阿波しらさぎ大橋
徳島市にある橋 ウィキペディアから
徳島市にある橋 ウィキペディアから
阿波しらさぎ大橋(あわしらさぎおおはし)は、吉野川の河口から約1.8 km上流にかかる橋梁。徳島県徳島市住吉六丁目(右岸)と徳島市川内町鶴島(左岸)とを結び、東環状線整備計画の要となっており、徳島県道29号徳島環状線が通る。橋長1,291 mは、河川に架かる道路橋としては架設当時四国最長[注釈 1][1]。
計画時より長い間東環状大橋と呼ばれていたが完成直前に名称を公募し、2012年(平成24年)2月13日に正式名称を「阿波しらさぎ大橋」と決定した後[2]、4月25日に開通。都市計画道路徳島東環状線「阿波しらさぎ大橋」建設事業として、平成23年度全建賞を受賞[3]。また、公益社団法人土木学会より2012年(平成24年)度の土木学会田中賞(作品部門)も受賞した[4]。
当該橋梁は、徳島市中心部の慢性的な渋滞を緩和する目的で建設が進められた。しかし建設地の右岸側には、絶滅危惧種(シオマネキなど)が生息する吉野川河口干潟があることから、建設の是非をめぐっては「渋滞の解消(大気汚染の改善)」と「干潟の保護」のどちらを優先すべきか徳島市民の間で賛否が分かれた。
当初は水底トンネルによって干潟を回避する案も検討されたが、かさむ建設費や付近を走るメジアンライン等の問題があったため、最終的には橋梁案が採用された。この計画には、干潟を守るためのさまざまな工夫が盛り込まれている。
橋梁の建設予定地のすぐ下流にも干潟があるため、2001年の計画策定時点から、環境保護団体や住民団体による反対運動が継続している。工事着工以前には、計画を中断し、環境への影響を策定することを要望する意見が見られた[9]ものの、工事着工後の運動は下火となっている。
かわって、東環状大橋より下流に四国横断自動車道の延長に伴う吉野川大橋の建設が計画されており、東環状大橋を利用するなどの建設ルートの見直しの要望がなされていた[10]。
自然保護の働きかけの成果として、県の環境影響評価条例の対象ではなかったものの、異例の長期調査が実施された。調査期間は、工事着手前の平成15年度から、開通後2年間を含む平成25年度までである。また、その結果は、吉野川の自然に関する貴重なデータであり、環境学習や環境保全活動などの場で活用されることにより、県民の自然環境保全への意識向上につながることを期待し、徳島県によって「阿波しらさぎ大橋環境モニタリング調査結果のGISデータの公開」として公開されている。
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