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Cakewalk SONARの後継となる無料のDAW ウィキペディアから
Cakewalk by BandLab(ケークウォーク バイ バンドラボ、CbB)は、BandLab Technologiesによって開発されている無料のDAWソフトウェアである。対象のプラットフォームはMicrosoft Windows(64bit版)。
かつてはCakewalkによって開発されており、SONARという名称で知られていた。
シンガポールに拠点を置くBandLab Technologiesが開発する、プロフェッショナルユースのデジタル・オーディオ・ワークステーション (DAW)。
2017年まではCakewalkよりSONARという名称で販売されていた。Cakewalk by BandLabは、SONARシリーズの最上位グレードであるSONAR Platinumと同等の機能を搭載し、誰でも無料で利用する事ができる。フリーウェア化した事に伴って以前のメンバーシップ制は廃止されたが、2022年2月現在においても、およそ1ヶ月に一度のアップデートが継続されている。
デジタル・オーディオ・ワークステーションとしての歴史は、Windows 95向けに提供されていたCakewalk Pro Audio 4 (1996年)にまで遡る。北米以外の地域や日本での管理・販売は、持株会社であったRolandが担当していた。その後バージョンアップを重ね、2001年にSONAR[2]が発売、以降はおよそ1年に一度バージョンアップが繰り返された。
2013年にCakewalkがGibsonに買収された事により、国内ではTEACが正規代理店となった[3]。
2015年、SONARのナンバリングを撤廃しメンバーシップ制を導入[4]。12ヶ月の分割払いとなり、支払った期間のみ1ヶ月に一度のアップデート(マンスリー・アップデート)を受け取れるシステムに変更される。
2017年には、Cakewalkの親会社であるGibsonによりSONARシリーズを含む全てのCakewalk製品の開発終了が告知された[5]が、2018年にBandLab TechnologiesがCakewalk, Inc.の資産を取得、同年4月までにCakewalk by BandLabの早期アクセス版がリリースされた[6]。
付属するインストゥルメント・プラグインは、Cakewalk TTS-1 (Roland/EDIROL Hyper Canvasのバンドル版)、Cakewalk Studio Instruments (Bass Guitar、Drum Kit、Electric Piano、Strings Section)の計5つ。 エフェクト・プラグインは、Overloud TH3 Cakewalk Edition、BREVERB 2 Cakewalk、Sonitus:fx Suite (Compressor、Delay、Equalizer、Gate、Modulator、Multiband、Phase、Reverb、Surround、Surround Compressor、Wahwah)のみであるが、Drum ReplacerやProChannelなど、DirectX/VSTプラグインでないエフェクタが他にも多数付属する[7]。
2023年10月、BandlabはCakewalkブランドにおけるラインナップ変更を発表。無償であった「Cakewalk by Bandlab」の提供・サポートを終了し、「Cakewalk」ブランドを再確立、「Cakewalk Sonar」と「Cakewalk Next」の2製品をリリースすることを発表した。[8]
ピアノロール、数値入力、譜面入力をサポート。 通常のシーケンサに加え、特定のエディションを除きステップ・シーケンサも有する。
マルチトラックでの音楽編集機能、記譜機能、サラウンドサウンド機能(5.1chと7.1ch)を提供する。 互換性のある他ソフトウェアから、オーディオ・ループ素材を取り込み、ミックスダウンする事も可能。また、64bit浮動小数点オーディオエンジンに対応している。
オーディオ出力オプション(64bitマスターを含む)は、BWF(タイムスタンプ付き)、Advanced Systems Format、MP3、DSD、AIFF、AU、CAF、FLAC、OGG、RAW(ヘッダーレス)、RF64(RIFF 64)、SD2(Sound Designer II)、W64 (Sony Wave-64)、WAV、WAVEXである。
2015年のバージョンからは、 DSDフォーマットのネイティブ編集に対応している。
AudioSnapは、スライシングや破壊編集をする事無く、オーディオのタイミング修正を可能にするツールである。 これは一度に一部、またはプロジェクト全体をクオンタイズする事が出来る[39]。クリップ全体をクオンタイズする代わりに、Split Beats Into Clipsコマンドを用いて、クリップをより小さい断片、もしくはビートの長さの断片に分割する事も可能。 もしクリップ中の連続したビートがグリッドに揃っていないのなら、AudioSnap Beatsコマンドを用いて、グリッドに揃う様にクリップをクオンタイズする事が出来る[40]。
限定された動画編集機能を有する。 avi、mpeg、wmvとmovファイルをサポートし、ビデオを別のトラックの中にサムネイルとして表示する事が出来る[41]。また、適合するハードウェアと、FireWireを通じて外部モニタに映像出力する事も可能。すべての一般的なSMPTEフォーマット、フレームサイズとフレームレートがサポートされている。
ReWireを経由し、サンプル精度で他のマルチメディアアプリケーションへ接続可能。
DirectX/DXi、VST/VSTiのプラグインフォーマットに対応し、ソフトウェア・シンセサイザー、ソフトウェアサンプラー、ソフトウェアドラムマシン等のソフトウェア音源や、エフェクタを利用可能。 SONAR 5にてVSTにネイティヴ対応し、Cakewalk VST Adapterが不要になった。
またARA規格のプラグインをサポートしており、バンドルされているMelodyne Essentialなどとシームレスな連携が可能である。 バージョン2019.05より、ARA2規格がサポートされた。
