実装にイーサネットがある。物理層レベルの処理を行う機器としてモデムやDSU・ONUがあり、LAN間接続ではリピータやリピータハブがある。
物理層の主な機能・役割には以下のものがある。
ITU-T G.9960では、物理層をさらに階層構造に分けて、以下のような副層(サブレイヤ)を設けている[6]。
副層 | 送信側(下方向)の動作 | 受信側(上方向)の動作 |
---|---|---|
PCS (Physical Coding Sublayer, 符号化層) | 上層のMII信号を符号化して下層のPMAに引き渡す | 下層のPMAの読み取り値から元データを復号する、半二重動作時に衝突検出する |
PMA (Physical Medium Attachment, 媒体接続部) | 上層のPCSの符号を電気信号として下層のPMDやMDIに出力する | 下層のMDIやPMDの電気信号をクロック検出・数値変換して上層のPCSに引き渡す |
PMD (Physical Medium Dependent, 媒体依存部) | 上層のPMAからの電気信号を別の物理信号(光など)として出力する | 物理信号(光など)を検出し電気信号に変換する |
これらの実装は各種通信規格によって異なる。以下では例としてイーサネットの物理層規格について記述する。
LANケーブル規格では多くの場合、PCS・PMAの2層と、さらにその下層にオートネゴシエーション処理層が設けられる[7]。
光ファイバ規格では、PCS・PMA・PMDの3層が設けられる[13][14]。
物理層の機能を実装するために必要な回路やデバイス部品のことを特にPHY (ファイ、physical layerの略)と呼ぶ。第二層にあたるMAC (データリンク層デバイス) はPHYを介して伝送媒体に接続する。
イーサネット機器の物理層の実装としてコンポーネント部品としたPHYは、MACへの物理的なアナログ接続を目的とする。通常、MII チップと組み合わせて用いるか、上位層の機能を引き受けるマイクロコントローラと接続する。イーサネットPHYは通常、PCSとPMAの両方の機能を含む[17]。
より具体的には、イーサネットPHYは、イーサネットフレームのハードウェア送受信機能を実装するチップであり、イーサネット物理層(アナログ部分)とデータリンク層のパケット処理(デジタル部分)とを仲介する[18]。MACアドレスの処理はデータリンク層の受け持ちであるため、通常PHYでは処理しない。同様に、Wake-on-LAN機能やブートROM機能はネットワークカード (NIC) に実装されているが、PHYとMACで機能的に1つのチップに統合することも、別々のチップに分けることもできる。
主な製品に以下のものがある。
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