全日本選抜柔道体重別選手権大会

全日本選抜柔道体重別選手権大会（ぜんにほんせんばつじゅうどうたいじゅうべつせんしゅけんたいかい）は、柔道の全日本選手権で、毎年開催されている。オリンピック・世界柔道選手権の開催年にはそれぞれの代表選考会となる^[1]。

福岡国際女子柔道選手権大会が嘉納治五郎杯国際柔道選手権大会と統合したことに伴い、2007年より別開催となっていた男女が統合された大会として行われている。またこれに伴い、しばらくは福岡市が会場となり、西日本新聞社が主催者（共催）に名を連ねている。

階級

階級は以下のように分かれている。

• 男子100kg超級
• 男子100kg級
• 男子90kg級
• 男子81kg級
• 男子73kg級
• 男子66kg級
• 男子60kg級

• 女子78kg超級
• 女子78kg級
• 女子70kg級
• 女子63kg級
• 女子57kg級
• 女子52kg級
• 女子48kg級

無差別級は全日本柔道選手権大会（皇后盃全日本女子柔道選手権大会）で別に行われる。

放送について

2022年現在は決勝のみBSフジで生中継。その他フジテレビ・テレビ西日本で中継録画されるが、2005年までは九州朝日放送（テレビ朝日系）で中継されていた。

備考

2020年の大会は新型コロナウイルスの影響により、史上初となる無観客での開催となった^[2]。また、37.5度以上の発熱か咳や痰などの症状が見られる選手は出場できないことも確認された^[3]。その後、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京都が外出を自粛するように呼び掛けたこともあって、4月初旬に予定されていた大会が延期となった^[4]。なお、10月に開催される講道館杯が今大会を兼ねることになった^[5][6]。なお、講道館杯での誤審衝動がきっかけとなり、2021年からは今大会でもカラー柔道衣が導入されることになった^[7][8]。2025年の女子70㎏級決勝では、ともにJR東日本に所属する田中志歩と寺田宇多菜との対戦になったが、お互い牽制し合ったために両者反則負けを喫した。過去に今大会の初戦や準決勝で両者反則負けになったことはあったが、決勝でそれが起こって結果として優勝者なしとなったのは、今回が初めてのケースとなった^[9][10]。