CAL(Cakewalk Application Language、Cakewalkアプリケーション言語)は、MIDI関連の操作を記述し、オートメーション化させる事が可能なスクリプト言語である。
この機能はACTとも呼ばれ、MIDIコントローラ/サーフェスとパラメータのアサインをアシストするものである。 エフェクトやソフトウェア・シンセサイザをコントロールする際、コントローラ/サーフェスを現在アクティヴになっているプラグインに合わせてアサインする[42]。現在はSONAR専用のオートメーション・コンソール、SONAR V-STUDIO 700に完全に対応した。
SONARはCM Labs MotorMixの様な、他の特殊用途専用コントローラ/サーフェスにも対応し、ACT MIDI Controllerと呼ばれる汎用プラグインを含んでいる。 それはJL Cooper FaderMaster、Peavey PC-1600、Kenton Control Freakの様な、一般的なMIDIコントローラ/サーフェスに対応する様に設定されている。 一般的なコントローラ/サーフェスはフェーダー/ノブ/ボタンのストリップを8から16持ち、モータライズされておらず、大抵MIDIメッセージを送信する様に設定されている[43]。
バージョン6以降、SONARは64bit版のWindows XP及びWindows Vistaに於いて、64bitオーディオ・エンジンと64bitミキサーによるフル64bit内部処理が可能となった。
ソフトウェア音源により、GM2規格にも対応(SONAR 3まではVirtual Sound Canvas、SONAR 4以降はHyperCanvasベースの内蔵音源TTS-1)。
オーディオのミキシング過程のオートメーション化が可能。
MIDIはデジタル音楽の表現手段として広く標準として認められているが、競合する録音/編集ソフトウェア(例:Cubase)間でプロジェクトをやり取りする為の、広く受け入れられている標準は存在しない。それ故に、Cubaseのプロジェクトをネイティヴ・フォーマットのままSONARにインポートする事は不可能であり、その逆もまた同様である。とはいうものの、OMFIファイルの形を用いれば、オーディオのタイミング、テンポ、音量、そしてパン情報を維持した状態で、マルチトラック・オーディオのプロジェクトをアプリケーション間で交換する事が可能である。
最上位版のSONAR PRODUCERと、普及版のSONAR STUDIOとが存在する。2010年発表のSONAR X1からは、SONAR Home StudioがESSENTIALとしてメイン・ラインに統合された。
2015年発表のバージョンからは、Xを含むバージョン名が無くなり、PRODUCERがPlatinumへ、STUDIOがProfessionalへ、ESSENTIALがArtistへと各グレードの名称が変更された。 同時に、販売方式が従来の買い切り方式から月額のメンバーシップ方式へと変更された。12ヶ月分の料金を一括で支払った場合、または月払いで12ヶ月間利用した場合(途中で利用を中断してもよい)、以降は料金を支払わなくとも永続的にSONARを利用できるが、アップデート及びサポートを利用できるのは料金を支払った期間のみである。 これに伴い不定期的なメジャーバージョンアップは廃止され、マンスリー・アップデートと称した新機能や不具合修正などを、メンバーシップ保有者へ対し1ヶ月に一度提供する形となった。
Rolandから販売されていた時には、“ミュージ郎 ソナー・デジタル・スタジオ”、“SONAR Perfect Solution”、“SONAR POWER STUDIO”の名称で、Roland社ハードウェアとの同梱パッケージが存在していた。 製品構成には、同社のMIDI音源であるSCシリーズやSDシリーズ、オーディオ・インターフェースであるUAシリーズ等が組み合わされた。
2016年には、SONAR Platinum LTU (Life Time Update)と称された、メンバーシップ料金を支払わなくとも永続的なアップデート/サポートを利用できるライセンスが期間限定で販売された。
2018年、開発元の変更に伴い名称がCakewalk by BandLabへと変更された。グレード制は廃止され、従来のPlatinumと同等の機能を無料で利用する事ができる。
SONAR V-STUDIO 100専用のバンドル版。
SONAR LEと同じくSONARのライトバージョンであるが、一部の機能に制限はあるもののSONARとほぼ同等となっている。 SONAR Home Studioと、プラグイン等を強化したSONAR Home Studio XLとが存在する。 2010年発表のSONAR X1より、ESSENTIALとしてメイン・ラインに統合された。
2017年、SONARシリーズのエントリー版としてSONAR Home Studioが発売された。これに伴い、エントリー向けDAWとして販売されていたMusic Creatorシリーズは廃止された。 しかし、上位版のSONARとは違って買い切り方式での販売となる。また、毎月のアップデートを含む、インストール以降のサポートは一切行われない[44]。
2018年2月現在、SONAR Home Studioは無料で入手する事ができる[45]。本来であれば2018年1月11日までの期間限定での無償配布であるはずが、その期日を過ぎた2018年2月現在となっても問題なくアクティベートが可能である。
Music Creatorは、SONARの機能を制限したライトバージョンである。SONARとはGUIや操作感が大きく異なる。
SONAR LEは、SONARの機能を制限したライトエディションである。 動画編集機能は付いていないが、オーディオやMIDIのレコーディングから編集、ミキシング、マスタリングまでDTMに関する一通りの機能を揃えている。 各社のDTM関連製品へのバンドル(日本語版はローランド社製品へのみ)という形で提供されている。
Music Creator LEは、Music Creatorの機能を制限したライトエディションである。 各社のDTM関連製品へのバンドルという形で提供されている。 日本国内では未提供。
SONARを中核とした、専用ハードウェアによる音楽製作システム。 業務用からギタリスト向けまで数種の製品が存在する。
ハードウェアには、オーディオ・インターフェース、フィジカル・コントローラ等を搭載する。
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