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240SX(ツーフォーティー・エスエックス)は、日産自動車がかつて販売していたクーペ型の乗用車、シルビア/180SXの北米仕様車である。
北米市場では「200SX」として販売されていたS10型/S110型/S12型シルビアの後継として導入された。車名の「240」は、搭載エンジンの排気量が2,400 ccであることに由来する。
北米でのSXおよびその兄貴分にあたるZは、世代交代の度に車格とスポーティ度を高め、かつて「プアマンズ・ポルシェ」と呼ばれたZはポルシェと同等の高級スポーツカーに発展し、SXは旧来のZと同等の廉価版スポーツカーとみなされるようになった。デビュー当初、特にファストバックモデルはその車名と相まって「240Z(S30型)の再来」と絶賛され、ダットサンで育った年配層など、従来のユーザー層以外からも支持を受けヒット作となった。
なお、従来のSXのポジションであった女性を主なターゲットとしたセクレタリーカーとしては、NXがその座を担うこととなった。
日産では180SXとは別の独立した車種という扱いであるため、240SXの輸出台数は180SXの総生産台数(11万3,500台)に含まれていない。
ボディタイプは2ドアノッチバックと3ドアファストバックの2種類。それぞれ日本におけるS13型シルビア/180SXに相当するが、240SXは2ドア(≒シルビア)に関しても180SXと共通のリトラクタブル・ヘッドライトによるフロントマスクを採用した、いわゆる『ワンビア』になっていた。
エンジンは、日本向けシルビア/180SXには設定のないKA24E型 2.4 L 直列4気筒SOHCを搭載。1991年モデルからはDOHCのKA24DE型に変更された。
1992年モデルでフェイスリフトを受け、従来の「豚鼻」と呼ばれたフロントグリルを廃し、バンパーはボリュームを増しつつ、滑らかな形状となった。同時に2ドアコンバーチブルが追加され、最終年となった1994年モデルはコンバーチブルのみの販売となった。
日本国内でも数は少ないながら逆輸入されており、日本国内での型式認定を受けてはいないが、車検証記載の型式は「-RMS13-」となる。また、部品レベルでは、240SXのリアセンターガーニッシュを180SX前期型に流用する例も見られた。
1994年に1995年モデルとして登場。ボディタイプは2ドアのみで3ドアは廃止された[注釈 1]。基本的なスタイルはS14型シルビアと同一であるが、緩衝装置を内蔵した5マイルバンパーを装備しているため、日本国内仕様よりやや大ぶりとなる。それに加え、前期型ではフロントマーカーランプ(ターンシグナル兼用)もやや大きい。
SE、LE、baseの3種類のグレード展開で、SE、LEはホイールが5穴であるのに対し、下位のbaseは4穴でサンルーフも装備されないなど、上級グレードとの差が大きい。また、フロントディスクブレーキは日本向けシルビアの自然吸気(NA)モデルと同様、4ポットキャリパーの設定はない。
1995年にはNXの後継として、日本におけるB14型ルキノクーペと同型の「200SX」が登場。240SXの登場によって消滅していた同名称が復活した。
1997年にフェイスリフトが行われ、ヘッドライトおよびテールランプの形状が変更された。ヘッドライトは日本のS14シルビア後期型と大差はないが、プロジェクターライトの形がわずかに異なる。フロントバンパーは日本仕様とは異なる独自のデザインを採用する。
240SXはS14型を最後に廃止されたため、S15型シルビアに相当するモデルは北米では販売されなかった。
S13型は、1990年代にエレクトラモーティブ隷下のライツィンガー・レーシングからIMSA-GTUクラスに参戦した。フォーミュラDでは吉原大二郎がS13型で参戦していた時期があり、2011年にはシリーズチャンピオンを獲得している。
また、ドリフト文化がアメリカにも浸透した頃から、後輪駆動の240SXにも注目が集まり、中古市場の相場も上昇した。ただし、240SXには日本のシルビア/180SXに搭載されているCA18DETやSR20DETといったターボエンジンが存在しないため、現地でポピュラーなV型8気筒やホンダ・K型エンジンへスワップしたり、日本から輸入されたCA18DETやSR20DET、さらには少数ながらRB系エンジンへのスワップ例も存在する[1]。
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