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柔道の連盟 ウィキペディアから
公益財団法人全日本柔道連盟(ぜんにほんじゅうどうれんめい、英語: All Japan Judo Federation)は、日本国内における柔道競技を統括する国内競技連盟。かつては文部科学省スポーツ・青少年局競技スポーツ課所管。略称は全柔連、AJJF。
2023年6月現在
4月26日には中間報告書が出され、日本スポーツ振興センターから指導者に支給されていた助成金の一部を強化留保金として飲食費などに使用していた件に関して、全柔連事務局から受給者に拠出金の請求メールや、支払いが遅れた場合には督促のメールがなされていたこと、事務局の金庫に留保金の預金通帳が保管されていたことなどから全柔連による組織的関与があったと認定された。留保金は「社会通念に照らして不適切」、全柔連は組織として「公金である助成金に対する順法精神を欠いていた」とも指摘した。留保金は強化委員長時代の上村とその後を継いだ吉村和郎に管理権限があり、残高は約2350万円にも上ったが、帳簿類や領収書の管理が杜撰であったために実態を把握するのは容易ではないとされ、同時に、このような実態を放置していた日本スポーツ振興センターとIOCによる制度運営の不備も指摘した。
6月21日には第三者委員会が最終報告書を公表し、おおむね中間報告の通りであるが、最終的に2007年から指導者27名が3620万円の助成金の不正受給に関わり、目的外使用の留保金が3345万円になったことを認定した。
また、「最も重い責任を負う」者は、これら問題に全面的に関わっており、当時の強化委員長だった吉村和郎であることが認定されるとともに、強化委員長時代からこのシステムに関与しながら是正する姿勢を示さなかった、元強化委員長で全柔連会長の上村春樹の責任も明記された。上村はこれを受けて、2013年内での全柔連会長職退任を発表した。
このほか最終報告書では、同委員会の中間報告後、全柔連が同委員会に「要望書」を送り、先の中間報告を前提に、同委員会が柔道の実態を踏まえない調査を行なっている、全柔連が組織として遵法精神がなくコンプライアンス意識に欠けると断ずるのは言いすぎだなどと主張していた事実を明らかにした上で、中間報告に対する「根拠ある反論」ならともかく、これを「単に理由なく否定」するだけのもので、論評に値しないとした。また、全柔連は第三者委員会に弁護人としての役割を期待して調査を依頼したのに、糾弾ばかりで弁護の要素が見られないとの意見については、第三者委員会は全柔連の弁護人または代理人ではなく、全柔連は第三者委員会の性格についての基本的な認識すら欠けるとした。そして、意見書の名義人が全柔連会長になっているが、現実には事務職員が起案して一部の幹部の承認を得ただけで送付されたものであって、全柔連の組織的な決定を経ていなかったことを指摘し、「現場の意向を聞かず物事を決める全柔連上層部の体質が未だに改善していないことの如実な証左」だと指摘した。
そして、現場の声を汲み上げるつもりがない執行部、上司である執行部の過ちを正し乱れた組織的秩序を是正できない事務職員の双方が、本件を含めた全柔連の問題の根を作り出しているとし、選手・指導者・コーチといった現場の声に執行部、事務局双方がよくよく耳を傾けることこそが健全な組織の有り様だと締めくくっている。
2011年に行われた宴席の帰路、福田二朗理事が女子選手に抱きつきキスをし、女子選手が逃げた後もトイレまで追いかけ「出て来い」と叫んだ。2013年に事件が明るみに出ると福田は、全柔連理事職および都柔連会長職辞任の意向を表明した。全柔連では、本件の処分につき、「柔道の品位を著しく汚す行為をした」として、会員登録の永久停止が検討されている。[6]。
2013年7月23日、相次ぐ不祥事により内閣府から2008年の新法人制度施行後初となる公益認定法に基づく改善措置勧告を受けることとなった[8]。8月21日、臨時の理事会・評議員会が開かれ、宗岡正二会長らを始めとした新体制が発足した[9]。
一連の問題の詳細は女子柔道強化選手への暴力問題を参照のこと。
2014年10月、(当時)男子中学生が道場の指導者から絞め技をかけられて意識を一時失った。この事故について同連盟の内部通報窓口に相談したが適切な対応がなされず内部通報制度が機能していないと指摘。2019年4月19日、柔道事故における内部通報の対応義務を怠ったとして、福岡市内の元中学生道場生だった男性と父親が同連盟に損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴[10]。
同連盟において、複数の職員が先輩職員の一人から、激しい叱責を受けたり、業務時間外に仕事を求められるなど、パワーハラスメントを窺わせる言動を受けていた事実が、2021年2月に明るみに出た。当該の幹部職員は、同年2月に自己都合退職。山下泰裕会長は「今回は事務局内の案件であり、外部に公表する案件ではないと判断した」としつつ、責任を取る形で会長を退く可能性を示唆した[11]。
近年は女子柔道が国際的に正式なスポーツ競技として定着したこともあり、主催する大会を整理・統合する方向に転換。これまで男女別で行われてきた大会を統合することも行われている。
全日本柔道連盟は2014年4月1日に「柔道MIND」事業を推進するため柔道MINDプロジェクト特別委員会を発足させている。
「MIND」は英語で「精神」「心」を指すとし、嘉納治五郎の教えの精神、柔道の心に立ち返ろうという気持ちが込めた意図での命名となっている。 また同時に「MIND」は4つの単語の頭文字をつなげたものを意図している。
M はManners(マナーズ)、礼節
I はIndependence(インディペンデンス)、自立
N はNobility(ノビリティ)、高潔
D はDignity(ディグニティ)、品格
これら4つの単語を連ねたことには、柔道を行う者はこれら4つのことを守ってこそ「柔道家」と呼ばれるに相応しいのだということを明確に示そうという狙いがあるとしている。
全柔連では前年2013年に立ち上げた、「暴力の根絶プロジェクト」による「暴力という負(マイナス)の部分をなくそう」という趣旨に含め、「礼節や品格などの正(プラス)の部分」を伸ばそうという意味合いを込め、「暴力の根絶プロジェクト」を「柔道MINDプロジェクト」特別委員会と名前を改め、活動内容も積極的に広げている。
暴力、暴言、セクハラ、パワハラ、不適切な指導をしない事などは柔道をする者にとって当然の事とし、「柔道MIND」を心がけることで、その先を目指し新しい柔道界を築くことを意図したものになっている。[18]
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