阪神鳴尾浜球場
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阪神鳴尾浜球場(はんしんなるおはまきゅうじょう)は、兵庫県西宮市鳴尾浜にある野球場。
プロ野球・阪神タイガース二軍(ウエスタン・リーグ所属)の本拠地球場及び練習場となっており、同球団が運営管理を行っている。鳴尾浜臨海公園野球場に隣接する。愛称は「タイガース・デン(Tigers Den)」[注 1]。
フィールドは両翼96m、中堅120mと、阪神一軍の本拠地である阪神甲子園球場とほぼ同じ。スコアボードは磁気反転式で、2014年にボールカウントの上にスピードガン表示が設置された[1]。
スタンドは500人収容で、両内野およびバックネット裏にて観戦可能。ウ・リーグ公式戦や教育リーグなどの試合で開放され、入場料は無料である。
スタンドに屋根はないため、特に炎天下は蒸し暑くなるため熱中症などに注意が必要である。また、周辺は住宅地であることなどから鳴り物を使った応援は禁止で、禁煙・禁酒でもある。なお、スタンドに入ったファウルボールは原則として回収される。
ネット裏スタンドが満員となった際は、入場制限や外野芝生席の開放が行われる場合もある[注 2](5回終了時点で帰路につく観客がいた場合には、入場制限が途中で解除されることもある)。
室内練習場など阪神の選手が使用する周辺施設が左翼場外に位置していることから、ホームチームの阪神は3塁側ダッグアウトを使用する。
甲子園での高校野球(春の選抜・夏の選手権)開催期間中は、大会出場校が練習会場として使用することもある。また、2021年に創設された女子クラブチームの阪神タイガース Womenも練習場として度々使用している。
阪神タイガースの二軍は、親会社の阪神電気鉄道が運営してきた阪神国道線の廃止(1975年)を機に、兵庫県尼崎市の浜田車庫跡地(阪神バス浜田車庫との隣接地)に阪神浜田球場を建設。1979年のシーズンから本拠地及び練習場として使用していたが、年月を経るにつれて施設の老朽化が進んだ上に、特に1990年代に入ってからはグラウンドの狭さが目立つようになったため、球団では長期的な戦力強化の一環として、二軍の育成に向けた新しい施設の建設を決めた。
1994年10月7日、現在地に球場が竣工[3]。甲子園球場東側の西宮市甲子園七番町に所在していた合宿所「虎風荘」[注 3]も、周辺施設として当球場の隣接地に移転した。もっとも、埋立地の上に建設したことから、1995年1月17日発災のに阪神・淡路大震災では敷地内の随所(グラウンド内など)で液状化現象が発生。復旧に時間を要した。
運用を開始した当初は、「虎風荘」などを含む二軍施設に「タイガーデン」(Tiger Den、虎の穴)という総称を用いていた。2003年に「タイガーデン」がタイガー魔法瓶の商標であったことが判明したことに伴い、「タイガース・デン(Tigers Den)」に改称した。
開場当時は最新鋭の設備を誇ったが[4]、運用を続けるにつれて老朽化が進んだほか、観客席はネット裏のみで収容人数はわずか500人、室内練習場も手狭でバッティングマシンとバッティングケージを2台ずつしか設置できないなど様々な問題が出始めたこと、加えて敷地の西側が兵庫県立総合体育館と隣接していることや、南東側に阪神高速5号湾岸線の高架橋が通っていることもあって、球場を含む施設の拡張が困難な状況にあった。その中で、2016年に掛布雅之が新たに二軍監督に就任したことを背景に、二軍公式戦において鳴尾浜球場の収容定員を超える観客動員を記録する試合が増加。このような事情から、球団は二軍施設全体の再移転を検討することとなった[5][6]。特に2024年は前年度に一軍が優勝したこともあり、入場の際には事前に配布した整理券を持たないと入場できないようになった。
神戸総合運動公園野球場などが候補地に挙がる中[6][7]、2020年10月2日に尼崎市小田南公園が有力候補となっていることが明らかになり[8][9]、翌2021年5月21日には阪神電気鉄道、阪神タイガース、尼崎市の三者間で小田南公園整備事業に関する基本協定を締結[10][11][12]。尼崎市議会の議決を経て、12月21日に2025年を目処とした小田南公園(日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎)への移転が正式に発表された[13]。これに伴い、鳴尾浜球場は2024年シーズンをもって阪神二軍本拠地としての使用を終了する。
跡地について阪急阪神ホールディングスと協議し土地を同HDに返還することが決まったため、2025年1月の新人合同自主トレなどで使用し、施設完全移転の3月以降に閉鎖し宿舎なども含めて全て解体する。同HDによると、阪神高速5号湾岸線鳴尾浜出入口は大阪側のみのハーフICではあるが、周辺地域も含め立地の良さ等の利点から大型物流施設を建設する予定だという[14]。
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