王座戦(おうざせん)は、日本経済新聞社及び日本棋院関西棋院主催の囲碁棋戦で、七大タイトルのひとつ。挑戦手合の勝者は王座のタイトル称号を得る。

概要 王座戦, 概要 ...
王座戦
公式戦(七大タイトル)
概要
主催 日本経済新聞社日本棋院関西棋院
優勝賞金 1400万円
挑戦手合 五番勝負
棋戦形式 16名による本戦トーナメントで挑戦者決定
持ち時間 3時間
秒読み 5分前より
創設年 1952年
開催時期 挑戦手合: 10-12月
本戦: 5-9月
公式サイト 日本経済新聞 囲碁・将棋
日本棋院 王座戦
記録
現王座 井山裕太(第72期)
名誉称号 加藤正夫(名誉王座)
井山裕太(名誉王座資格)
最多優勝 加藤正夫(11期)
最長連覇 加藤正夫(8連覇)
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概要

1953年創設。囲碁のタイトル戦としては、本因坊戦に次ぐ長い伝統がある。トーナメント戦による勝者がタイトル保持者と挑戦手合を行い、優勝者を決める。当初はトーナメント制を採り、第1期は決勝一番勝負、第2-15期は決勝三番勝負。またいち早く5目半コミ出しを取り入れた。第16期より挑戦手合制を導入し、第31期までは三番勝負、第32期以降は五番勝負へと変更された。また2006年から国際戦の基準に合わせ、持ち時間3時間制を導入した。

前身として1952年に行われた全本因坊・全八段戦がある[1]。1953年に、同年に同じ日本経済新聞で開始された将棋王座戦とともに、加藤治郎考案の出場棋士横一線のトーナメントとして、花村元司命名の「王座戦」と同名で開始された[2]

2014年の第62期より契約金などから、天元戦と入れ替わって、タイトルの序列が5位から4位に変更となった[3]。また2023年以降は序列が3位に変更となる。

名誉王座

王座を5連覇、または通算10期以上獲得した棋士は、60歳以降に「名誉王座」を名乗る権利を得る。

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棋士 通算 連覇
1 加藤正夫 11期 8連覇 1979-1980、1982-1989、1993
2 井山裕太 10期 4連覇
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昇段規定

  • 六段以下の棋士が、王座挑戦権を獲得した場合、七段に昇段する。
  • 七段の棋士が王座位を獲得した場合、八段に昇段する。
  • 八段で、他のタイトルを1期獲得している棋士が王座を獲得した場合、九段に昇段する。

2014年に、村川大介がこの規定により八段昇段を果たしている。

歴代王座

氏名太字は現王座。

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棋士 生年 初奪年 通算 連覇
1 橋本宇太郎 (1907-02-27) 1907年2月27日 1953 3期 2連
2 高川格 (1915-09-21) 1915年9月21日 1954 1期
3 島村利博 (1912-04-18) 1912年4月18日 1957 1期
4 藤沢朋斎 (1919-03-09) 1919年3月9日 1958 1期
5 橋本昌二 (1935-04-18) 1935年4月18日 1959 2期
6 半田道玄 (1915-10-25) 1915年10月25日 1960 2期
7 坂田栄男 (1920-02-15) 1920年2月15日 1961 7期 3連
8 宮下秀洋 (1913-12-20) 1913年12月20日 1962 1期
9 藤沢秀行 (1925-06-14) 1925年6月14日 1967 5期 3連
10 林海峰 (1942-05-06) 1942年5月6日(82歳) 1973 1期
11 石田芳夫 (1948-08-15) 1948年8月15日(76歳) 1974 2期
12 大竹英雄 (1942-05-12) 1942年5月12日(82歳) 1975 1期
13 趙治勲 (1956-06-20) 1956年6月20日(68歳) 1976 3期
14 工藤紀夫 (1940-08-02) 1940年8月2日(84歳) 1977 1期
15 加藤正夫 (1947-03-15) 1947年3月15日 1977 11期 8連
16 羽根泰正 (1944-06-25) 1944年6月25日(80歳) 1990 1期
17 王立誠 (1958-11-07) 1958年11月7日(66歳) 1995 4期 3連
18 柳時熏 (1971-12-08) 1971年12月8日(52歳) 1996 1期
19 山田規三生 (1972-09-09) 1972年9月9日(52歳) 1997 1期
20 王銘琬 (1961-11-22) 1961年11月22日(63歳) 2002 1期
21 張栩 (1980-01-20) 1980年1月20日(44歳) 2003 7期 4連
22 山下敬吾 (1978-09-06) 1978年9月6日(46歳) 2006 2期 2連
23 井山裕太 (1989-05-24) 1989年5月24日(35歳) 2012 10期 4連
24 村川大介 (1990-12-14) 1990年12月14日(33歳) 2014 1期
25 芝野虎丸 (1999-11-09) 1999年11月9日(25歳) 2019 2期 2連
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歴代決勝戦・挑戦手合

