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日本の中国学研究者 ウィキペディアから
1956年群馬県生まれ。1979年明治学院大学社会学部社会学科卒、群馬県立文書館古文書課主幹兼指導主事、1987年群馬県立太田東高等学校教諭[1]を経て、安徽師範大学客座教授[2]、南京師範大学文学院客座教授・NIPPON ACADEMY 中国室次長 [3]。
1975年8月、明治学院大学・社会学部の学部生時代から、『古本竹書紀年』を自らの研究テーマとして定めることにした。『古本竹書紀年』のテキストを探し、東京の神保町を歩き回った中国図書を扱う書肆では見つからず、なかば諦めながら、入店した海風書店で店主の曽大海が『竹書紀年八種』[4]を出してくれ、入手することができた[5][6]。
なお、科斗文字については、『古本竹書紀年』の出自を調べていた時に、『竹書紀年八種』に所収されていた林春溥の『竹書本末』に記されていたことで、はじめて知ることになった[7]。
斉藤国治と「古天文学」分野で長く共同研究を行っていた。斉藤国治との共著である『中国古代の天文記録の検証』が上梓される以前、斉藤は「私が中途で挫折しても、計算ノートがあなたの手で日の目を見られれば本望です」と小沢に述べていた。なお、斉藤国治は、『中国古代の天文記録の検証』の上梓された1992年の後、2003年2月21日に死去している[8]。
2005年11月、手術を要する心臓病の疾病に罹患し、『中国天文学史研究』を遺言として、東北大学の浅野裕一に託した。その後、快癒し、2010年に出版された『中国天文学史研究』を目にしている[9]。
2007年5月、中国科学院紫金山天文台(南京)にて、中国古代天文学者の張培瑜と念願の熟談を果たし、新出土史料に記された日食や古代暦法の問題や太陽高度の問題などについて議論を交わした[9]。
2008年10月、浅野裕一から連絡があり、新出土史料の清華簡に『尚書』が含まれていることを知らされた。これを受けて、同年12月26日に北京の清華大学歴史系を訪問し、李学勤と会見して未公開だった清華簡の『繋年』について意見交換を行った[7]。
この頃、それまで“古文”と言われていたものが、実のところ戦国時代に於ける東方系文字であったということが出土資料で明らかになり、科斗文字の実体は時間を費やせば必ず解決できると直感し、郭店楚簡や上博楚簡の全貌が公開されていたため、それまで謎とされてきた科斗文字の実体を究明できるのではないかと考え始めるようになった[7]。
2012年に出版された『出土文献から見た古史と儒家経典』において、戦国時代・秦代・漢代の出土簡帛を用いて、古代史書や儒家経典について再考を加え、天文・暦法・音韻学・書誌学・古文書学など多彩な視点から考察している[10]。
2014年に出版された『浙江大『左伝』真偽考』(浅野裕一との共著)では、偽作説が定説になっている浙江大学蔵『左伝』竹簡(非発掘簡)に対し、真作説を主張した[11][12]。その過程で、出土文献の古文に全面的検討を加え、「永らく謎だった科斗文字の実態を解明した」、としている[13]。
2022年に出版された『科斗文字の謎を解くー消えた中国の古代文学ー』において、「執筆の過程で次々と新たな発見を行い、科斗文字には陽符と陰符の二種類の附帯図象があり、西周には陽符だけだったが、東周前半の春秋時代になると、形声文字の飛躍的増加に伴って、新たに陰符が作られ、区別が生じたこと、科斗文字で記された浙江大『左伝』が偽簡ではあり得ないこと、小篆・隷書の一律的使用を強制する秦の始皇帝の文字統一によって、古文が持っていたこうした特色が全て雲散霧消したことなどを解明した」、としている[13]。
小沢は、『科斗文字の謎を解くー消えた中国の古代文学ー』において、「科斗文字をめぐる筆者の謎解きもここで幕を下ろすことにしたい」と述べている[14]。
浅野裕一からは、「天文学・暦法学・音韻学・文字学・古文書学・書誌学などに精通した稀有な人物」と評され、「『出土文献から見た古史と儒家経典』や『浙江大『左伝』真偽考』などの共作を刊行してきた戦友の間柄である」とされる[13]。
平勢隆郎の研究手法に対して、2006年に「平勢隆郎氏の歴史研究に見られる五つの致命的欠陥」において、厳しい批判を加えている[15]。
2010年の著書『中国天文学史研究』は成家徹郎に批判され[16]、小沢も2011年に「『中国天文学史研究』に対する成家徹郎の書評について」を発表して応酬した。なお平勢隆郎も2010年に「正しからざる引用と批判の「形」 : 小沢賢二『中国天文学史研究』等を読む」を発表して批判を加えている。
2014年の著書『浙江大『左伝』真偽考』などで主張した「浙江大左伝」真作説に対しては、大西克也が2017年にそれを否定する見解を示した[12][17]。
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