歴代優勝者

男子

歴代優勝者

回	年	軽軽量級	軽量級	中量級	重量級
1	1966年	稲田明	中谷雄英	遠刕信一	松永満雄
回	年	軽量級	軽中量級	中量級	重量級
2	1968年	東秀光	山崎祐次郎	平尾勝司	佐藤宣践
回	年	軽量級	中量級	軽重量級	重量級
3	1969年	湊谷弘	園田勇	笹原富美雄	篠巻政利
4	1970年				高木長之助
5	1971年	津沢寿志	関根忍	佐藤宣践	山本裕洋
回	年	軽軽量級	軽量級	軽中量級	中量級	重量級
6	1972年	南喜陽	野村豊和	園田勇	笹原富美雄	西村昌樹
7	1974年		蔵本孝二	藤猪省三	岩田勝彦	遠藤純男
8	1975年	柏崎克彦		原吉実	石橋道紀	上村春樹
9	1976年	南喜陽		園田勇	二宮和弘	遠藤純男
回	年	60kg以下級	65kg以下級	71kg以下級	78kg以下級	86kg以下級	95kg以下級	95kg超級
10	1977年	森脇保彦	南喜陽	吉村和郎	藤猪省三	園田勇	二宮和弘	山下泰裕
11	1978年	鈴木克美	柏崎克彦	西田孝宏		恵谷正雄	白瀬英春
12	1979年	原口謙一				原吉実	石川裕章
13	1980年	森脇保彦		香月清人		野瀬清喜	河原月夫
14	1981年	濱田初幸			加瀬次郎		三原正人	斉藤仁
15	1982年	細川伸二	斎藤俊郎	中西英敏	高野裕光		元谷金次郎	山下泰裕
16	1983年	原口謙一			日蔭暢年		高澤雅樹
17	1984年	細川伸二	浅見三喜夫	西田孝宏	高野裕光		三原正人	伊藤久雄
18	1985年		松岡義之		日蔭暢年	高橋政男	須貝等	斉藤仁
19	1986年	小野幸司	山本洋祐	飛崎哲治	高野裕光	三戸範之	金丸明人	正木嘉美
20	1987年	細川伸二		古賀稔彦	岡田弘隆	村田正夫	須貝等	小川直也
21	1988年					大迫明伸	甲斐康浩	斉藤仁
22	1989年	越野忠則	丸山顕志		持田達人		須貝等	小川直也
23	1990年		大熊政彦		高波善行	岡田弘隆	甲斐康浩
24	1991年							関根英之
25	1992年	乙黒靖雄	岩崎卓		吉田秀彦			養父直人
26	1993年	園田隆二	大熊政彦	森山孝臣	堀越英範	中村佳央		小川直也
27	1994年	原田堅一	内村直也	藤山茂	持田達人		賀持道明	増地克之
28	1995年	園田隆二	中村行成	秀島大介	古賀稔彦	吉田秀彦	岡泉茂
29	1996年	野村忠宏		中村兼三	堀越英範		中村佳央	真喜志慶治
30	1997年			岩川武久	瀧本誠	藤田博臣		篠原信一
回	年	60kg以下級	66kg以下級	73kg以下級	81kg以下級	90kg以下級	100kg以下級	100kg超級
31	1998年	徳野和彦	中村行成	中村兼三	窪田和則	田辺勝	井上智和	篠原信一
32	1999年				瀧本誠	吉田秀彦	窪田茂
33	2000年	野村忠宏					井上康生
34	2001年	徳野和彦		金丸雄介	小山昌規	飛塚雅俊
35	2002年	内柴正人	鳥居智男	高松正裕	中村兼三	矢嵜雄大	鈴木桂治	棟田康幸
36	2003年	野村忠宏	村上嘉広	金丸雄介	秋山成勲			上口孝太
37	2004年		内柴正人	高松正裕	塘内将彦	飛塚雅俊	井上康生	生田秀和
38	2005年	江種辰明			小野卓志	斎藤制剛	穴井隆将	高井洋平
39	2006年		須藤英雄		河原正太		庄司武男	棟田康幸
40	2007年	野村忠宏	秋本啓之	金丸雄介	塘内将彦	増渕樹	鈴木桂治	高井洋平
41	2008年	平岡拓晃	内柴正人		小野卓志	泉浩		井上康生
42	2009年			大束正彦	高松正裕	西山将士	穴井隆将	高橋和彦
43	2010年		海老沼匡	秋本啓之	中井貴裕	小野卓志		鈴木桂治
44	2011年			粟野靖浩	高松正裕	穴井亮平		上川大樹
45	2012年			中矢力	中井貴裕	加藤博剛		七戸龍
46	2013年	川端龍	福岡政章		丸山剛毅		小野卓志
47	2014年	高藤直寿	高市賢悟	大野将平	永瀬貴規	吉田優也	熊代佑輔	上川大樹
48	2015年	木戸慎二	海老沼匡	橋本壮市		ベイカー茉秋	高木海帆	西潟健太
49	2016年	志々目徹	阿部一二三	大野将平		西山大希	ウルフ・アロン	原沢久喜
50	2017年	永山竜樹		橋本壮市		向翔一郎		王子谷剛志
51	2018年	大島優磨	丸山城志郎		佐々木健志	長澤憲大	西山大希	小川雄勢
52	2019年	永山竜樹		大野将平	永瀬貴規	向翔一郎	羽賀龍之介	原沢久喜
53	2020年	小西誠志郎 米村克麻	藤阪泰恒	原田健士	小原拳哉	村尾三四郎	飯田健太郎	影浦心
54	2021年	古賀玄暉	田中龍馬	海老沼匡	佐々木健志	増山香補		佐藤和哉
55	2022年		阿部一二三	橋本壮市	永瀬貴規		羽賀龍之介	小川雄勢
56	2023年	中村太樹	藤阪泰恒	石原樹	老野祐平	田嶋剛希	ウルフ・アロン	太田彪雅
57	2024年	近藤隼斗	田中龍馬	田中龍雅			増山香補
58	2025年		顕徳海利	田中裕大			新井道大

大会会場

• 九電記念体育館（1966年、1969年、1971年）
• 佐賀県体育館（1968年）
• 鹿児島県体育館（1970年）
• 福岡市民体育館（1972年-2006年）
• 福岡国際センター（2007年-）

