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学校における最上級の職員 ウィキペディアから
校長(こうちょう、米: principal、英: head teacher)は、学校などの教育機関・教育施設に置かれる最上位の教職員。学校長とも呼ばれるが、学校教育法上の正式な名称ではない。
校長は、校務(学校が行う業務)をつかさどり、教員・事務職員・技術職員などの所属職員を監督する。
大学(短期大学・大学校・大学院を含む)においては、他の学校種における「校長」に相当する職位を、法制度上学長(がくちょう)と呼ぶ。学長はその由来や職務の有り方によって総長(旧帝国大学に由来を持つ大学[1][2] 、学校法人等設置母体の理事長と学長の職務を兼ねる職として等。)、塾長(じゅくちょう、慶應義塾大学の例。なお、学習塾でもこの名称が用いられることがある)、学頭(がくとう。秀明大学)などの独自名で呼ばれることがある。なお私立大学の場合、総長が学長とは異なる職(理事長やその他の職)を指す場合もある。
幼稚園(広義的には、認定こども園を含む)では同様の職位を法制度上、園長(えんちょう)と呼ぶ。また教育機関からは外れるが、保育園でも同様に「園長・所長」の呼び方が使われている。東京都では、特に重要かつ困難な職責を担う校長の職として「統括校長」が制度化されている。
校長を教員の一種とする考え方もあるが、必ずしも教員免許状は必要としない。法制度上通常は別の概念であるとされる。校長の職務には、在学者に対して直接教育を行うことは含まれず、教育を行う場合には校長の職とともに教員の職を兼ねる形となるのが通例である。ただし幼稚園の園長に関しては、教員としてカウントする自治体が多く、実際、小学校併設幼稚園以外の幼稚園の専任園長は、他の教員と同様に現場教育に係わりながら管理職も兼ねるケースも多い。
学校教育法(昭和22年法律第26号)第11条および学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第26条に基づいて、校長および教員は、教育上必要があると認めるときは、学生・生徒・児童に懲戒を加えることができる(幼児に対しては規定がなく、また善悪の判断について未成熟であるためできない)。ただし、体罰を加えることはできない。
懲戒のうち、退学・停学・訓告の処分は、それらの処分の重要性に鑑みて、各教員ではなく校長が行うことになっている(大学においては、学長の委任を受けた学部長も同様の処分を行うことができる)。
アメリカでは校長などの教育管理職の免許制度の歴史が長い[5]。オハイオ州シンシナティでは1837年頃には2つの等級の校長免許状が発行されていた[5]。またニューヨークでは1854年までに教職に応じた免許状が発行されるようになり、等級Aの免許状をもつ者のみが校長として採用されていた[5]。
教育管理職の免許状を発行していた州では第一次世界大戦後には免許状の分化が進み、1940年代以降になると一般行政職(general administrator)免許状と一般校長(general principal)免許状を発行されるようになった[5]。校長職に関わる免許状を発行する州は、1931年に11州、1948年に24州以上、1957年に45州、1974年までにはミシガン州を除く49州が導入した[5]。さらに1989年以降はミシガン州も校長に免許状を要求する免許状主義を導入している[5]。
アメリカでの校長等の免許状は更新制・上進制であることが多く、有効期間5年とする州が多く、終身有効な免許状を発行する州は少ない[5]。またケンタッキー州など新任校長に対してインターンシップを要求する州もある[5]。
マサチューセッツ州の場合、校長養成(副校長含む)で初期免許状(initial certificate)を取得するには、1.州内の高等教育機関(大学院)のほか、初等・中等学校長会などの専門職団体、学区チャータースクールなどによる養成プログラム、2.教育指導職アプレンティスシップ・インターンシップ・プログラム(インターンシップ(有償あるいは無償の実地経験)あるいはアプレンティスシップ(ワークショップやセミナーなどを含む総合的な実地学習)を修了後に学区教育長が認可)、3.大学院で経営学や行政学のプログラムを修了した者などを対象にパネル(審査委員会)が審査するパネルリビューがある[5]。
イギリスでは、役職に伴うプレッシャーから校長を避ける状況にあり、1000以上の学校で校長が不在だという[6]。一方、中国では、希望者が殺到する、人気のある職業となっている。要因として、校長の権力が強く、汚職がしやすいという事情が指摘されている[6]。
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