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『正塚の婆さん』(しょうづかのばあさん)は、1963年10月25日の19時30分 - 20時56分[注 1]に、朝日放送(ABC)[注 2]幹事の「近鉄金曜劇場」(近畿日本鉄道の一社提供)にて、TBS系列で放送された単発のテレビドラマ。制作はTBS。
意地悪で有名だった老婆・おくにが、検察審査会の委員に選出され、ヤクザによる家屋損壊事件を追究するなかで、日本の民主主義政治の実態に立ち向かう、「法廷もの」に分類される社会派作品。アメリカのテレビドラマ・映画『十二人の怒れる男』をモデルに制作された[1]。全編モノクロVTR収録(ロケーション部分含む)で、実質82分の作品である。第18回芸術祭奨励賞を受賞した。
作・脚本は橋本忍。橋本にとっては、『私は貝になりたい』(1958年)、『いろはにほへと』(1959年)に続く、TBS制作の芸術祭参加ドラマとなった。演出は、当時TBSの若手ディレクターであった大山勝美。音楽は武満徹が担当した[注 3]。劇中では、同年封切のアメリカ映画『大脱走』のメインテーマ曲「大脱走マーチ」が多用されている。
本作品は2インチVTRで保存されており、横浜市の放送ライブラリーで閲覧可能である。また、CS放送のTBSチャンネルでもたびたび再放送されている[1] 。
タイトルの『正塚の婆さん』とは、主に仏教において、三途川へやってきた死者に対し、衣服を剥ぎ取るといわれる奪衣婆のこと。作中では、その存在を主人公の老婆・おくにと重ね合わせている。
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