Loading AI tools
ウナギ目ハモ科に分類される魚の一種 ウィキペディアから
ハモ(鱧、Muraenesox cinereus )は、ウナギ目・ハモ科に分類される魚の一種。
ハモ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ハモ | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Muraenesox cinereus (Forsskål, 1775) | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ハモ(鱧) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Dagger-tooth pike conger Conger pike |
沿岸部に生息する大型肉食魚で、京料理に欠かせない食材として扱われる。生鮮魚介類として流通する際には近縁種のスズハモ M. bagio (Hamilton, 1822) も一般に「ハモ」と称されており区別されていない[1]。
名前の由来には、食む(はむ)に由来するとみる説、「歯持ち」に由来するとみる説、中国語の「海鰻」(ハイマン)に由来するとみる説、マムシに姿が似ていたことから蝮(ハミ)に由来するとみる説、食感が「はもはも」しているから、という説、口を張ってもがくことに由来するとみる説など諸説ある[2]。中国語由来説については、中国では海鰻と称して食されているものの可能性が低いとする説もある。
地方名にハム(広島県)、スズ(徳島県)、バッタモ(京都府丹後地方)、ウニハモ(福井県)、カマスアナゴ(長崎県)など。
北海道・東北地域ではアナゴ類もしくはマアナゴのことをハモあるいはハモの古語であるハムと呼ぶ地域が広域に存在する[3][4]。
ウナギ目の他の魚同様、血液に有毒なイクシオトキシンを含むが、加熱によりそれを失活させて食べることができる。消費地域には偏りがある。
日本列島ではハモは縄文時代から利用されている[7]。京都市中京区の本多甲斐守京邸からは多数の動物遺体が出土し、ハモの前頭骨が出土している。この前頭骨は正中方向に切断されており、椀物に用いる出汁を引くために切断されたものと考えられている[7]。また、別の前頭骨には刃物による横方向の切痕が残り、目打ちで頭部を固定した際に暴れまわるハモの頭部を包丁で叩いた傷と考えられている[7]。また、現在のハモ調理では行われないが、歯骨からは包丁で危険な歯を取り除いた傷も見られる[7]。
ウナギ目やニシン目は骨格が複雑な魚が多く、脊椎骨(背骨)から肋骨以外に、上椎体骨・上神経骨、上肋骨(いわゆる血合い骨)などと呼ばれる肉間骨がいくつも体側筋の内部へ放射状に伸びている。これらがいわゆる魚の小骨と呼ばれるもので、ハモはこの小骨が多い上に硬く、調理の際には極めて稀な料理人が行う「骨取り」以外は一般的に「骨切り」という特殊処理が必要である。これは腹側から開いたハモの身に、皮を切らないように細かい切りこみを入れて小骨を切断する技法で、下手にこれをやると身が細かく潰れてミンチ状になってしまい、味、食感ともに落ちてしまうため熟練が必要で、はも切り包丁と呼ばれる、専用の包丁がある。京料理の板前の腕の見せ所であり「はもの骨切り 手並みのほどを見届けん」の句がある。「一寸(約3cm)につき26筋」包丁の刃を入れられるようになれば一人前といわれる。骨切りの技術により京都ではハモの消費が飛躍的に増えたが、関西圏以外では骨切りができる調理師も少なく、ウナギやアナゴに比べ需要及び知名度が低い。
比較的臭みが強い上、ウナギ同様に加熱しない状態では血液に毒性があるため刺身など生では食べられず、必ず加熱処理する。骨切りを施したハモを熱湯に通すと反り返って白い花のように開く。これを湯引きハモ(鱧ちりと呼ぶこともある)または牡丹ハモといい、そのまま梅肉やからし酢味噌を添えて食べるほか、吸い物、土瓶蒸し、鱧寿司、天ぷら、鱧の蒲焼や唐揚げなどさまざまな料理に用いられる。また、骨切りしたハモと玉ねぎを醤油ベースの割下で煮た「鱧すき」という鍋料理もある。またハモの身は上質なカマボコの原料に使われる。その際残った皮を湯引きして細かく切ったものは、キュウリとあえて「鱧キュウ」という酢の物にも利用される。漁船の生簀に入れると互いに噛みあって殺し合うため、市場に生きたまま運ぶのが難しい魚であるが、生きたハモを捌かないと湯引きがきれいに開かないといい、活きたハモは珍重され高値で取引される。
おもに底引き網と延縄で漁獲される。釣りで揚がることもあるが、咬みつかれる危険がある上に調理に技能が必要(前述)なため、ハモを狙って釣る人は少ない。
2014年の上場水揚量[8]
ハモ科 (Muraenesocidae) の魚は全世界の熱帯・温帯から5属・8種ほどが知られる。ウナギ目魚類の中では比較的吻が長いことやひれが発達することなどが特徴である。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.