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狭心症(きょうしんしょう、angina pectoris)とは、虚血性心疾患の1つである。心筋へと酸素を供給している冠状動脈に何らかの異常が発生した結果、一過性に心筋の虚血が起こり、胸痛や胸部圧迫感などが現れる。なお、完全に冠動脈が閉塞または著しい狭窄が起こり、心筋が壊死してしまった場合には心筋梗塞と呼ぶ。狭心症は可逆的だが、心筋梗塞は不可逆的である。狭心症を放置した場合に、心筋梗塞に発展する場合が有る。
一般的に狭心症は、心臓の冠状動脈にコレステロールなどによるプラークと呼ばれる固まりが形成され、血液の通り道が狭くなった結果として起こる[3]。誘因としては高血圧、高脂血症、肥満、高尿酸血症、ストレス、性格などが考えられる。
これに対して冠攣縮型(異型)狭心症は、心臓の血管そのものが異常収縮を来たし、内腔が極度に狭くなってしまうために起こる。なお、微小血管狭心症は心臓内の微小血管の狭窄および攣縮によって起きた場合を指し、誘因としては閉経、喫煙などが考えられる。
狭心痛(締め付けられるような痛み、絞扼感や圧迫感)が、狭心症の主症状である。痛みは前胸部が最も多いものの、他の部位にも痛みを感ずる事も有る。例えば、心窩部から頸部や左肩へ向かう放散痛などである。狭心症の発作による痛みは、大体15分以内に消失する。
狭心症の他の症状としては、例えば動悸・不整脈、呼吸困難、頭痛、嘔吐などが挙げられる。
胸の痛み、息切れ、汗、または吐き気に関連する顎の痛みは狭心症や心筋梗塞の症状である場合があるため、緊急の助けを求め、診断のためにすぐに緊急治療室に行く必要がある。これらの症状が出たり消えたりしても、すぐに医師に連絡する必要がある[4]。
など
どの狭心症にも生活習慣の改善として、禁煙、バランスの良い食事を摂ること、ストレスを解消すること、適度な運動をすること、ぬるめの風呂に浸かることなどが挙げられる[3]。
異型狭心症(variant angina), 冠攣縮性狭心症(vasospastic angina; VSA)とも言う[12]。また、夜間や早朝、朝方などの安静時に発作が起こる場合が多いため、安静狭心症(angina inversa)とも呼ばれる。日本人は欧米人に比べて多いとされている[13]。原因となる誘発因子として、心身の疲労・ストレス、喫煙、怒責、寒冷な環境、過換気、女性ホルモン欠乏(更年期など)、飲酒などが挙げられる。副交感神経優位となった時に、冠動脈が攣縮・狭窄するために発生し易く、副交感神経が優位となる早朝(4時~6時)にとりわけ発作が多い。
微小血管狭心症(びしょうけっかんきょうしんしょう microvascular angina)には、次のような対症療法が行われる。
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