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日産自動車のセダン型乗用車 ウィキペディアから
ラティオ(LATIO)は、日産自動車がかつて生産・販売していたセダン型の小型乗用車である。本項では便宜上、前身となるティーダラティオ(TIIDA LATIO)についても記述する。
2004年10月、ハッチバック車であるティーダの派生車種「ティーダラティオ」として発売された。日産における小型エントリーセダンであったサニーのマーケットを継承するモデルであるが、あくまでも上質なまったく新しいセダンをコンセプトとして開発されており、「サニーの後継車」という意図で開発されたものではない[1]。
2012年10月に日本国内向けのフルモデルチェンジを行った際、ティーダが2代目ノートに統合されるかたちで日本国内向けの販売を終了していたことから「ラティオ」の単独ネームに改称され、同時にCセグメントクラスからフルBセグメントクラスに降格となった。
ティーダラティオは追浜工場で生産されていた。日本市場向けのラティオはタイ日産で生産され、日本に輸入されていた。さらに品質などの再確認を行うため、追浜工場で最終検査も受ける。タイでの生産は2004年から立ち上がっており、同国向けと2007年1月からのオーストラリア向け[注釈 1]もタイ日産での生産車両が販売されている。中国向けモデルは東風汽車花都乗用車工場で、台湾向けは裕隆日産汽車三義工場で、アメリカ各国向けはメキシコ日産自動車アグアスカリエンテス工場で製造される。なお、日本市場向けには2016年10月末をもって輸入終了。同社における日本国内向けのセダンとしては最後の5ナンバーサイズ(ボディ)セダンであった。
日産・ティーダラティオ(初代) SC11型 | |
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2004年10月発売型 | |
2008年1月改良型 | |
概要 | |
別名 |
中国 : 日産・ティーダセダン(初代) ヴェヌーシア・D50 |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2004年10月 - 2012年12月 |
設計統括 | 松本秀二 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
プラットフォーム | Bプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
HR15DE 1,498cc 直列4気筒 DOHC MR18DE 1,797cc 直列4気筒 DOHC HR16DE 1.6L 直列4気筒 DOHC |
最高出力 |
1,498cc 109ps/6,000 rpm 1,797cc 128ps/5,200 rpm 1.6L 109ps/???? rpm |
最大トルク |
1,498cc 15.1kg・m/4,400 rpm 1,797cc 17.9kg・m/4,800 rpm 1.6L ??.?kg・m/???? rpm |
変速機 |
4速AT (E-ATx) エクストロニックCVT 5速MT(教習車) 6速MT |
サスペンション | |
前 | ストラット式 |
後 | トーションビーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,600 mm |
全長 |
4,395 mm(前期型) 4,430 mm(後期型) |
全幅 | 1,695mm |
全高 |
1,535 mm(前輪駆動車) 1,540 mm(四輪駆動車) |
車両重量 | 1,110 - 1,220 kg |
系譜 | |
先代 | 日産・サニー |
後継 | 日産・ラティオ |
2004年10月30日発売。当初はティーダと別デザインのフロントグリルを装着することにより差別化が図られていたが、後のマイナーチェンジにより共通デザインとなった。内装のデザインはティーダと共通だが、ティーダがメタル調であるのに対し、ティーダラティオでは木目調のフィニッシャーが採用された。
プラットフォームにはティーダ同様、アライアンス関係を結んでいるルノーと共同開発したBプラットフォームのロングホイールベース版を採用[3]。フロントシートについてもティーダと同様に、ティアナと同等のサイズのものが採用された[4]。ティーダとは異なり後席スライド機構は設定されず、ティーダのスライド機構を最後部にスライドされた状態で後席が固定されている。さらに、ティーダとはリアシートの設計が変更されており、ヒップポイントを数mm後退させたことにより、ティーダよりも若干広くなっている[5]。
エンジンは、1.5LのHR15DEエンジンと後に追加された1.8LのMR18DEエンジンの2種類で、トランスミッションはエクストロニックCVT、フルレンジ電子制御4速AT、6速MTが用意され、4速ATについては最下級グレードの「15S」とe-4WD車に標準設定され、「15B」にも設定される。なお、6速MTについては後期型「18G」に設定される。また、2008年9月から設定された教習車には1.6LのHR16DEエンジンに5速MTを組み合わせたモデルも存在する。
日本仕様車のグレード展開は、ティーダと同様に下位から「15S」、「15M」、「15G」、「18G」の4種類で、15Sと15Mにはe-4WDを採用する四輪駆動車「15S FOUR」および「15M FOUR」が用意される。S、M、Gではそれぞれ別のシート地が採用される。ほか、一般カタログには掲載されていない法人専用グレード「15B」も存在し、ノートと共通デザインのウレタンステアリングが採用され、アウトサイドドアハンドルが無塗装になるなど差別化されている。シート地に関しても当初はS、M、G3グレードとは異なるものが採用されていたが、後に15Sと共通化されている。
なお、2008年1月にはクライスラーへの南米市場向けOEM供給を2009年から行うことで合意し[6]、後に同車をベースとする「ダッジ・トラーゾ」が2008年のサンパウロモーターショーに出品されていたが、景気悪化を理由として2009年8月にOEM契約は解消された[7]。
