香川県立アリーナ

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香川県立アリーナ(かがわけんりつアリーナ)は、香川県高松市サンポートにある屋内競技場。2024年(令和6年)11月29日に竣工式が行われ[1]2025年(令和7年)2月24日にオープンした[2]

概要 香川県立アリーナ, 施設情報 ...
香川県立アリーナ
施設情報
愛称 あなぶきアリーナ香川
設計者 SANAA
施工 大林組・合田工務店・菅組三社特定JV(建築)
四電工・三和電業JV(電気)
三宅産業・織田設備JV(給排水)
三建設備工業・三喜工事・雉鳥工業JV(空調)
建築主 香川県
構造形式 鉄骨造、鉄筋コンクリート造/杭基礎
建築面積 18,950 m2
延床面積 31,212.5 m2
階数 地上2階、地下1階
高さ 27.7m
所在地 760-0019
香川県高松市サンポート
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位置 北緯34度21分14秒 東経134度2分46秒
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1964年(昭和39年)に完成した旧香川県立体育館は和船のような形状から「船の体育館」として知られたが老朽化により2014年に閉館した[3]サンポートの施設は新県立体育館と位置づけられるが[1]、新しい施設の名称は香川県立アリーナという名称となった[注釈 1]

香川県立アリーナは穴吹興産命名権を取得し「あなぶきアリーナ香川」という愛称となる[1][6]

本項では旧香川県立体育館(高松市福岡町)についても述べる。

沿革

2016年12月12日、老朽化した旧県立体育館に代わる施設として、サンポート高松への新築移転が決定。予定地はサンポート高松で遊休地となっていたA1・A2・B1街区(西より)で、それぞれそこにあった暫定施設のスポーツレクリエーション広場・大型テント広場・アート広場は解体・整地の上、その間の区画道路(市道港頭中央2号線(歩行者専用道路)の全線、市道港頭東1号線の一部、いずれも都市計画道路)も撤去することにより一体の敷地として整備。着手時の土地所有者はA1街区が高松市土地開発公社、区画道路が高松市道、その他が香川県であるが、県有施設の新築工事でありながら、高松市がそれら土地の無償提供および周囲の基盤整備を協力することにより、円滑な開発が進むとしている[7]

2018年2月6日、香川県は基本・実施設計業務について公募型プロポーザル方式により業務の受託者を選定すると公示し、2018年11月14日に次点の日建設計に競り勝つ形でSANAAを最優秀者に選定[8]。施工会社については、一般競争入札により2021年12月17日に建築工事が決定し、大林組四国支店、合田工務店、菅組の3社による特定建設工事共同企業体で、落札価格は約125億2800万円[9]。2022年1月18日には設備工事が決定し、空調が19億9484万円で三建設備工業・三喜工事・雉鳥工業JV、電気が18億5387万円で四電工・三和電業JV、給排水衛生が7億9486万円で三宅産業・織田設備JVに決まった。工期はいずれも2024年11月29日である[10]

施設

施設は東からメインアリーナ、サブアリーナ、武道施設兼多目的ルームの3つから成り、それぞれを高さを低く抑えた1枚の大きな屋根で繋いでいる。スポーツ大会から、アリーナツアー、見本市イベントまで幅広い利用を想定しており、特にメインアリーナ規模は中四国最大規模である。

  • メインアリーナ:5024席
  • サブアリーナ:1002席
  • 武道施設兼多目的ルーム:327席
  • 東駐車場:68台
  • 西駐車場:32台
  • 自転車・自動二輪車駐輪場:565台

旧香川県立体育館

要約
視点
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旧香川県立体育館
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施設情報
収容人数 1300席
設計者 丹下健三+都市・建築設計研究所(建築)
集団製作建築事務所(建築)
岡本剛構造設計事務所(構造)
建築設備設計研究所(設備)
施工 清水建設(建築)
近畿電気工事(電気)
斉久工業(機械)
構造形式 鉄筋コンクリート造
高張力によるサスペンション構造
敷地面積 6,640 m2
建築面積 1,512 m2
延床面積 4,707 m2
階数 地上3階一部半地下
高さ 19.89m
着工 1962年10月
竣工 1964年8月10日
総工費 2億1550万円
所在地 香川県高松市福岡町二丁目18番26号
位置 北緯34度20分42.6秒 東経134度3分49.4秒
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旧香川県立体育館は、2014年まで高松市福岡町二丁目で供用していた屋内競技場。その斬新な形状から「船の体育館」として広く認知されていたが、老朽化により閉鎖されている[11]。閉鎖時点で指定管理者として四電工とシンコースポーツグループが管理・運営していた。

歴史

旧県立体育館は丹下健三が設計し、1964年(昭和39年)8月10日に竣工した。丹下の設計による国立代々木競技場の原型作とされている[12]。競技場はスタンド席1300席を収容。主に香川県民のスポーツ団体、大会などに利用され、トレーニングルームは3種類ある上に、使用料金が安価に設定されていた。家具は剣持勇デザイン研究所。1966年にBCS賞を受賞している。

2002年10月10日には全日本プロレスの興行が行われた[13]

2012年7月、耐震改修のための調査を行っていた際、競技場の天井が落下する恐れがあることが判明したため同年7月11日より競技場は使用中止となった。1階のトレーニングルームは従来通り利用が継続された[14]。しかしその後、3度行われた耐震改修工事の入札がいずれも入札不調となったため、耐震改修は見送られることが決定した。これに伴い、当館は2014年9月末をもって閉館し[15]、倉庫として利用された。

当初、香川県教育委員会は、体育館の今後について、新しい県立体育館が開館する予定の2024年以降に民間へ売却することを含めて検討していた[16]

閉館発表後に建築士などの有志による「香川県立体育館保存の会」が発足した[17]

2017年10月16日アメリカワールド・モニュメント財団から2018年版の危機遺産リスト(2018 World Monuments Watch)に登録された[18][19]

2021年4月、香川県教育委員会は対話と通じて、民間業者の委託や提案を把握する「サウンディング型市場調査」を行うことにした[20]

しかし、防災面で放置できないとして、香川県教育委員会は解体を決定し、2023年度当初予算案に解体準備事業費として4686万1千円が計上された[12]2023年3月、「一般社団法人 船の体育館再生の会」は香川県に対し、建物を保存するよう求める署名5557筆を提出した[21]。これに対し、香川県は解体の方針を変更することはないと表明した[22]

香川県教育委員会の教育長は2024年6月の香川県議会で議員の質問に対し、解体費用は約10億円で作業期間は20か月を見込み、作業と並行して3D測量や動画によって記録を残すと答弁した[23]

施設

アクセス

近隣施設

注釈

  1. 2014年(平成26年)に香川県スポーツ施設条例から「香川県立体育館」の名称は削除されており(平成26年香川県条例第47号「香川県スポーツ施設条例の一部を改正する条例」)[4]、2022年(令和4年)に新たに香川県立アリーナ条例が制定されている(令和4年香川県条例第26号「香川県立アリーナ条例」)[5]

脚注

外部リンク

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