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2012年ロンドンオリンピックの柔道競技(2012ねんロンドンオリンピックのじゅうどうきょうぎ)は7月28日から8月3日までエクセル展覧会センターで開催された[1]。
選出形態 | 男子 | 女子 | 総計 |
---|---|---|---|
世界ランキング上位による選出 | 154 | 98 | 252 |
大陸枠による選出 | 60 | 40 | 100 |
開催国による選出 | 7 | 7 | 14 |
ワイルドカードによる選出 | @ | @ | 20 |
総計 | 221+@ | 145+@ | 386 |
時間はイギリス夏時間(UTC+1)
種目 | 金 | 銀 | 銅 |
---|---|---|---|
60kg級 | アルセン・ガルスチャン ロシア (RUS) |
平岡拓晃 日本 (JPN) |
リショド・ソビロフ ウズベキスタン (UZB) |
フェリペ・キタダイ ブラジル (BRA) | |||
66kg級 | ラシャ・シャフダトゥアシビリ グルジア (GEO) |
ミクローシュ・ウングバリ ハンガリー (HUN) |
海老沼匡 日本 (JPN) |
曺準好 韓国 (KOR) | |||
73kg級 | マンスール・イサエフ ロシア (RUS) |
中矢力 日本 (JPN) |
ウゴ・ルグラン フランス (FRA) |
サインジャルカル・ニャムオチル モンゴル (MGL) | |||
81kg級 | 金宰範 韓国 (KOR) |
オーレ・ビショフ ドイツ (GER) |
イワン・ニフォントフ ロシア (RUS) |
アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ カナダ (CAN) | |||
90kg級 | 宋大南 韓国 (KOR) |
アスレイ・ゴンサレス キューバ (CUB) |
西山将士 日本 (JPN) |
イリアス・イリアディス ギリシャ (GRE) | |||
100kg級 | タギル・ハイブラエフ ロシア (RUS) |
ナイダン・ツブシンバヤル モンゴル (MGL) |
ディミトリ・ペータース ドイツ (GER) |
ヘンク・フロル オランダ (NED) | |||
100kg超級 | テディ・リネール フランス (FRA) |
アレクサンドル・ミハイリン ロシア (RUS) |
アンドレアス・テルツァー ドイツ (GER) |
ラファエル・シルバ ブラジル (BRA) |
種目 | 金 | 銀 | 銅 |
---|---|---|---|
48kg級 | サラ・メネゼス ブラジル (BRA) |
アリナ・ドゥミトル ルーマニア (ROU) |
チェルノビツキ・エーヴァ ハンガリー (HUN) |
シャルリーヌ・ファンスニック ベルギー (BEL) | |||
52kg級 | 安琴愛 北朝鮮 (PRK) |
ヤネト・ベルモイ キューバ (CUB) |
プリシラ・ネト フランス (FRA) |
ロサルバ・フォルチニティ イタリア (ITA) | |||
57kg級 | 松本薫 日本 (JPN) |
コリーナ・カプリオリウ ルーマニア (ROU) |
マルティ・マロイ アメリカ合衆国 (USA) |
オトーヌ・パヴィア フランス (FRA) | |||
63kg級 | ウルシカ・ジョルニル スロベニア (SLO) |
徐麗麗 中国 (CHN) |
上野順恵 日本 (JPN) |
ジブリズ・エマヌ フランス (FRA) | |||
70kg級 | リュシ・デコス フランス (FRA) |
ケルスティン・ティエレ ドイツ (GER) |
ジュリ・アルベアル コロンビア (COL) |
エディス・ボッシュ オランダ (NED) | |||
78kg級 | ケイラ・ハリソン アメリカ合衆国 (USA) |
ジェマ・ギボンズ イギリス (GBR) |
マイラ・アギアル ブラジル (BRA) |
オドレー・チュメオ フランス (FRA) | |||
78kg超級 | イダリス・オルティス キューバ (CUB) |
杉本美香 日本 (JPN) |
カリーナ・ブライアント イギリス (GBR) |
佟文 中国 (CHN) |
