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ナチス党の地方組織 ウィキペディアから
大管区(だいかんく、ドイツ語: Gau、複数形:Gaue)とは、国家社会主義ドイツ労働者党の地方組織であり、ナチス・ドイツの事実上の行政区分である。
ミュンヘン一揆の失敗とヒトラーの収監を経て、ナチ党は組織の再編成を行っていた。1925年、大管区指導者の称号が作られた。
1928年までに大管区指導者はナチ党内の階級にもなり、最終的に全国指導者の次席となった。
ナチ党の権力掌握後は大管区指導者の多くが国家代理官(独: Reichsstatthalter)に任命され[1]、ナチ党による全国支配を実行することとなった。
さらに1934年に、ドイツ国再建に関する法の成立に基づき、それまでの行政区分である州(ラント、独: Land、複数形: Länder)の機能をナチス・ドイツ政府が一時停止したことに伴って、国家の行政区画としての機能を始めた。
第二次世界大戦勃発後の1939年9月には国防管理官を兼任し、地域防衛の責任者となったことでさらに権力は大きくなった。
ナチス・ドイツが滅びる1945年までに、合計で43の大管区が設置された[2]。その中には、オーストリア・チェコスロヴァキア・ポーランド・フランスなどの占領地域に設置された10個の帝国大管区と、大管区扱いとされた外国組織部(ドイツ語: Auslandsorganisation der NSDAP、略称:NSDAP/AO)が含まれる。大管区と帝国大管区に実際の機能の差はほとんど無く、都道府県の名称の違いと同様に考えればよい。
大管区はナチ党の地方組織の最大単位であり、ドイツ国内・国外(ザールラントやオーストリア等)を国会議員の選挙区に対応する30数個に分け、その下には、管区(Kreis)、地区(Ortsgruppe)、拠点分区(Stützpunkt、1939年廃止)、細胞(Zelle)、街区(Block)と呼ばれる単位が設置されていた。最少単位の街区は約50の世帯から構成されていた。
大管区指導者(ドイツ語: Gauleiter)とは国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)の役職・身分で、ナチ党の地区区分である大管区の指導者を指す。ナチズム下のドイツにおいては地方の最高権力者として扱われ、後に設置される帝国大管区においても大管区指導者が設置された。
ワイマール共和国から引き継いだ旧来の州(ラント)も、ドイツ国再建に関する法によって州議会は解散され、大管区指導者の多くが国家代理官に任命されたものの[# 1]、ナチス・ドイツ時代を通じて廃止されたわけではなく、大管区と並存し続けた。州を廃止する計画は存在したが、アドルフ・ヒトラーは、地域政党の指導者たちに混乱を引き起こすことを避けたため、帝国改革(ライヒスレフォルム、独: Reichsreform)と呼ばれたその構造改革を実行しなかった。
同様の理由から、大管区の境界も同様に変更されることは無かった。大管区はナチス・ドイツが巨大化していくに従って大きくなっていった[3]。一方で州もまた存続したが、実権は大管区指導者が握ったため、州首相(独: Ministerpräsident)は形式的な職責であった。
大管区指導者は、ヒトラーによって直接任命され、総統たる彼にのみ責任を負った。しかし、実務面ではヒトラーからの干渉は無いに等しく、彼らは絶対的な権力者として大管区に君臨した[1]。
第二次世界大戦勃発後の1939年9月1日には、政府評議会が出した命令によって、18の軍管区に所属する18人の全国防衛委員(国防管理官)が大管区指導者より任命され、地域防衛の責任者となったことで、さらに権力は大きくなった[4]。さらに、すべての大管区指導者が1942年4月6日に大管区労働配置管理官に任命され、11月16日には全国防衛委員へ任命された[5]。
帝国大管区は、1938年から1945年にナチス・ドイツによって、主に併合された領土により構成され、設置された行政区分の名称である。また帝国大管区の大管区指導者は全員が国家代理官を兼任し、大管区と政府行政が最大限に近接していた[5]。
1925年から1945年にかけて大管区の設置、廃止、合併が行われた。最終的には43の大管区が存在した。
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