KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭(ケンポク アート 2016 いばらきけんぽくげいじゅつさい)は茨城県北芸術祭の第1回目。
- テーマ
- 海か、山か、芸術か?
- 会期
- 2016年9月17日から11月20日(65日間)
- 開催市町
- 北茨城市、高萩市、日立市、常陸太田市、常陸大宮市、久慈郡大子町
- 主催
- 茨城県北芸術祭実行委員会(会長は茨城県知事の橋本昌)
- ディレクターチーム
- 総合ディレクター 南條史生
- キュレーター 四方幸子
- キュレーター 金澤韻
- クリエイティブディレクター 谷川じゅんじ
- コミュニケーションディレクター 林千晶
- オフィシャルデザイナー 岡本健
- ジェネラルマネージャー 桑原康介
- アーティスト数
- 85組(22の国と地域)
- 作品数
- 109件
[1]
茨城県北芸術祭の第1回目となる「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」の来場者数は当初目的の30万人を大きく上回り776,481人となり、その経済波及効果は35.33億円と試算された。併せて、茨城県のイメージアップにも繋がる社会効果があったと報告されている[2][3][4]。一方で、開催会場から離れた地域には集客効果が及ばなかった事や、広報の仕方や交通手段の確保等に課題を残した、ともされている[4]。
参加アーティストは国際的に活躍しているアーティストを招聘した他、一般公募による選出、芸術祭参加アーティストを選出するために実施したハッカソン「KENPOKU Art Hack Day 2015」からの選出、及び他のハッカソンやアワードである「3331α Art Hack Day 2015」、「CREATIVE HACK AWARD 2015」、 「Bio Art Hackathon 2015」からも選出している[5]。
以下、作品名・作品番号・アーティスト名・展示場所の順に記述[6][7]。
常陸大宮市会場
- Sound TapBoard
- E-01
- Sound of TapBoard
- 旧常陸大宮市立美和中学校 北緯36度39分56.4秒 東経140度18分21.8秒
- Sound of TapBoardはアートハッカソンイベントの「3331α Art Hack Day 2015」から選出された、タップダンサーの米澤一平の他、佐藤ねじ、水落大、池澤あやか、からなるチームで「3331α Art Hack Day 2015」でプロダクト・サービス部門グランプリとなった作品の最新版を披露した[33]。
- コロイドディスプレイ
- E-02
- 落合陽一
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 落合は、「CREATIVE HACK AWARD」から選出されたアーティスト。『コロイドディスプレイ』はシャボンで出来た薄膜ディスプレイに蝶を映し出した作品[21][34]。
- モナドロジー
- E-02
- 落合陽一
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 暗室の中で輝く単光源に照らされたシャボン玉の作品[34]。
- 幽体の囁き
- E-02
- 落合陽一
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 校庭に並べた椅子・机の周辺にだけ空間音響技術を用いて人の気配感を作り出した作品[34]。
- KYO-ZO
- E-03
- 津田翔平
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- Achromatic World -いろのないせかい-
- E-04
- CALAR.ink
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- アートハッカソンイベントの「3331α Art Hack Day 2015」から選出された、チアキコハラを中心とした只石快歩、坪倉輝明、瓜田裕也、衛藤慧の5名からなるアーティスト集団CALAR.ink(カラードットインク)の作品で、「3331α Art Hack Day 2015」でアート部門最優秀賞を受賞した「運命的アクシデント」の最新版を披露した。会場となった旧音楽室で会期中数回行われたライブペインティングパフォーマンスでは鑑賞者も登場者になって、その行動により光、音など様々な仕掛けが動く双方向な物語が展開された[16][35]。
- だいちの星座 ―いばらきけんぽく座―
- E-05
- 鈴木浩之+大木真人
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 鈴木と大木は一般公募により選ばれたアーティストで、JAXAの地球観測衛星「だいち2号」からの撮影画像を使って地上に星座の絵を作り出すプロジェクトを行った。8月11日に6市町の各地に反射器等が配置され撮影が行われ、「いばらきけんぽく座」が描かれた。展示会場ではプロジェクトの映像や撮影に使われた反射器等が展示された[11][16][36]。
- 茨城インベントリウム
- E-06
- イザベル・デジュー(Isabelle DESJEUX)
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- GREAT TEACHER
- E-07
- magma
