小沢 信男(おざわ のぶお、1927年6月5日 - 2021年3月3日)は、日本の作家。
山下清の生涯を書いた『裸の大将一代記』で知られる。
東京市(現東京都港区)新橋出身。
1947年東京府立第六中学校(現東京都立新宿高等学校)を卒業。日本大学芸術学部に進学し、在学中に「新日本文学」に参加。「江古田文学」に掲載された「新東京感傷散歩」が花田清輝に認められる。
卒業後、小説・詩・戯曲・評論・俳句・ルポルタージュなど多岐にわたる執筆活動を展開し、著書多数。特に、東京・犯罪などの研究・執筆において、先駆者的な仕事をしている。
上野のタウン雑誌「うえの」の編集者をつとめた[1]。
2000年に『裸の大将一代記 - 山下清の見た夢』で桑原武夫学芸賞受賞。
2021年3月3日、CO2ナルコーシスのため東京都千代田区の病院で死去した[2]。93歳没。
- 『わが忘れなば 短編集』(晶文社) 1965
- 『ドキュメント 犯罪の主役たち』(三一新書) 1968
- 『小説昭和十一年』(三省堂) 1969
- 『ドキュメント 悪女』(三一新書) 1970
- 『若きマチュウの悩み わがバリエテ』(創樹社、バリエテ・シリーズ) 1973
- 『赤面申告 詩集』(朔人社) 1975
- 『東京の人に送る恋文』(晶文社) 1975
- 『犯罪専科』(東邦出版社) 1978、のち河出文庫
- 『大東京24時間散歩』(現代書林) 1979
- 『犯罪紳士録』(筑摩書房) 1980、のち講談社文庫、のちちくま文庫
- 『いま・むかし東京逍遥』(晶文社) 1983
- 『書生と車夫の東京』(作品社) 1986
- 『東京百景』(河出書房新社) 1989
- 『あの人と歩く東京』(筑摩書房) 1993
- 『昨日少年録 その1 亀山巌』(私家版) 1997
- 『句集 足の裏』(夢人館) 1998
- 『全句集・んの字』(大日本印刷ICC本部) 2000
- 『裸の大将一代記 - 山下清の見た夢』(筑摩書房) 2000、のち文庫
- 『悲願千人斬の女』(筑摩書房) 2004
- 『通り過ぎた人々』(みすず書房) 2007
- 『東京骨灰紀行』(筑摩書房) 2009、のちちくま文庫
- 『本の立ち話』(西田書店) 2011
- 『捨身なひと』(晶文社) 2013
- 『俳句世がたり』(岩波新書) 2016
- 『私のつづりかた』(筑摩書房) 2017
- 『ぼくの東京全集』(ちくま文庫) 2017
共著編
- 『文学と性』(瀬沼茂樹, 長岡弘芳共著、知性社) 1958
- 『秘められた恋文』(瀬沼茂樹, 長岡弘芳共著、秋田書店、サンデー叢書) 1967
- 『犯罪百話 昭和篇』(編、ちくま文庫) 1988
- 『東京の池』(冨田均共著、作品社) 1989
- 『写真集 東京下町親子二代 本所』(高田行庸写真、童牛社) 1992
- 『時代小説の愉しみ』(多田道太郎, 原章二共著、平凡社新書) 2001
- 『天皇制と共和制の狭間で』(日野百草, 山本健治, 重信房子, 藤田真利子, 天野恵一, 松田ひろむ, 高橋武智, 鹿島正裕他共著、第三書館) 2018
森まゆみ「しごと放浪記」(インターナショナル新書)P.177