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『母さんへ』(かかさんへ)は、2009年に放送されたNHK福岡放送局制作の地域ドラマである。同年12月11日、NHK九州沖縄地域で放送され、翌2010年2月11日に全国放送された。ギャラクシー賞2月度月間賞を受賞した。
福岡県黒木町(2010年2月1日、八女市に編入)を舞台として、小学校教員と山村留学生の少女の交流、及び伝統芸能を守ろうとする人たちを描く。
中心人物は子役を含め本業の俳優が演じたが、それ以外の出演者はすべて地元の住民である。また、メインの舞台となった黒木町立笠原小学校(後の八女市立笠原小学校、2014年廃校)で児童が標準服を着用し、裸足になる伝統(前者は校則によって定められたものだが、後者は児童自身が受け継いできた不文律である)が存在するのも実話と同じである。
福岡県南部、美しい川の流れやどこまでも広がる茶畑に彩られた山間の里、黒木町。その笠原地区に堀川バスの路線バスがやってくる。そのバスから降り立った新人教師の火野ひかりは、笠原小学校に臨時教師として2学期から赴任するため来たのだ。バスから降りた直後、青いワンピースを着て寂しそうに茶畑を見つめる一人の少女を見つける。ひかりは声をかけるがその少女は黙って走り去ってしまう。
始業式の日、ひかりは校長の紹介を受けグラウンドに設けられた壇上に上がるが、その時茶畑で働く神村哲也が浄瑠璃用の人形を持ってやってきた。2学期になると伝統の浄瑠璃の練習があるためだった。
哲也の話を聞きながら、ひかりは児童が皆裸足でいることに気づく。大島先生いわく、校則に定められていない裸足になるという不文律があることを教えられる。なるほどと思ってふと見たとき、一人だけ裸足になっていない少女を見つけた。青いワンピースから標準服に変わっていたとはいえ、明らかに茶畑を見つめていた少女・加藤亜矢であった。
ひかりは6年生のクラスを担当することになった。教室に入った直後、後ろの座席にいる亜矢を見つける。他の児童が明るく振舞っているのに対し、亜矢だけが全く喋らず笑顔を見せないのを不思議に思う。
家庭訪問の結果、亜矢が山村留学生であることがわかる。福岡に住んでいた亜矢は、町に来て数ヶ月経つが、いまだに学校や里親になじめず、心を開こうとしなかったのだ。ひかりは、亜矢が博多で働く母親との間に問題を抱えている事を知る。ひかり自身、あるわだかまりが解けないままに母親を亡くしていた。ひかりは亜矢の笑顔を取り戻すため奔走する。そのうち、笠原小学校の伝統である人形浄瑠璃の公演が迫ってきた。ひかりは、すれ違う母子の愛情を描いたこの人形浄瑠璃に取り組むことで亜矢と母親を救おうとする。
(公式ホームページの記述を基に加筆)
ポスター撮影は笠原地区にある茶畑の中で9月1日に行われた。標準服を着て微笑んだ今田萌と主演の前田亜季が隣り合っており、右側に津川雅彦、左側に人形を持った小澤征悦が映る。
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