筑紫山地
日本の山地 ウィキペディアから
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筑紫山地(つくしさんち[1])は、おもに福岡県、佐賀県、長崎県にまたがって北東から南西方向に走る山地。地形的には準平原化が進んだ後に隆起浸食を受けており、高くても1,000m前後のなだらかな地形である[2]。
筑紫野市に始まり、伊万里市・佐世保市に至る西側で複数山列に分かれる背振・天山の山系は「西海(東シナ海)に『尽きる』」という意味から、佐賀県域では「つくし」山地と呼ばれる。なお、佐賀県東部から中部はそれらをエリアで分けた「脊振山地・脊振山系」「天山山系」という呼び名で通っており、海に至る西部(伊万里市・佐世保市)の方は「筑紫山地」という呼び方をよく好まれる。
筑紫山地は地体構造上、西南日本内帯に位置し、中国山地の延長上にある。中国山地が連続した山地であるのに対し、この山地は筑豊盆地、福岡平野、筑紫平野などにより地塊に分断されている。
などの総称である。これらの山地の多くは断層山地と考えられているが、まだ確認はされていない。地質は大部分が中生層、古生層、花崗岩類であるが、肥前山地では第三紀層上の厚さ約300メートルの玄武岩が台地を形成している。標高は大部分が1,000メートル前後であるが、東の企救山地は最高598メートル(足立山)、西の肥前山地は最高777メートル(国見山)である。企救山地から脊振山地にかけては標高約1,000メートル、500メートル、300メートルの3段の浸食平坦面が形成されており、3回の間欠的な土地隆起があったことを示している。肥前山地の玄武岩溶岩の基底面は第三紀層を切る浸食平たん面であり、その高度は東で最も高く標高400メートルを超えるが西では海面の高さまでくだる。玄武岩溶岩の厚さがほぼ一定しているために山地全体が西に傾いている。南の耳納山地は北に直線的で急な斜面を、南には緩やかな斜面をもっているため、形態的には典型的な傾動地塊となっている。
各山塊の周囲にはしばしば第三紀層の夾炭層が堆積しており、かつては筑豊炭田、糟屋炭田、唐津炭田、北松炭田を形成していた。また貫山地には山口県の秋吉台に続く石灰岩が分布し、典型的なカルスト台地である平尾台が位置しており、その周辺では香春岳などに多数のセメント工場が立地している。
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