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1977年制作の日本の映画作品 ウィキペディアから
『獄門島』(ごくもんとう)は、1977年(昭和52年)8月27日に公開された日本映画。横溝正史作による同名の長編推理小説の映画化作品の一作であり、市川崑監督・石坂浩二主演による金田一耕助シリーズの3作目にあたる。製作は東宝映画、配給は東宝。カラー、スタンダード・サイズ。
本作では、原作で殺害実行経緯の詳細が明らかにならない実行犯2名を軽微な従犯に変え、一方で原作では特に個性的には描かれていない勝野の出自や境遇を詳細に設定し、雪枝と月代の殺害実行犯としている。
勝野は病身の母親と巡礼の旅をしていたが、その母親が死亡して1人となり、行き倒れかけたところを了然に助けられて、本鬼頭で下働きをするようになる。成長してから嘉右衛門に手籠めにされたが、表立って妾の立場になることもなく下働きを続けていた。一(ひとし)と早苗の兄妹は与三松の弟(原作では名前が明らかでないが「与四梅(よしうめ)」と設定されている)の子ということになっているが、実は嘉右衛門が勝野に産ませた子であった。一は勝野が隠していた臍の緒を見つけて事実を知っており、出征前に早苗にも伝えていた。月代殺害時に現場を去る勝野の姿を見た早苗は、庇うために凶器の手ぬぐいを回収し、与三松を座敷牢から脱走させている。
花子は撲殺であり、原作のように撲打のあと絞殺したのではない。了然はリューマチの症状のため両手に力を入れて絞殺することができなかった。残り2人はいずれも勝野が絞殺している。勝野は嘉右衛門の遺言を立ち聞きして内容を知っており、千万太がそれを知っていたのは勝野が戦地へ知らせたからである。了然が花子殺害に着手したため、勝野は我が子である一のためと、了然の罪を被って恩義に報いるために、残り2人の殺害を実行した。
雪枝は背の高い草が生い茂っている野原に呼び出して絞殺したのを、了然が見立て殺人の計画通りに処理していた。このとき勝野は警察の聴取が終わった巴と鵜飼を分鬼頭へ送る役目にあたっていたが、実際には邸外まで見送るだけに留めて殺害現場へ向かっていたことが終盤で判明する。トリックに用いた舞台用釣鐘を現場に運搬したのは村長と幸庵である。清水巡査と了然が行方不明の雪枝を分鬼頭へ探しに行くときに振袖が釣鐘から出ていないことを確認し、その帰り道に幸庵が海賊(復員兵)に遭遇格闘して悲鳴をあげたため清水巡査と了然が別行動になり、その間にトリックを実行した。月代の殺害および見立ては勝野が全て実行しており、見立てに用いた萩の造花は芝居小屋跡から持ち出したものである。
金田一が寺で真相を説明したあと、了然は了沢への伝法のため逮捕を猶予するよう懇願し、警部はそれを認める。そこへ一の戦死公報が来たことを知らせに村長が来て、復員詐欺の事実が明らかになる。一方本鬼頭では、親子関係も犯行も早苗に知られていたことを知った勝野が自殺しに行こうとするのを早苗が止めようと争っていた。そこへ金田一が来て寺での様子を話す。昔話を打ち明けて落ち着きを取り戻した勝野が席を外したとき、話しかけるタイミングを失っていた幸庵が現れ戦死公報の件を知らせる。早苗が金田一にすがりついて泣いている間に勝野は抜け出して寺へ行き、了然と共に寺から抜け出して断崖から海へ投身自殺した。
本作では、勝野だけでなくお小夜についても過去の経緯を具体的に映像化している。基本的に原作に準拠しているが、以下のような追加設定や改変がある。
映像の構図などに直接影響する原作からの改変としては、以下を挙げることができる。
登場人物の名前などに関しては以下の設定変更がある。
以下の改変には、ストーリー展開を簡略化する効果がある。
そのほか、原作から以下の変更がなされている。
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