霧ヶ峰
長野県にある火山 ウィキペディアから
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霧ヶ峰(きりがみね)は、長野県中部の茅野市、諏訪市、諏訪郡下諏訪町にまたがる火山[2]。八ヶ岳中信高原国定公園内にある[2]。
霧ヶ峰の火山活動は八ヶ岳連峰とほぼ同時期の約140万年前からで、現在のような地形になったのは約30万年前である[2]。最高峰は1,925 mの車山。車山山頂は気象レーダー観測所があり、360度の展望が素晴らしい。霧の発生が多いことで知られており、1963年(昭和38年)には年間293日霧を観測した[2]。
霧ヶ峰は車山を中心にその外輪山と白樺湖、ガボッチョ、強清水、和田峠などに囲まれた台地で、八ヶ岳中信高原国定公園内にあり面積は約3000ヘクタールである[2]。霧ヶ峰には、国の天然記念物に指定されている標高1,630 mの八島ヶ原湿原や踊場湿原、車山湿原がある[3]。
山地帯夏緑樹林と亜高山帯針葉樹林の境界付近に存在する。5月下旬には、コバイケイソウ、6月中旬にはレンゲツツジ、7月中旬にはニッコウキスゲといった植物が見頃を迎える。特に、ニッコウキスゲは、「ニッコウキスゲの道」と呼ばれる遊歩道が整備されている程である。
霧ヶ峰の植生は草原、湿原、樹叢に分けることができる[2]。
霧ヶ峰の草原は採草地にするために形成された二次草原である[2]。古来、カヤ類が刈り取られ利用されてきたため、山頂部は草原となっている。
以上3か所の湿原植物群落は1939年に国の天然記念物に指定。1960年に以上3件を統合し、「霧ヶ峰湿原植物群落」の名称であらためて天然記念物に指定されている。
岩場の多い霧ヶ峰で森林が残されている場所を樹叢といい、植物種を豊かにするとともに動物の生息の場になっている[2]。
なお、霧ヶ峰特有の植物の個体群、「キリガミネ」が名に付く植物が6種ある[2]。
霧ヶ峰には約40種の哺乳類、39種の鳥類が確認されている[2]。ニホンジカの増加による花芽や樹皮の食害が懸念されている[2]。
黒曜石産地であり付近には旧石器時代から縄文時代にかけての遺跡(八島遺跡群、ジャッコッパラ遺跡群など)が存在する[5]。
中世になると、御射山(みさやま)の祭りが催され、武士達が狩りや弓矢等の腕比べをしていた(流鏑馬)。現在も旧御射山遺跡として、祭りの時に利用されたと推定される祭壇が神社を囲むように三方の丘の中腹に残っている。野焼きが行われるようになり、草原化していくのもこの頃である。
近世、明治時代になると、美しい花の咲く景勝地として知られはじめる。諏訪出身の歌人である島木赤彦は、「霧ヶ峰登りつくせば眼の前に草野ひらけて花咲きつづく」などの歌を残している。
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霧ヶ峰は藤原咲平らの尽力で日本グライダー発祥の地[6]といわれ、土日休日を始め、グライダーが飛行している。滑走路付近には、グライダーふれあい館[7]があり、機体の展示等を行っている。歴史は古く、大正時代からグライダーの飛行は行われていた。戦後、グライダーに関する全ては破棄されたが、1952年(昭和27年)に再開され、現在も盛んにグライダーの飛行が行われている。
霧ヶ峰では団体客が集中しており、マイカーによる渋滞、観光客の移動によって持ち込まれた外来種の拡大などが問題になっている[2]。
霧ケ峰高原のドライブイン「霧の駅」が約40年にわたって営業していたが、老朽化により2022年5月31日で営業を終了することになった[8]。
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