女子

歴代優勝者

回	年		50kg級	57kg級	65kg級	65kg超級
1	1978年		山口香	星野佐代子	笹原美智子	福田洋美
2	1979年					川村順子
回	年	48kg級	52kg級	56kg級	61kg級	66kg級	66kg超級
3	1980年	高橋瑞枝	山口香	星野佐代子	笹原美智子	福田洋美	佐藤広世
4	1981年	林浪子		西條美智子		竪石(福田)洋美	川村順子
5	1982年	中原ひとみ		岡井富喜子	八戸かおり		鈴木洋子
6	1983年	橋本真由美		渡部五月		神取しのぶ	大村嘉奈
回	年	48kg級	52kg級	56kg級	61kg級	66kg級	72kg級	72kg超級
7	1984年	樫本共加	山口香	渡部五月	八戸かおり	神取しのぶ	黒川琴美	松本宣子
8	1985年			中西（西條）美智子			佐々木光	坂上洋子
9	1986年	江崎史子		加古智美	藤本涼子	佐々木光	田辺陽子	松本宣子
10	1987年			泉香澄	持田典子			坂上洋子
11	1988年		溝口紀子	阿武美和		阿部由記子
12	1989年				小林貴子	藤本涼子
13	1990年		植田睦	小竹尚子				鈴木香
14	1991年	田村亮子		立野千代里		関口佐智子
15	1992年		溝口紀子			佐々木光		坂上洋子
16	1993年		鈴木若葉		北爪弘子	藤本涼子	松尾徳子	阿武教子
17	1994年		武田淳子	菅原教子	恵本裕子	大石愛子	福場由里子
18	1995年		藪下めぐみ	溝口紀子		石橋千里
19	1996年		菅原教子		中橋治美	一見理沙	田辺陽子
20	1997年		永井和恵	立野千代里	小笠原守美	木本奈美	阿武教子	二宮美穂
回	年	48kg以下級	52kg以下級	57kg以下級	63kg以下級	70kg以下級	78kg以下級	78kg超級
21	1998年	田村亮子	永井和恵	日下部基栄	一見理沙	天尾美貴	阿武教子	二宮美穂
22	1999年			武田淳子	前田桂子
23	2000年		楢崎(菅原)教子	日下部基栄				山下まゆみ
24	2001年		横澤由貴		谷本歩実	上野雅恵		薪谷翠
25	2002年	真壁友枝	佐藤愛子		上野順恵	風戸晴子
26	2003年	谷(田村)亮子	宝真由美	茂木仙子		上野雅恵		塚田真希
27	2004年		横澤由貴	岩藤理恵	谷本歩実	山下亜希
28	2005年		君島奈津子	宮本樹理	上野順恵	上野雅恵	中澤さえ
29	2006年	山岸絵美	宝寿栄	岩藤理恵	谷本歩実
30	2007年	福見友子	西田優香	徳久瞳		國原頼子
31	2008年	山岸絵美	中村美里	松本薫	上野順恵	岡明日香	穴井さやか
32	2009年	福見友子	西田優香			渡邉美奈	岡村智美	杉本美香
33	2010年		中村美里	宇高菜絵		國原頼子
34	2011年	山岸絵美		松本薫	阿部香菜		池田ひとみ
35	2012年	福見友子		宇高菜絵	上野順恵	田知本遥	緒方亜香里
36	2013年	浅見八瑠奈	橋本優貴	平井希	阿部香菜	ヌンイラ華蓮	佐藤瑠香	白石のどか
37	2014年	近藤亜美	西田優香	宇高菜絵	大住有加			山部佳苗
38	2015年	浅見八瑠奈	中村美里	松本薫	田代未来	田知本遥	濵田尚里	田知本愛
39	2016年	近藤亜美		芳田司	能智亜衣美		佐藤瑠香	山部佳苗
40	2017年		志々目愛	宇高菜絵	津金恵	新井千鶴	梅木真美	素根輝
41	2018年	山崎珠美	角田夏実	玉置桃	能智亜衣美	大野陽子	高山莉加
42	2019年	古賀若菜		芳田司	田代未来		濵田尚里
43	2020年	立川莉奈	武田亮子	柴田理帆	堀川(津金)恵	寺田宇多菜	高山莉加	冨田若春
44	2021年	角田夏実	坪根菜々子	舟久保遥香	鍋倉那美	新添左季
45	2022年	渡名喜風南	白石響		堀川恵	田中志歩	濵田尚里
46	2023年	荒川朋花		髙野綺海	立川桃	桑形萌花	高山莉加
47	2024年	古賀若菜		玉置桃	青野南美	田中志歩	濵田尚里
48	2025年		阿部詩		谷岡成美	該当者なし	泉真生	高橋瑠璃

開催地

• 講道館（1978年-1981年、1984年-1988年）
• 早稲田大学記念会堂（1982年、1983年）
• 代々木第二体育館（1989年-1999年）
• 横浜文化体育館（2000年-2006年）
• 福岡国際センター（2007年-）