順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ロシア (RUS) | 3 | 1 | 1 | 5 |
2 | フランス (FRA) | 2 | 0 | 5 | 7 |
3 | 韓国 (KOR) | 2 | 0 | 1 | 3 |
4 | 日本 (JPN) | 1 | 3 | 3 | 7 |
5 | キューバ (CUB) | 1 | 2 | 0 | 3 |
6 | ブラジル (BRA) | 1 | 0 | 3 | 4 |
7 | アメリカ合衆国 (USA) | 1 | 0 | 1 | 2 |
8 | グルジア (GEO) | 1 | 0 | 0 | 1 |
北朝鮮 (PRK) | 1 | 0 | 0 | 1 | |
スロベニア (SLO) | 1 | 0 | 0 | 1 | |
11 | ドイツ (GER) | 0 | 2 | 2 | 4 |
12 | ルーマニア (ROU) | 0 | 2 | 0 | 2 |
13 | 中国 (CHN) | 0 | 1 | 1 | 2 |
イギリス (GBR) | 0 | 1 | 1 | 2 | |
ハンガリー (HUN) | 0 | 1 | 1 | 2 | |
モンゴル (MGL) | 0 | 1 | 1 | 2 | |
17 | オランダ (NED) | 0 | 0 | 2 | 2 |
18 | ベルギー (BEL) | 0 | 0 | 1 | 1 |
カナダ (CAN) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
コロンビア (COL) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
ギリシャ (GRE) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
イタリア (ITA) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
ウズベキスタン (UZB) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
合計 | 14 | 14 | 28 | 56 |
今大会から世界ランキング制度に基づいて出場選手が選出されることになった[4]。また、3位決定戦のシステムが変更になり準々決勝の敗者のみで敗者復活戦を行い、準決勝の敗者と3位決定戦を行うこととなった。
今大会では審判による技の判定が、試合を監視するジュリー(審判委員)の指摘によって覆されるケースが何度となく起こった。
とりわけ、男子66kg級準々決勝の海老沼匡と曺準好の対戦では延長戦に入ってから、海老沼の小内巻込を主審であるブラジルのエディソン・ミナカワが有効と判定して一旦は試合が終了したものと思われたが、審判委員の判断によって有効が取り消されて試合が続行されることとなった。その後旗判定で曺準好を支持する青旗3本が上がったものの観客による大ブーイングが起こり場内が騒然。審判委員からもこの判定に対する異議が唱えられて旗判定のやり直しが指示されると、今度は海老沼を支持する白旗3本が上がり海老沼の勝利となった[5]。この事態を受けてフアン・カルロス・バルコス審判委員長は、ビデオ判定システムを活用している3名の審判委員が疑いなく白の海老沼が優勢であったと判断したので判定をやり直させた、さらには、柔道の精神を守り、真の勝者が勝者として畳を下りる状況をつくるのが我々の役目であると述べた[6]。IJFも今回の件に関して、最終的に正しい判断が下されたとの声明を出した[7][8]。 なお、この試合で審判を務めた主審のミナカワと副審2名の計3名は翌日の試合の審判から外されたが、その後また復帰した[9]。
IJF審判委員である川口孝夫によれば、日本国内の大会においてはジュリーが審判の下した技の評価の高低(例えば、技ありを一本とするなど)を訂正しないことを規定しているが[10]、IJF主催の国際大会では審判委員が状況に応じて訂正することが度々あったものの[11][12]、今回のように旗判定がやり直しになったことは前代未聞だという[13]。また、今回のオリンピックに審判として派遣された大迫明伸は「ここまでジュリーが入り込んでくるとは思わなかった。やりにくいし、今までと全く異質の大会」と語った[14]。