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- magmaは杉山純、宮澤謙一によるユニットで、『GREAT TEACHER』、『WOODSTOCK』の他、美和中学校内に数点のオブジェを配置した。『GREAT TEACHER』では、旧校長室に巨大なロボット先生のようなものを出現させた[37][38]。
- WOODSTOCK
- E-07
- magma
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 元々美和中学校にあった木を天井や壁にふんだんに取り入れた教室をmagmaは木の家具やオブジェを配置した休憩スペースに仕立てた。会期中、常陸大宮市内のカフェがこのスペースに期間限定の出店をしてパンや飲み物を販売した[39][40]。
- 風景幻灯機
- E-08
- 村上史明
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 村上は一般公募により選ばれたアーティスト[11]。『風景幻灯機』は望遠鏡のような物体で覗き見た光景に『常陸国風土記』の大男「ダイダラボッチ」などが現れる作品で、同様の作品が日立駅にも展示されている[41]。
- Fly Me to the Earth
- E-08
- 村上史明
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 『爆弾にリボン』の教室
- E-09
- 山本美希
- 旧常陸大宮市立美和中学校
- 山本の漫画『爆弾にリボン』の絵の展示[42]。
- ブラックフィールド
- E-10
- ザドック・ベン=デイヴィッド(Zadok BEN-DAVID)
- 旧家和楽青少年の家 北緯36度39分37.4秒 東経140度23分22.8秒
- No.85
- E-11
- ワン・テユ(WANG Te-Yu)
- 旧家和楽青少年の家
- イレギュラー・テトラヘドロン
- E-12
- タワッシャイ・プンサワッ(Tawatchai PUNTUSAWASDI)
- 旧家和楽青少年の家
- 反芻ー久慈川にて/The Sun Returning
- E-13
- マシュー・ジェンセン (Matthew JENSEN)
- 旧家和楽青少年の家
- 川床/寄り添う人々
- E-14
- 塩谷良太
- 道の駅常陸大宮かわプラザ 北緯36度35分50.4秒 東経140度24分37.2秒
- ジョイ・センターの客
- E-15
- ミヒャエル・ボイトラー(Michael BEUTLER
- 常陸大宮市石沢地区の空き店舗である旧ゲームセンター 北緯36度32分19.8秒 東経140度24分43.0秒
- 森の記憶
- E-16
- レ=トゥア・ティエン (LE Thua Tien)
- 常陸大宮市石沢地区の空き店舗である旧衣料品店 北緯36度32分19.3秒 東経140度24分45.2秒
- moon satellite
- E-17
- 内海聖史
- 石沢地区の空き店舗である旧衣料品店
大子町会場
- 藝大子アートプロジェクト 2016
- F-01、F-02、F-17
- 東京藝術大学、シラパコーン大学、ベトナム美術大学の学生・教員
- 奥久慈茶の里公園北緯36度49分36.8秒 東経140度16分51.8秒
- 奥久慈茶の里公園の和紙人形美術館 北緯36度49分38.3秒 東経140度16分49.2秒
- 旧大子町立初原小学校(現 初原ぼっちの学校)北緯36度48分47.7秒 東経140度18分29.6秒
- 常陸大子駅前商店街
- 袋田の滝カントリークラブ入口付近 北緯36度47分47.5秒 東経140度19分24.2秒
- 『藝大子アートプロジェクト 2016』として東京藝術大学、タイ王国のシラパコーン大学、ベトナム美術大学の学生・教員らが以下の活動を行った[44]。
- 『8days in daigo』2016
- 東京藝術大学油絵科とシラパコーン大学絵画科メンバーの作品が大子町文化福祉会館「まいん」他の大子駅前商店街の各所に展示された。
- 漆芸交流展 in 大子
- 大子町の特産である漆にちなみ、東京藝術大学漆芸研究室とベトナム美術大学の学生・教員が漆の作品を奥久慈茶の里公園の和紙人形美術館に展示した他、漆の魅力を伝えるワークショップを行った。
- 大子町の彫刻展
- 東京藝術大学彫刻科とシラパコーン大学彫刻科メンバーが奥久慈茶の里公園、旧大子町立初原小学校に作品を展示した。また、稲藁でつくる「わらぼっち」のアート作品の公開制作を袋田の滝カントリークラブ入口付近で行った[45]。
- Kindecoプロジェクト
- 東京藝術大学鋳金、彫金、鍛金の各研究室メンバーが大子町商店街の各所で金工作品を展示した。
- 記憶装置
- F-03
- Composit
- 旧大子町立上岡小学校 北緯36度46分40.4秒 東経140度19分37.3秒
- Compositはニコラ・シャルボニエ、ギオーム・レジェ、ジュリ・プロスト、南條俊輔フランソワ、クリストフ・K・グーセンスからなるアーティスト・ユニット。上岡小学校の思い出の品のシルエットや卒業生達の校歌の歌声などで、学校の記憶を、光を落とした教室で再構築した[46]。
- 沈黙の教会、あるいは沈黙の境界
- F-04
- 田中信太郎
- 旧大子町立上岡小学校
- 講堂に、床に墨汁を湛えた『漆黒の沼』、ステージに黒く光る卵型の『マリアの泪』が置かれた。[47]
- 日渡の里プロジェクト 40人のクリエイターの40枚のポスター展「里山の人たちの暮らしがそこに在る。」
- F-05
- 茨城デザイン振興協議会
- 旧大子町立上岡小学校
