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日本の実業家、2代目三菱財閥総帥 (1851-1908) ウィキペディアから
岩崎 弥之助(いわさき やのすけ、1851年2月8日(嘉永4年1月8日) - 1908年(明治41年)3月25日)は、日本の実業家で、三菱財閥の2代目総帥。男爵。三菱の創業者・岩崎弥太郎の弟にあたる。
岩崎弥次郎・美和夫妻の三男[3]として土佐国安芸郡井ノ口村(現在の高知県安芸市)に生まれた。
1867年(慶応3年)、満16歳のときに土佐藩校の致道館に入学。この時、岩崎家は郷士の地位を失って地下浪人に没落しており、武士の教育を受けられる身分ではなかったが、兄の弥太郎が吉田東洋の知遇を受けて下級役人に出世していたため、入学することができた。
1869年(明治2年)には大阪に出て、重野安繹の私塾成達書院に入門し、この時に英語を学んだ。
1872年(明治5年)4月、アメリカに留学。横浜で貿易商をしていたウォルシュ・ホール社(Walsh, Hall and Co.)のウォルシュ家に寄宿し、フランシス・ホール(同社の社員だが創立者のホールとは別人)の兄エドワードが開校し校長をしていたニューヨーク近郊のコネチカット州エリントンにある男子校(Edward Hall's Family School for Boys)に通った[4][5][6]。1873年(明治6年)11月に父の弥次郎が急逝し、兄の懇願もあって1年で留学を中断して帰国。三菱商会に入社。翌年の1874年(明治7年)の秋、弥太郎夫婦の仲人で後藤象二郎の長女・早苗子と結婚した[7]。
敬愛する弥太郎の事業を助け、米国の太平海郵便汽船や英国のP&O汽船会社との競合に手腕を振るう、1885年(明治18年)2月に弥太郎が死亡してからは2代目総帥として三菱の多角化に尽力。ライバルの共同運輸会社との合併により日本郵船を誕生させ、海運部門を切り離すことで、鉱山開発や造船建造、地所、金融、倉庫などの事業を興した。
1890年(明治23年)、政府から丸の内の土地購入の打診があり、荘田平五郎や末延道成に相談したうえで120万円で購入。後の『三菱の三大買い物』の1つ[注釈 1]に挙げられている。
1893年(明治26年)に三菱合資会社を設立。三菱の総帥の座を甥の久弥(弥太郎の長男)に譲り、監務(今の相談役)の役職に就く。
1896年(明治29年)には川田小一郎の後任として第4代日本銀行総裁となるも、当時の大蔵大臣と折り合いが悪く、2年ほどで退職した。
1889年(明治22年)の東京市会議員選挙に神田区から立候補したが落選した[8]。
1890年(明治23年)の帝国議会の創立時に、勅任されて貴族院議員となったが[注釈 2]、1891年(明治24年)9月30日に辞職した[9]。墓所は世田谷区岩崎家廟所。
弥之助と早苗子の縁談は後藤象二郎と弥太郎が勝手に取り決めたもので、米国留学中の弥之助には寝耳に水だったが、家柄を優先する当時の世相から、弥之助自身も異存はなかったようである。結婚後は早苗子と共に、元は後藤の家であり、東京湾が見渡せる駿河台東紅梅町の高台の洋館(現在の御茶ノ水駅付近、日立製作所旧本社の辺り)に住み、長女・繁子、長男・小弥太、次男・俊弥[15]、三男・輝弥の3男1女をもうけた。
3男1女はこの洋館で生まれ育ち、このうち息子は3人とも、私邸からお茶の水橋(聖橋は未完成)で神田川を渡った向かい側の湯島の丘(現在の東京医科歯科大学湯島キャンパス)にあった、官立の東京高等師範学校附属小・中学校(現在の筑波大学附属小学校、筑波大学附属中学校・高等学校)に通った。
長男・小弥太は三菱の4代目総帥で、次男・俊弥は旭硝子の創業者。三男・輝弥は分家して子安農園の経営に当たるとともに膨大な鉄道写真を残す。また、長女・繁子は、松方正義の次男で外交官の松方正作と結婚した。なお輝弥の次男・英二郎(弥之助の孫でドイツ語学者)は北原白秋の長女と結婚している。また、ベンチャーキャピタルの分野で活動しているキャピタリスト・岩崎俊男とブラジル東山農事社長の岩崎透は弥之助の曾孫にあたる[注釈 3]。
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