サウジアラビア初の女子オリンピック選手である78kg超級のウォジダン・シャハルハニは柔道競技に出場するにあたり、イスラム教徒の女性が人前で髪を隠すのに用いるスカーフとして知られるヒジャブの着用を要求してきたものの、IJFがヒジャブ着用により誤って首を絞めるなどの危険性がある、さらにはサウジアラビアの選手も柔道の精神に沿って対戦すべきだとして、一旦は拒否した[15]。しかし、その後のIOCとIJFとサウジアラビア側との3者協議によって、ヒジャブ着用が最終的に認められることとなった[16]。 なお、ヒジャブの着用はアジア柔道連盟主催の大会では以前から認められていたという[17]。また、このシャハルハニは柔道暦2年の青帯で今大会が初めての国際大会出場であったものの、試合では黒帯を付けて出場したが、初戦でプエルトリコのメリッサ・モヒカに一本で敗れた[18]。試合後にはツイッターにシャハルハニを「反イスラム的」と非難する書き込みが多数寄せられたが、シャハルハニの父親は非難する書き込みを投稿した者をまとめて提訴すると息巻いている[19]。
男子73kg級に出場して7位となったアメリカのニコラス・デルポポロは、試合後のドーピング検査で大麻の成分であるテトラヒドロカンナビノールが検出されたために失格処分となった。デルポポロ側は、オリンピック前に出された料理が大麻と一緒に調理されていたことを知らず不注意に食べてしまったためであり、意図して大麻を摂取したわけではないと主張した[20]。
柔道競技6日目の8月2日には、柔道愛好家として知られるロシア大統領のウラジーミル・プーチンが地元イギリスの首相であるデーヴィッド・キャメロンとともに会場のエクセル展覧会センターを訪れて、決勝の模様を観戦した。両首脳は男子100kg級でロシアのタギル・ハイブラエフが優勝、女子78kg級でイギリスのジェマ・ギボンズが準優勝する場面を目撃することになった[21]。
60kg級 | ロシア | アルセン・ガルスチャン | 5位 |
66kg級 | ジョージア | ラシャ・シャフダトゥアシビリ | 32位 |
73kg級 | ロシア | マンスール・イサエフ | 5位 |
81kg級 | 韓国 | 金宰範 | 2位 |
90kg級 | 韓国 | 宋大南 | 17位 |
100kg級 | ロシア | タギル・ハイブラエフ | 7位 |
100kg超級 | フランス | テディ・リネール | 1位 |
48kg級 | ブラジル | サラ・メネゼス | 3位 |
52kg級 | 北朝鮮 | 安琴愛 | 25位 |
57kg級 | 日本 | 松本薫 | 1位 |
63kg級 | スロベニア | ウルシカ・ジョルニル | 3位 |
70kg級 | フランス | リュシ・デコス | 1位 |
78kg級 | アメリカ合衆国 | ケイラ・ハリソン | 4位 |
78kg超級 | キューバ | イダリス・オルティス | 7位 |
(出典[22]、JudoInside.com)
60kg級 | ウズベキスタン | リショド・ソビロフ | 銅メダル |
66kg級 | ロシア | アリム・ガダノフ | 不出場 |
73kg級 | 韓国 | 王己春 | 5位 |
81kg級 | ブラジル | レアンドロ・ギルヘイロ | 7位 |
90kg級 | ギリシャ | イリアス・イリアディス | 銅メダル |
100kg級 | カザフスタン | マクシム・ラコフ | 初戦敗退 |
100kg超級 | フランス | テディ・リネール | 金メダル |
48kg級 | 日本 | 福見友子 | 5位 |
52kg級 | 日本 | 西田優香 | 不出場 |
57kg級 | 日本 | 松本薫 | 金メダル |
63kg級 | 日本 | 上野順恵 | 銅メダル |
70kg級 | フランス | リュシ・デコス | 金メダル |
78kg級 | ブラジル | マイラ・アギアル | 銅メダル |
78kg超級 | 日本 | 田知本愛 | 不出場 |
(出典[22]、JudoInside.com)
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