- 茨城県デザイン振興協議会は茨城県内のデザイン業者の団体で、大子町の文化・産業をPRするプライベートポスター制作プロジェクトの提案により一般公募枠で選ばれた[11]。
- 嘘つきだった子ども、大子で真実に出会う
- F-06
- ピウス・シギット・クンチョロー(Pius Sigit KUNCORO)
- 旧大子町立上岡小学校
- Spring
- F-07
- 妹島和世
- 旧浅川温泉 北緯36度47分20.9秒 東経140度20分21.9秒
- 日立市出身の建築家妹島和世が設計を担当した足湯で、落合の「空気のせせらぎ」と共に10月15日から公開された[6][48]。足湯は直径10メートルの皿のような形状の、鏡面磨きされたアルミ造で、周囲の風景が湯に映り込む効果を生み出している[49]。
- 空気のせせらぎ
- F-07
- 落合陽一
- 旧浅川温泉
- 庭にて ― 風と森 II
- F-08
- 増田聡子
- 大子温泉保養センター 森林の温泉 北緯36度47分44.0秒 東経140度21分02.9秒
- 茶の本
- F-09
- 木下真理子
- 常陸大子駅前商店街の麗潤館 北緯36度46分15.8秒 東経140度21分14.6秒
- japan?
- F-10
- secca
- 常陸大子駅前商店街の麗潤館
- Life Record ―生成と生業―
- F-11
- 宮原克人
- 常陸大子駅前商店街の麗潤館
- 宮原は一般公募により選ばれたアーティスト[11]。
- 森の音のゆくえを辿って
- F-12
- エレナ・トゥタッチコワ(Elena TUTATCHIKOVA)
- 常陸大子駅前商店街の麗潤館
- 干渉する浮遊体
- F-13
- 干渉する浮遊体
- 常陸大子駅前商店街の麗潤館
- 干渉する浮遊体は吉岡裕記、アビルショウゴ、甲斐桜、さとうひろき、橋本次郎、菱田真史、水落大、柳澤佑磨をメンバーとしたハッカソンでKENPOKU ART 2016への参加アーティストを選出する「KENPOKU Art Hack Day」で選出されたチームである。シャボン玉がすぐに消えずガラスの器の宙に留まり続けるという作品を展示した[21][50]。シャボン玉が落ちないのは、ガラスの器内にドライアイスで二酸化炭素を溜める事で、二酸化炭素より軽いシャボン玉を浮かせている浮いている仕組みによってである。「干渉する浮遊体」チームはこの作品を2016年の「YouFab Global Creative Awards」にエントリーし、準グランプリ(FIRST PRIZE)を獲得した[51]。
- velvet order(柔らかい秩序)2016 autumn sunlight
- F-14
- 木本圭子
- 常陸大子駅前商店街の麗潤館
- 折り紙ミューテーション
- F-15
- BCL
- 常陸大子駅前商店街の麗潤館
- 大子 ロスト・アンド・ファウンド
- F-16
- ソンミン・アン
- 大子町地域おこし協力隊事務所 北緯36度46分14.8秒 東経140度21分20.0秒
- 暗い部屋でピアノの音と共に、地域の人が昔撮影していた日常の映像をブラウン管テレビを通して伝えた作品。ソンミン・アンは2010年度アーカスプロジェクトに招聘されたアーティストである[52][53]。
- 連鎖的可能性―袋田の滝
- F-18
- ジョン・ヘリョン(JUNG Hye Ryun)
- 袋田の滝(トンネル) 北緯36度45分54.4秒 東経140度24分16.5秒
KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ガイドブック. 生活の友社. (2016-8)
“作品一覧>風景幻灯機”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月17日閲覧。 “作品一覧>ノアのバス”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月17日閲覧。 “作品一覧>御岩山雲龍図”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月18日閲覧。 “作品一覧>常陸佐竹市”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月16日閲覧。 “作品一覧>風景幻灯機”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月24日閲覧。 “茨城県北芸術祭 作品を見に行く(2)大子 空間や自然に溶け込む”. 茨城新聞: p. 20. (2016年9月28日)
“作品一覧>記憶装置”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月27日閲覧。 “作品一覧>Spring”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月16日閲覧。 “茨城県北芸術祭 Sprinng:設計 妹島和代建築設計事務所”. 新建築 92 (1): 116-119,219. (2017-1).
“作品一覧>干渉する浮遊体”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月23日閲覧。 “作品一覧>何処からの手紙”. KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭公式ホームページ. 2017年6月16日閲覧。
概要 全ての座標を示した地図 - OSM ...
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