なお、台湾向けモデルを生産、販売する裕隆日産汽車は2018年5月までティーダセダンとしてこのモデルを引き続き生産していた(ハッチバックは2012年にモデルチェンジ済み)。また、メキシコでも2018年までN17型ヴァーサと併売する形でティーダセダンの生産が続けられていた。
日産・ラティオ(2代目) N17型 | |
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2012年10月発売型 B | |
2014年10月改良型 X | |
概要 | |
別名 |
中国・インド・ミャンマー: 日産・サニー(10代目) 東南アジア・オセアニア : 日産・アルメーラ(3代目) アメリカ:日産・ヴァーサセダン インド : ルノー・スカラ(2代目) |
製造国 |
メキシコ タイ |
販売期間 |
2011年1月 - 2019年3月(北米仕様) 2012年10月 - 2016年12月(日本仕様) |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | 前輪駆動 |
プラットフォーム | Vプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
HR12DE 1,198cc 直列3気筒 DOHC HR15DE 1.5L 直列4気筒 DOHC(アジア・オセアニア仕様、中国仕様) HR16DE 1.6L 直列4気筒 DOHC |
最高出力 |
1,198cc 79ps/6,000 rpm 1.5L 99ps/???? rpm(アジア・オセアニア仕様) 1.5L 111ps/???? rpm(中国仕様) 1.6L 115ps/???? rpm |
最大トルク |
1,198cc 10.8kg・m/4,400 rpm 1.5L ??.?kg・m/???? rpm(アジア・オセアニア仕様) 1.5L ??.?kg・m/???? rpm(中国仕様) 1.6L ??.?kg・m/???? rpm |
変速機 |
5速MT 4速AT エクストロニックCVT |
サスペンション | |
前 | ストラット式 |
後 | トーションビーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,600 mm |
全長 | 4,455 mm |
全幅 | 1,695 mm |
全高 | 1,495 mm |
車両重量 | 1,030 - 1,040 kg |
系譜 | |
先代 | 日産・ティーダラティオ |
後継 |
日本: ノート(2代目)、およびシルフィ(3代目)に統合 |
N17型は2011年以降日本国外において先行展開され、中華人民共和国(中国)やインドなどでは「サニー」、東南アジアおよびオセアニアなどでは「アルメーラ」、アメリカ大陸では「ヴァーサセダン」(2代目)として販売される。日本では2012年10月5日に発売された。
プラットフォームは先代のBプラットフォームに代わり、4代目マーチから採用された新開発のVプラットフォームを採用。搭載されるエンジンは仕向地によって異なり、タイ及び日本向けがHR12DE 1.2L 直列3気筒、中国や東南アジア(タイは除く)及びオセアニアなどではHR15DE 1.5L 直列4気筒、アメリカ大陸向けにはHR16DE 1.6L 直列4気筒が搭載される。ボディサイズは初代(P10型)および2代目(P11型)プリメーラをやや上回る寸法である。
日本仕様はマーチおよびノートにて採用済みのアイドリングストップや副変速機構付CVTを搭載。徹底的な軽量化を図った事により、先代ティーダラティオに比べて70kg軽量化されるとともに、Cd値・0.31と空力性能に優れたボディ形状としたことで22.6km/L(JC08モード)の低燃費を実現し、「平成27年度燃費基準+10%」を達成した。
日本国内における発売当初のラインナップは、先代のティーダラティオの後期型をほぼ踏襲する内容となっており、アナログメーター[注釈 2]、液晶オド・ツイントリップメーター(燃費表示機能・デジタル時計・航続可能距離)を装備した普及グレードの「S」、ファインビジョンメーター、マップランプ、トランクオープナーレバー、トランクルームランプなどを追加装備した標準グレードの「X」、プッシュエンジンスターター、運転席バニティミラー、オゾンセーフフルオートエアコン、VDC、エンジンイモビライザーなどを追加装備した上級グレードの「G」、そして、「S」からトランクリッドトリム、ドアサッシュブラックアウトを省き、フロントグリルとドアハンドルをブラックに変更したビジネス向けエントリーグレード「B」の4グレードを設定していた。また、エンジン進化型エコカー「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」の車種となったため、リア右下に「PURE DRIVE」エンブレムが装着される。
しかし、既に日産自体が日本国内における小型セダン市場での地歩を減退させており、日本仕様は全車1.2Lの3気筒エンジンかつFFのAT車のみの設定で、先代のティーダラティオに存在していた1.5L、1.8Lの各種4気筒エンジンやe-4WD仕様、MT仕様などは設定されなかった。さらに先代のティーダラティオに対し実用性・経済性・環境性能に秀でる反面、新興国市場を完全に意識した端正さに欠けるエクステリアデザインや最小回転半径の大きさ(全車5.2m)、後期型ティーダラティオよりもコストダウンが明確となったインテリアに加え、安全装備の充実感に乏しいほか、販売価格がタイ製の海外生産車種としては比較的割高であることや、商品訴求力・展開力などを欠くきらいもあり[11]、競合のカローラアクシオが一足先にフルモデルチェンジを実施したこと、日本国内における小型セダンの市場縮小などという悪条件が重なり、発売直後から売れ行きは芳しくないものであった。
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