左が勝者。1-15期は決勝三番勝負、16期以降は前年優勝者との挑戦手合。○●は勝者から見た勝敗。網掛けはタイトル保持者、もしくは前年優勝者。

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開催年優勝者勝敗準優勝
1 1953橋本宇太郎1-0前田陳爾
2 1954高川格2-1宮下秀洋
3 1955橋本宇太郎2-1島村利博
4 1956橋本宇太郎2-0坂田栄男
5 1957島村利博2-0半田道玄
6 1958藤沢朋斎2-0半田道玄
7 1959橋本昌二2-0山部俊郎
8 1960半田道玄2-0宮下秀洋
9 1961坂田栄男2-1高川格
10 1962宮下秀洋2-0加田克司
11 1963坂田栄男2-0藤沢朋斎
12 1964坂田栄男2-0梶原武雄
13 1965半田道玄2-0大窪一玄
14 1966坂田栄男2-1林海峰
15 1967藤沢秀行2-0橋本昌二
16 1968藤沢秀行2-0坂田栄男
17 1969藤沢秀行2-0大竹英雄
18 1970坂田栄男2-0藤沢秀行
19 1971坂田栄男2-0橋本昌二
20 1972坂田栄男2-1橋本宇太郎
21 1973林海峰2-1坂田栄男
22 1974石田芳夫2-1林海峰
23 1975大竹英雄2-0石田芳夫
24 1976趙治勲2-1大竹英雄
25 1977工藤紀夫2-0趙治勲
26 1978石田芳夫2-1工藤紀夫
27 1979加藤正夫2-0石田芳夫
28 1980加藤正夫2-0石田芳夫
29 1981橋本昌二2-1加藤正夫
30 1982加藤正夫2-0橋本昌二
31 1983加藤正夫2-0大竹英雄
32 1984加藤正夫3-0山城宏
33 1985加藤正夫3-0小林光一
34 1986加藤正夫3-1林海峰
35 1987加藤正夫3-1趙治勲
36 1988加藤正夫3-0武宮正樹
37 1989加藤正夫3-1羽根泰正
38 1990羽根泰正3-2加藤正夫
39 1991藤沢秀行3-1羽根泰正
40 1992藤沢秀行3-2小林光一
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開催年優勝者勝敗準優勝
41 1993加藤正夫3-0藤沢秀行
42 1994趙治勲3-2加藤正夫
43 1995王立誠3○○○0趙治勲
44 1996柳時熏3○○○0王立誠
45 1997山田規三生3○●○○1柳時熏
46 1998王立誠3○○○0山田規三生
47 1999王立誠3●○○○1趙治勲
48 2000王立誠3●○○○1趙治勲
49 2001趙治勲3○○○0王立誠
50 2002王銘琬3●○○●○2趙治勲
51 2003張栩3●○○○1王銘琬
52 2004張栩3○○●○1山下敬吾
53 2005張栩3○○○0山下敬吾
54 2006山下敬吾3●○○○1張栩
55 2007山下敬吾3○●○○1今村俊也
56 2008張栩3○○●○1山下敬吾
57 2009張栩3○○○0山田規三生
58 2010張栩3○○○0山田規三生
59 2011張栩3○○○0羽根直樹
60 2012井山裕太3○○○0張栩
61 2013井山裕太3○○●○1張栩
62 2014村川大介3●○●○○2井山裕太
63 2015井山裕太3○○○0村川大介
64 2016井山裕太3○○○0余正麒
65 2017井山裕太3○○○0一力遼
66 2018井山裕太3●○○●○2一力遼
67 2019芝野虎丸3○○●○1井山裕太
68 2020芝野虎丸3○○●○1許家元
69 2021井山裕太3○●○●○2芝野虎丸
70 2022井山裕太3○○○0余正麒
71 2023井山裕太3○●●○○2余正麒
72 2024井山裕太3●○○○1芝野虎丸
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全本因坊・全八段戦

1952年に日本経済新聞社の大軒順三の提案により、当時の本因坊経験者関山利一橋本宇太郎岩本薫と、八段位雁金準一鈴木為次郎瀬越憲作加藤信木谷實の8名によるトーナメント戦が行われた。コミは4目半、持時間各10時間。

トーナメントは岩本薫が1回戦で関山、2回戦で瀬越に勝ち、決勝三番勝負で木谷を2-1で破って優勝した。

翌1953年に発展解消して、王座戦が創設された。

トーナメント表
準々決勝 準決勝 決勝
                   
       
 加藤信 ×
 木谷實  
 木谷實
   橋本宇太郎 ×  
 雁金準一 ×
 橋本宇太郎  
 木谷實 1
   岩本薫 2
 岩本薫
 関山利一 ×  
 岩本薫
   瀬越憲作 ×  
 瀬越憲作
 鈴木為次郎 ×  

脚注

関連項目

外部リンク

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